アニメ『エヴァンゲリオン』シリーズの30周年を飾るアニバーサリー企画の集大成として、初の30周年フェスイベント「EVANGELION:30+; 30th ANNIVERSARY OF EVANGELION」が2026年2月21日より開催された。

その記念すべき幕開けを飾ったのは、はじまりを告げるステージ「OPENING of 30th ANNIVERSARY」だ。
会場を埋め尽くしたファンの期待が最高潮に達する中、カウントダウン映像が映し出され、「3!2!1!」のカウントダウンが終わると大きな拍手に包みこまれ開幕を迎えた。

オープニングを飾ったのは、30年前と同様にTVシリーズで多くのファンが何度も胸を高鳴らせたであろう、高橋洋子の歌唱による主題歌「残酷な天使のテーゼ」だった。エヴァンゲリオン初号機をイメージしたカラーのドレスに身を包んだ高橋の歌声に呼応するように、作中に登場する十字型の光をイメージした色とりどりのペンライトが会場全体を包み込み、会場の熱気は一気に高まった。
会場の興奮が冷めやらぬ中、MC・松澤ネキの呼び込みにより、シリーズを彩ってきた歴代ボイスキャスト陣、アーティスト、そして監督が登場し、かつてない規模で一堂に会した。

ステージには、碇シンジ役の緒方恵美、綾波レイ役の林原めぐみ、アスカ・ラングレー役の宮村優子をはじめ、坂本真綾(真希波・マリ・イラストリアス役)、三石琴乃(葛城ミサト役)、山口由里子(赤木リツコ役)、石田彰(渚カヲル役)、立木文彦(碇ゲンドウ役)、岩永哲哉(相田ケンスケ役)、岩男潤子(洞木ヒカリ/鈴原ヒカリ役)、長沢美樹(伊吹マヤ役)、優希比呂(日向マコト役)、山寺宏一(加持リョウジ役)といった、シリーズの歴史を体現する豪華ボイスキャスト陣が登壇した。

そして最後には、シリーズ生みの親である庵野秀明を迎え、まさに30周年アニバーサリー企画の集大成にふさわしい圧巻の光景となった。

割れんばかりの拍手を浴びた緒方は、「30年前、テレビ東京さんの夕方の時間帯で見てくださった方から、つい最近新しくファンになってくださった若い方まで、色々な方々と一緒にこの30周年のお祝いをみんなでできるということが、本当に幸せです。30年間、本当にありがとうございました。今日から3日間、ぜひ楽しんでいってください」とあいさつする。

続いて林原が「この規模の大きさ、そして3日間連続というイベントの大きさからも、『エヴァンゲリオン』が歴史に残してきた成果というか、思いも含めて、どれだけ大きいものなのかと……。関わっている我々ももちろん幸せです。なかなかアフレコでも会えないメンバーがここに一堂に揃って、今日来られなかった方も、(天を見上げ)見守ってくださっている先輩もいらっしゃいますが、とにかく最後までやりきりたいと思っております」とコメントする。


さらに宮村が「私も楽しみたいなと思ってここに来たら、この大きさにびっくりして。まだ自分の中でもふわふわしていて、何も言えないんですが、とにかく、皆様が期待してワクワクしているのだけは伝わってきたので、盛り上げたいと思います」と呼びかけると、坂本は「真希波・マリ・イラストリアスが出てきたのは2009年ということで、この30年の歴史の半分に参加したとのですが、この記念すべき日にお呼びいただきありがというございます」と感慨深い様子を見せる。

三石は「記念すべきオープニングが洋子さんの『残酷な天使のテーゼ』の生歌で。しかも映像とピッタリ合わせて、素晴らしい演出にすっかり私は胸を射抜かれてしまって、ちょっとウルウルしちゃって、皆様も同じ気持ちなんじゃないかなと思います。これから3日間、エヴァフェスで、『サービスサービスぅ!』」と『エヴァンゲリオン』シリーズの決めゼリフを披露し、会場を盛り上げた。

