世界遺産・姫路城の城下町にガンダムが登場!いったいどういうことか?とXで疑問が飛び交った。そもそもの始まりは、ファーストガンダムこと機動戦士ガンダムに登場するモビルスーツ「ザクII」がカラーで描かれたマンホールの写真の投稿だった。
リアルなザクのマンホールだというだけでも驚きなのに、それが設置されたのが姫路城の近辺ということでさらに話題を呼んだ。

古い日本の文化を象徴する名城と、日本のサブカル文化の象徴とも言えるガンダムが交差する光景に、「やっぱ探しちゃいますよね~」「旧ザクも欲しい」といった声が寄せられ、海外のXユーザーからも反響があった。

このマンホールは「ガンダムマンホールプロジェクト」の一環で設置されたもの。バンダイナムコグループが全国の自治体と連携し、オリジナルデザインのマンホールを寄贈する取り組みだ。地域の活性化と幅広い世代のファンとの絆を深めることを目的としている。

投稿したのは、サブカルとデジタル技術を活用した地域振興を推進するアカウント「姫路の生活を応援!ヒメカツ!(@Himekatui)」の運営者。メタバースを活用した城下町の地域振興を行う「城バースプロジェクト」の運営や、ご当地VTubeとして活動中の人物である。

「なぜ姫路にガンダムが?」地元民の“違和感”で気がついた城下町の新たな魅力
姫路城の目と鼻の先で生まれ育った投稿主は、最初にこのガンダムマンホールを見たときの率直な心境を次のように語っている。「初めは『この街とガンダムに何の関係が?』と疑問でした。しかし、ガンダムマンホールプロジェクトの目的を知り、ガンダムは海外でも人気があるため、姫路城を訪れる多くのインバウンド客にとっても、姫路市にとっても喜ばしいことだと思いました」。

今回投稿されたマンホールには、姫路市立美術館とザクIIが描かれている。設置場所である大手前通り周辺は、歩行者利便増進道路(通称:ほこみち)制度を活用したまちづくりが進められているエリアであり、今後も再開発が予定されている地域だそう。


「進化を続ける城下町の情緒と、無骨なザクのデザイン。この対照的な要素が共生するまちづくりは、多様性を受け入れる寛容な場を生み出し、多くの人を惹きつける魅力になるはずです。」

さらに「城もモビルスーツ(MS)も、本来は戦うための道具です。だからこそ、どちらも地形や戦い方に合わせた設計になっていて、そこには作り手の意図やこだわりが強く反映されていると感じます」と城とMSの共通点について語ってくれた。

「クロスボーンをアニメ化して!」ほとばしるガンダム愛と、“アニメじゃない”未来への願い
そんな投稿主自身にとっても『機動戦士ガンダム』は特別な作品でもあると言う。「ガンダムシリーズの中でも、私にとって『機動戦士ガンダムF91』は別格に愛してやまない作品です。特にセシリーとカロッゾ・ロナが対峙するシーンは、今も強烈に脳裏に焼き付いています。

作品の根底に流れる「親子関係」や「人間のエゴ」というテーマは、いつの時代も変わることのない普遍的な問いとして、私の心に深く突き刺さります。富野由悠季監督がかつて描いたこれらの難題に対し、時代も環境も大きく変化した現代の私たちなら、また新しい答えを見つけ出せるのではないか――そんな風に思いを馳せてしまいます。
……と、つい熱く語ってしまいましたが、何はともあれ今はこれに尽きます。『機動戦士ガンダム クロスボーン・ガンダム』を、一刻も早くアニメ化してください! あの最高に格好良い姿が画面で動く日を、ずっと、ずっと待ち続けています!」とガンダムへの思いは尽きないようだ。

そして、これから“聖地巡礼”で姫路を訪れるガンダムファンに向けては、旅をより深く楽しむためのこんなメッセージを送ってくれた。「姫路の魅力を深く味わうなら、まずはこの地の歴史や自然、そして食といった『風土』を、五感を使って直接体験してみてください。
それと同時に、周辺の異なる地域へも足を伸ばしてみることをおすすめします。他の土地を知ることで、初めて姫路という街が大切にしてきたものの価値や、一見何気ない景色の中に眠る“真の魅力”を再定義できるはずです。時には、その土地に足りないものを自らの感性で補い、新しい楽しみ方を創り出していくのも、旅の醍醐味ではないでしょうか。
わざわざ姫路まで足を運んでくださる皆さんは、高い行動力と情熱をお持ちのはずです。古くから交通の要所として発展してきた姫路の鉄道や道路網を存分に活用して、このエリアの隅々まで探索してみてください」。

そんな旅人たちの往来の先に、彼は一枚のマンホールが紡ぐ、さらに大きな未来を見据えている。「子どもはやがて大人になり、大人は老いていつかこの世を去ります。そうした命の巡りの中で、このガンダムマンホールが世代や地域の壁を越えた交流のきっかけになってほしいと願っています。その交流を通じて、古い偏見や価値観をアップデートし、誰もが自由に夢を語り合えるような新しい関係性が築かれていく――そんな変化の風が吹くことを期待しています。あ、一つだけ補足しておくと、そこで語り合う内容は……“アニメじゃない アニメじゃない 本当のことさ”(笑)」

足元に輝く一枚の鉄の円盤。それはただのマンホールではない。世代を超えて“本当のこと”を語り合う、未来への扉なのかもしれない。
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