新型コロナウイルスの収束が見えない中、感染防止策のひとつ「3密」回避につながると、バイクが人気を呼んでいるそうです。特に初心者でも比較的手軽に乗れる軽二輪(排気量126~250cc)の販売台数が伸び、休日に気分転換したり、通勤・通学を公共交通機関から切り替えたりと、利用目的もさまざま。
筆者が購入したHonda CBR250RR。普通自動二輪免許で運転可能だ
ですが、バイクって免許が必要だし、ハードルが高いのでは? と思う人もいるかと思います。そこで今回、クルマ好きなモデルの新 唯(あらた ゆい、以下・唯)さんが、実際に排気量400ccのバイクまで乗ることができる「普通自動二輪免許」を取得するというので、その取得までの道のりを連載で紹介します。実際にバイク教習ってどんなことを教えるのか? どうすれば取得できるのか? などなど事細かくレポートしていきます!
※撮影は特別な許可を得て教習所卒業後に撮影しています
MT免許女子がバイクの免許にチャレンジ!
唯さんは、今後テレビタレントも目指していきたいと考えているクルマがお好きなモデルさん。ASCII.jpでも色々なクルマに乗ってもらったりしています。

今回の企画の始まりは、そんなクルマ取材をお願いしていた時の雑談にさかのぼります。最近、ASCII.jpではクルマだけでなくバイクの記事も掲載していますので「バイクには乗っていたりするのですか?」と尋ねた編集スタッフたち。唯さんは「興味はあるけれど免許はもっていないんですよ。免許取ってみたいなぁと思ったことはあるんですけれどね」とのこと。ですが「両親は以前バイク乗りで、私も小さい時は父のバイクの後ろに乗っていたんですよ」だそうで、お世辞抜きでバイクに興味がありそう。
普通なら「あ、免許ないんだ」で終わる会話なのですが、大人げないオトナたちは「なら、記事の企画として取っちゃいましょうよ!」と無責任極まりない話を持ちかけるではありませんか。


今回お世話になるのは、Hondaグループの教習所「レインボーモータースクール和光」。Hondaが世界一のバイクメーカーであるのは、誰もが知るところです。そのメーカー直系の教習所ですから、きっとキッチリと教えてくれるともくろんだわけです。実際、レインボーモータースクール和光の教習は他の教習所と、かなり指導方法が異なります。それは次回以降にご紹介しましょう。
今春のトレンドアイテムであるライダースジャケットを着て教習所を訪れた唯さん。さすがファッションモデル、オシャンなだけでなく、バイクに関する取材ということでセレクトされたのでしょう。やる気を感じさせてくれます。それでは早速入校受付を済ませることにしましょう。


まず個人情報を取り扱うという同意書などにサインをしてから、入校手続きがスタート。今回唯さんが狙うのは、普通二輪のMTになりますので、入校申込書の欄に、自ら印をつける唯さん。




さっそく早速料金の説明からスタートします。レインボーモータースクール和光の普通自動二輪車(MT)の基本教習料金は、普通自動車の運転免許書があれば10万1750円。この金額は1回もミスをすることなく教習ができた場合の話。当然再度とか再検定となった場合は、別途費用がかかります。レインボーモータースクール和光では、そんな時のために、オプションとして安心プランを用意。追金5500円で、追加技能料金や再検定でもオプション料金以上の費用は発生しない、というもの。
ちなみに卒業検定に落ちると、検定料5500円のほか、技能教習1時限を受けなければならず、その料金は3500円。つまり入った方がオトクというわけです。ですが唯さんはなんと「それは結構です!」とオプションは加入せず。なんと前向きなのでしょう! 気になる金額ですが、今回は紹介割引があったので、9万6250円となりました。


こうして入校手続きを進める唯さん。まずは視力検査から。唯さんは裸眼で2.0近く見えるというから驚き。続いて色の試験。これは信号の色がちゃんと識別できるか、というものになります。


続いて教習原簿に貼る写真の撮影。この時、カラーコンタクトは外さないとダメなのですが、唯さんは「カラコンしていないです」とのことで、そのまま撮影ルームへ。あんなに黒目が大きいのに、カラコンしていないのか! と驚く編集スタッフ一同。ですが、撮影するにあたり、眉毛は出さないとダメなのだそう。ちょっと髪型を変えてパチリ。ついでにスタッフが撮影しようとした時は、前髪を元に戻されてしまいました。

撮影が終わり、再び受付カウンターへ。今度は入校からの流れについての説明が始まります。まず、後日入校式に参加して、教習原簿を受け取り、かつ教習の注意についての説明を受けます。入校式はほぼ毎日行なわれているので、タイミングが合えば受付後すぐに入校式に参加することもできます。