さらに山口が「皆様、おひとりおひとりの顔を拝見していると、本当ににこやかで幸せそうで、中には涙を流している方もいらっしゃって。海外の方も来てくださっていますね。庵野さんを含めキャストみんなでここに立てていることも、感無量でございます」と続けると、石田は「この30周年にこういった大きなイベントができるということで、本当に『エヴァンゲリオン』という作品の持つ力の大きさをまた再確認させられました」と述べる。

立木は「ここから先が新たな『エヴァンゲリオン』の世界ですが、自分自身を補完できていないし、『エヴァンゲリオン』自体の歴史もまだまだ自分は補完できてないんですけども、この3日間でぜひ、皆様とともに『エヴァンゲリオン』を、完全に補完していきたいなと思っております。ぜひ、ご協力をお願いします! まごころを、君に」と呼びかけファンからの歓声を集めた。

そして岩永は「第三村からやってまいりましたが大変でした、世界線が違うんで(笑)。私も今日は皆様と同様、心からエヴァフェスを楽しみたいと思います」と意気込むと、岩男は「エヴァ30周年に、こうして参加させていただけることに、喜びで胸がいっぱいです。
この3日間すてきな思い出をつくっていけたら」と話す。

長沢は「今日は30周年が嬉しすぎて、大好きな大好きな安野モヨコ先生デザインのお着物を着させていただきました」と衣装についての想いを明かすと、優希は「『エヴァンゲリオン』の日向マコトとしてこのように皆様の前に立つことってなかなかないので、とてもいい機会をいただいたなと思っています」と語る。

山寺は「声優というのは、本当にどんな作品と出会うか、どんなキャラクターと出会うかが全てと言っても過言ではない。僕は『エヴァンゲリオン』という作品、そして加持リョウジが大好きで。さっきのオープニング映像も、あの細かい映像の中に『あ、加持がいた!』って指折り数えておりました。それぐらい大好きです」と語り、会場を盛り上げた。

そして最後に、庵野が「30年前に作ったTVシリーズが、こういう大掛かりなイベントになるまでの作品になっているということに、個人的に感無量です。本当に皆さんのおかげだと思っています。最後に、この場に(冬月コウゾウ役の)清川元夢さんがいないことだけが残念です。本日はありがとうございました」とあいさつし、いよいよ「EVANGELION:30+; 30th ANNIVERSARY OFEVANGELION」が開幕となった。

1995年10月より放送が開始された『新世紀エヴァンゲリオン』から2021年3月に公開された『シン・エヴァンゲリオン劇場版』まで、シリーズでは30年にわたり壮大な物語が紡がれてきた。その長い旅路の中で、キャラクターに魂を吹き込み続けてきたキャストにとっても、本シリーズは唯一無二の存在となっている。


ファンからの印象に残った言葉を聞かれた林原は「個人的に困ったなと思ったのは、元々私がとても肉が好きなんです。でもレイというキャラクターとして『肉、嫌いだから』ってセリフを私が言ってるんですね。それで、レイちゃん大好きな人に『あなたは綾波レイじゃない』と言われたのがショックでしたね」と、熱狂的ファンの多い人気キャラクターならではのエピソードを披露する。
坂本は「30年前、私は高校生だったんですけれど、友達がみんな『新世紀エヴァンゲリオン』を見ていて。『次の新劇場版公開はいつなんだろう』『次はどうなるんだろう』って話していて、『私は知ってるけど言えない』と思っていて……それで発表になったときに『出るんかい!』といわれた言葉が記憶に残っています」と、人気シリーズならではのエピソードを明かした。

またヒカリ役の岩男が「ファンの方の言葉で印象に残っているのが、とにかくヒカリちゃんが幸せになってよかったですねと言われたこと」と発表すると、会場からは祝福の拍手がわき起こった。さらに長沢が「印象的だったのは、『:破』から『:Q』の間にマヤちゃんに何があったんですかと監督に聞いたんですけど、監督は何があったんだろうねとニコニコしていたんです」と振り返ると、これについて庵野監督が「若い男と付き合って、フラれたんですよ」と“新説”を明かし、会場が驚くなど大いに盛り上がった。

