久しぶりに公の場に姿を見せた神尾は、本作の制作経緯を直々に明かし、さらには自身の代表作『花より男子』と本作との共通点についても赤裸々に告白した。本作に対する並々ならぬこだわりが印象づけられるイベントとなった。
会場に集まったファンは、このトークイベントの前に第1話から第4 話までを鑑賞した。神尾が新たに送り出す渾身の青春群像劇に魅了されたファンの熱気が会場に漂う中、櫻井を先頭に神尾、梶、そして監督の中澤が順番にステージに登場すると、会場からは割れんばかりの拍手が贈られた。
日本人留学生・小早川新之助役を務めた梶は「今、皆さん4話までご覧いただいたんですよね!いかがでしたか!?凄いですよね!冒頭からもの凄いクオリティで感動しました。本日は、よろしくお願い致します!」と、集まったファンに向けて熱く挨拶する。
登壇者の挨拶が済んだところでまず、この場には来られなかったキット・チャーチ役の内山昂輝からの映像メッセージが上映された。内山は「キットは美術の才能は天才的だが性格はぶっきらぼうで、初対面の人とコミュニケーションを撮るのが苦手。ドラマの中でりりと出会って変化していくキャラクターなので、”変化”を大切にしてキットというキャラクターを作っていこうと思いました。種崎(崎は「たつさき」、以下同)さんや梶さんなど親交のある方が多かったので、現場は和やかな空気で進んだなと思います。物語が進むにつれさらにキャラクターが大きな変化を迎えていきますので、ぜひ最後まで楽しんでいただければと思います」と力強いメッセージを寄せた。親交のある梶はすかさず「ここまで饒舌なうっちー中々いないですよ!(笑)」と会場を笑わせつつ、「それだけ本人にとっても大事な作品なんだなという気がしました」としみじみ語った。
本作は神尾による完全オリジナル作品だ。そのこだわりについて、神尾は「ちょうど5年前に話をいただいた時に、コロナ禍付近だったので世の中も暗くて、ご覧になる方が楽しい気持ちになるキャラクターにしようとこだわりました」と説明する。
そして中澤が「シナリオが既に完成されていたので、行間をどうやって埋めるかという作業に終始しました。あとは画をとにかく綺麗に見せたかったので、神尾さんの漫画の線や雰囲気を再現できるようにしました」と振り返ると、櫻井も「4話以降のエピソードでむしろ画のクオリティが上がっていきます」と断言した。
4話から登場する小早川役の梶は、「途中参加のキャラクターってちょっと難しい部分があって。1話から居るキャラクターと比べて、少し違った緊張感があるんですよね。周りのキャストさんに、どこか“さてどんなもんかな?”という風に見られているような気が勝手にしてしまって(笑)。小早川君はしっかり者ですが、異国の地で、しかも優秀な学生が沢山いる中で不安も多かったのだろうと思うと、自分と共通する部分もありましたね」と振り返る。
そんな梶のコメントを受けて、神尾は「どうしても小早川は梶さんが良いです!とお願いして実現したんです」と告白した。
また梶は、「自分が子どもの頃にすでに一世を風靡されていた神尾先生の作品ですし、Netflixシリーズ『B: The Beginning』でご一緒した中澤監督作品でもあるので、オーディションの話をいただいたとき、絶対ご一緒したい!と強く思ったことを覚えています。小早川という役に関しては、無理に作りすぎずに演じることができそうなキャラクターだと直感で感じました。でも、オーディションに落ちまくっているので自信なんてなくて。
神尾といえば、『花より男子』という国内外から熱狂的な支持を受ける代表作を持つ。本作と『花男』を比較し、ストーリー展開やキャラクター設定における共通点や違いを問われると、「(共通点は)キャラクターをしっかりと創り上げること。女の子が元気で、男の子がひたすらかっこいい、ということは押さえていますね。少女漫画は恋愛がメイン。プリズム輪舞曲は夢をもった主人公たちが成長していき、人生を描き出すようなお話になっていると思っています」と赤裸々に告白し、これには会場も感心しきりだった。
そんな渾身作の制作のきっかけについて、神尾は「5年前に、櫻井さんからDMで連絡が来て、詐欺かな?と思ったんですけど(笑)、DMでやり取りした後、2時間後にお会いしました。櫻井さんが、”こんな感じのどうかな?”と言っていただいて、それが凄く面白くて。毎週のように打合せをしましたね」と、凄まじいスピード感で制作が決定したという意外なエピソードも飛び出す。
そして中澤は「作品を預かることになるので、ちゃんと育てて、お返しできるようにと丁寧に作れたらなと思っていました。お話作りがすごく勉強になりました。役者さんの芝居も全員凄くて、神尾先生も櫻井さんも毎回泣いちゃうんです(笑)」と明かし、会場はにこやかな雰囲気に包まれる。
吉信は「WIT STUDIO に入社してから社長に少女漫画作品をやりたい!と言い続けていたんですけど、5 年くらいまでに丁度このお話が浮上した時にやらせてもらえることになりましたね」と説明する。梶は「内山君や種崎さんとは多くの作品でご一緒してきましたし、若手の阿座上君や坂田君もバシっとハマっていて、キャラクターと声優のマッチングが凄いなと毎週感じていました。お芝居の空気感が最高に楽しくて、間違いなく良い作品になるだろうな、と思っていました」と熱弁した。本作に関わる全員が、作品に真摯に熱い気持ちで向き合っていたことが会場へ伝わった瞬間となった。
そんな梶はタイトルについて気になることがあったそうで、神尾に由来を質問する。すると神尾は「”プリズム”は入れたかったんです。そのあとに付ける言葉を考えていた時に、Netflix の担当者さんが、”ロンドン”だから”輪舞曲”にしよう!って(笑)」とまさかの回答を披露した。
最後に神尾は「こうして皆さんに観ていただけたのが幸せで嬉しく思っています。監督とのお仕事も人生の宝だと思いますし、声優さんも素晴らしくて。スタッフ皆さんで、これしかないよね!と思いながら作った作品なので、観ていただけたら嬉しいです!今日は本当にありがとうございました」と丁寧に呼びかけ、温かな空気の中でイベントは幕を閉じた。
『花より男子』の神尾葉子が原作・キャラクター原案・脚本を手掛けるNetflixシリーズ『プリズム輪舞曲』は、全20話・1話約20分で2026年1月15日より世界独占配信される。画家を志し海を渡った主人公・りりをはじめ、個性豊かなキャラクターたちが集う本作。プリズムのような煌めきを目指し、悪戦苦闘する若者たちの姿を描いた青春群像劇がまもなくスタートする。
Netflixシリーズ『プリズム輪舞曲』
2026年1月15日(木)より世界独占配信
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