普通自動車免許を取得していた場合、学科教習は2段階に1回のみ。あとは実技教習のみで、1段階9時間/2段階8時間(最短での時限数)で卒業となります。17回バイクに乗れば卒業となるのですが、これを1段階の1回目から9ヵ月以内に履修する必要があります。2段階が終わったら、3ヵ月以内に卒業検定を受けて、合格すれば晴れて路上でバイクに乗ることができるというわけです。ちなみにクルマの場合、2段階目から路上教習が行なわれますが、バイクの場合は2段階目も所内教習となります。

続いて初回の技能教習予約。これが入校して1ヵ月後からでないと教習の予約が取れないという状況。話によると新型コロナウイルスの話が出た昨年夏前から教習生が増加したそうで、予約が取りづらくなったのだとか。

教習中は服装も決まっている
当然ヘルメットも必須です!

こうして教習予約も入れたことだし、あとは帰宅するだけ、と思いきや、受付の方から教習の服装についての説明が続きます。教習は夏でも長袖長ズボン。これはバイクが転倒した際、肌が露出していると大けがになるからです。次にライディング用グローブもしくは革製の手袋。軍手で代用することは不可だそうで、忘れた場合は当日500円で購入可能とのこと。

そして編集スタッフも初耳で驚いたのがヘルメット。なんとレインボーモータースクール和光ではヘルメット貸し出しサービスをしていないというではありませんか! 「教習費用は自腹と聞いていましたが、ヘルメットを買うだなんて聞いていないですよ」とスタッフに詰め寄る唯さん。我々もこの時、初めて知りました。

教習所側の担当者によると、以前は貸し出しサービスをしていたのですが、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、昨年6月頃から貸し出しサービスを延期したのだそう。さらにヘルメットは、ちゃんとPSCマークが入っていないとダメで、いわゆる半ヘルはNG。

さらに続きます。シューズにも指定があるのですが、望ましいのは「かかとのある」ブーツもしくはライディングシューズで、ハイカットで「かかとのある」靴も可とのこと。逆にダメなのが、ローカットのスニーカー。普通に履いているスニーカーはダメというわけです。ここでも「いや、靴を買うという話、聞いていないんですが」となる唯さん。編集スタッフも初めて聞いて、唯さんに対して申し訳ない気持ちに。

つまり教習開始する1ヵ月後までに、ヘルメットやグローブ、そしてシューズを用意しなければならないということ。ちなみにレインボーモータースクール和光では、ヘルメットやグローブ、シューズの購入の足しになるよう、近接するバイク専門店「和光2りんかん」で使える10%オフチケットが貰えます。これはうれしいサービスです。バイク用品は高いですからね。


最後に、配車の手続き方法についての説明。レインボーモータースクール和光では、FeliCaもしくは教習カードを非接触カードリーダーにタッチし、配車券を受け取るとのこと。ちなみにiPhone内蔵のFeliCaには対応していないそうです。唯さんはモバイルSuicaな方なので、教習カードでタッチ&ゴーすることとなりました。


こうして、教本など一式が入ったブリーフケースを受け取って、入校手続きは終了。ただ備品購入というを除いては……。
ウェア選びは実際に見て決めたほうが安心
入校手続きが終えた唯さんですが、ウェア問題が重くのしかかります。ちょっと顔も暗くなりがち。このまま隣接する「和光2りんかん」でヘルメット選びというのも酷い話ですので、まずはバイク屋さんに行って、色々なバイクに触れてテンションを上げてもらうことになりました。

今回訪れたのは、レインボーモータースクール和光からクルマで30分ほどの距離にある、Honda Dream新座。Hondaグループの教習所の後に、他社に行くのも変ですからね。バイク屋に入るのは初めての唯さん。「色々なバイクがあるんですね。それに思っていたより綺麗」と興味深々の様子です。

唯さんはフルカウルのスポーツバイクがお好みのとのこと。スポーツカーを所有されているということもあり、やはりスポーツ系がお好きなのですね。まずはスカートのままですが、唯さんが取得する予定の普通自動二輪免許で運転できるCBR250RRに着座。さすが幼少の頃、お父様の後ろに座っていらっしゃっただけはあります。

店内にはバイクだけに留まらず、ウェア類も展示されていました。Hondaはバイクだけでなく、バイク用ウェアやグッズも販売しているのです。「こんなものまであるんですか!」と驚きながら、早速チェックする唯さん。その様子は、女子がブティックで品定めしている状況で、まったくもってバイク屋に来た感がありません。