初収録の時の記憶や一番印象に残った収録回として、石田は「僕が登場した時は、『エヴァンゲリオン』の世界が完成している頃なので。その中で1話だけ入ったということで、どういう顔をすればいいのかと思っていました」と振り返る。すると、緒方が「笑えばいいと思うよ」と劇中のシンジの名セリフで返し、会場は大笑いする。
さらに立木は「それまで自分は声優としてはエキセントリックな役が多かったので、ギャップがあって。そこから先は、そういうキャラをあんまり出していかないというのを植え付けられた気がします」と、自身の転機となったことを明かした。


また三石は「確か最初の頃、収録からオンエアまで時間があったから。完成したオープニング映像をアフレコスタジオで見せてもらったんですよね。それを見たとき『すごい!』と衝撃を受けて、これはただならぬ作品だと思いました」と振り返ると、庵野監督も「あの時は作るのに精一杯でした。でもオープニングをアフレコ会場で流したときに声が上がったのは嬉しかったですよね」と笑顔を見せた。

山口は「実は『エヴァンゲリオン』が初めての声優のお仕事でしたので、スタジオに入ったのも、マイクの前で初めて喋ったのも初めてでした。本当に皆様、ベテランの方ばっかりで。とにかく緊張していて。練習したから行けると思ったんですけど、全然合わなくて……。いまだにTVシリーズを見返せないんです。見ようとすると怖くて。でもおかげで私も30周年なので、感謝です」と当時のアフレコを思い出す。
また『エヴァンゲリオン』シリーズの中で、自身の好きなシーンを聞かれた宮村は「アスカが使徒を頑張って倒したのに、槍がグサッと飛んできて。
ものすごくショックでした(笑)。あそこはトラウマです」と語ると、「あれは鶴巻さんですよ」と庵野監督が明かし、これには会場も笑いに包まれた。

山寺は「僕は自分のところばっかり見てます。いいセリフもたくさんあって。僕はよく成人式とか卒業式などで子供たちにメッセージを送るんですけど、全部加持のセリフをパクってますから(笑)。庵野さんありがとうございます」と語る。
すると、緒方も「山寺さんの言葉を受けてお話をします。声優として生きていると、みんなが知ってるセリフを持つことができるということは本当に幸せなことで。どんなに顔をしかめた感じの会議になっても『逃げちゃダメだ』『笑えばいいと思うよ』と言うとみんな笑ってくれるんです(笑)。そういうのはすごいありがたいなと思いました」と付け加えた。

そして当時を振り返った庵野監督は「その時その時が精一杯だったんで。必死でした。
今日イベントで上映する短編も、朝の6時までやっていたんで、今日寝てないんですよ(笑)。面白いものになってますんで、ぜひお楽しみください。スタッフがギリギリまで頑張っています」とファンの期待をあおった。

そんな『エヴァンゲリオン』愛が溢れたオープニングステージを締めくくるべく、最後は緒方から「さっき裏でも言ってたんですけど、多分このキャストの誰か2人が集まったら、1週間ぶっ続けでトークショーができるみたいなと。そういう思い出を全てみんなが語るっていうのは、大変なことだと思いますので、皆様の思い出のかけらをこの3日間でどこかで探していただき、色んなところで接点を持っていただいて、またこれからのネルギーにしていただいたらと思います。今日から3日間、色々楽しんでください!」という熱い言葉が飛び出した。

「EVANGELION:30+; 30th ANNIVERSARY OF EVANGELION」OPENING of 30th ANNIVERSARY
日程:2026年2月21日(土)~23日(月・祝)
オンライン配信チケットも発売中
(C)カラー (C)カラー/Project Eva. (C)カラー/ EVA 製作委員会
編集部おすすめ