「このジャケットいいなぁ」「このパンツ、バックステッチがHondaの羽のマークみたい」「このグローブ、スキーの時に嵌めるのに似ている!」とあれを見たり、これを見たり。
そしてシューズもチェック。「なんか、このシューズは青ひげ(コンバースのジャックパーセル)みたい」と関心していると、「こちらの商品、春夏の新作でして」と、普段のバイクセールスとは異なるお話をされる店員さん。まるでハウスマヌカン(死語)のようです。



折角なので、試着してもらうことにしました。唯さんが着用しているのは上から「メッシュハイブリットパーカ」(M,L,LL/2万2550円、3L/2万3650円)、「ライディングデニムパンツ」(WM,WL,M,L,LL,3L,4L/1万120円)、「ドライマスターフィットフープシューズ」(23.0cm~28.0cm 2万3100円)の3点。折角なのでHondaの新作バイクにして、唯さんが取得される普通自動二輪でも乗車できるGB350と共にパチリ。さすがファッションモデル、バッチリ決まっているではありませんか! 上のジャケットの色とバイクの色がマッチして、実にトータルコーディネートです。

「メッシュハイブリットパーカ」(M,L,LL/2万2550円、3L/2万3650円)は、フードのセンターをメッシュにしたことで、風で膨らみづらくバタつきを防止した人気のフーディー。唯さんが着用しているのは、今年の新色である「ネイビー/プラチナ」で、さわやかな印象を与えます。

「ライディングデニムパンツ」(WM,WL,M,L,LL,3L,4L/1万120円)は、バックポケットにウイングマークをあしらった赤いステッチが入ったデニムパンツで、膝部分にはソフトプロテクターが入った逸品。これもまた普段の街乗りでもバイクウェアに見えませんね。色はネイビーとブラックの2色展開。

店員さんが春夏の新作と言っていたシューズは、ヒール・くるぶし・つま先部分にインナープロテクター、左足爪先部にシフトパッドを装備。靴紐部分はゴム紐のダミーで、スキーブーツのようなBOAシステムで調整します。ライトグレーのキャンパス地は、優れた防水透湿性を誇るドライマスターFITを採用。機能的な1足に仕上げられています。

着替えをしてテンションが上がった唯さんとスタッフ一同。展示車両に跨ってもらうことになりました。まずはCBR650R(105万6000円)。唯さんの大好きな黒いスポーツタイプのバイクです。「これカッコいい! 素敵! 一度乗ってみたい」と、今日イチの笑顔を魅せてくれました。でもこのバイクに乗るには、大型免許が必要です。

続いて250ccクラスで人気のレブル250。アメリカンタイプのバイクで、ちょいワルっぽい感じが◎。「乗車姿勢もラクなんですよ」と店員さんはブティックモードからバイクショップモードに早変わりして、唯さんにセールスアタックを開始します。
次第に唯さん本人よりも周りのダメなオトナの方が楽しくなってきてしまい「あれ乗って、こっち乗って」と大騒ぎ。グロム125に乗せたと思ったら、Hondaで最も高額なゴールドウィングにまで。本当どれも似合いますし、なによりカワ唯のであります!


こうしてダメなオトナに付き合った唯さん。着替えて元のお姿に戻ることになりました。Hondaグループの教習所に行くのですから、Hondaのウェアで通うのもアリだよね、ということで。

最後に店内を見回したら「免許取得応援キャンペーン」のチラシが。「これ何ですか?」というと、無免許の方がエントリーして1年以内に免許を取得、そして新車でバイクを購入するとキャッシュバックが受けられるというものです。「え? 400ccのバイクを買うと5万円ももらえるんですか? 教習費用の半額じゃないですか!」と驚く唯さん。さらにプロテクターもプレゼントなのだそう。「1年以内に買ったらオトクなのかぁ」と悩みだす唯さんでした。
【次回予告】教習開始! まずはバイクを起こせるか!?

ウェアの問題はまったく解決していませんが、初めてのバイク店を楽しんだ唯さん。免許取得へのモチベーションもアップしたのではないでしょうか? 次回は、最初の教習の様子をレポートします。はたして唯さんはバイクを引き起こすことができるのでしょうか?
■関連サイト
モデル紹介――新 唯(あらた ゆい)

栃木県出身10月5日生まれ。2020年に小林唯叶としてモデルデビュー。2020年シーズンのSUPER GT「マッハ車検GAL」をはじめ、SUPER FORMULA、スーパー耐久シリーズのレースクイーンとして活躍。2021年4月の芸能事務所プラチナム・プロダクションへの移籍に伴い新 唯に改名。現在ファッションモデルとしての活動のほか、マルチタレントを目指し演技の勉強中。