日産/AURA e-POWER(261万300円~)

 先日、全国ワンマンライブツアーを終了したアイドルユニット「純情のアフィリア」の東京公演にて、組長(ユミ長)という謎の愛称がつけられてしまった「あっち、こっち、ゆみちぃ」こと寺坂ユミさん。そんな寺坂さんをASCII.jp自動車部のゆみちぃ部長として招いて、色々なクルマに試乗してもらう当企画。

今回は日産自動車のAURA(オーラ)e-POWERで、上質コンパクトの世界を体験してもらうことになりました。


別企画で乗った日産のe-POWER搭載モデル

 日産とゆみちぃの出会いは、今年5月の日産グローバル本社ギャラリー取材の時にさかのぼります(純情のアフィリアが日産の歴史と最新フェアレディZ&GT-Rを学ぶ!)。


 この時「フェアレディZ」と「NISSAN GT-R」にテンション爆上げの部員達に白い目を向けながら、メンバーの葉山カナさん、桜田アンナさんと共に、ショールームを見学。日産の歴史と未来に触れました。さらにゆみちぃ部長はNISSAN INTELLIGENT MOBILITYの一端を触れるべく、日産リーフNISMOでスマホ連携やプロパイロット・パーキングを体験しました(日産のリーフ NISMOで自動駐車機能に純情のアフィリア・寺坂ユミが驚愕!)。


日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
ゆみちぃ部長が少しだけ試乗した日産リーフ NISMO
日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
日産リーフNISMOの先進技術に大満足! のゆみちぃ部長

 その時「今度は新型NOTE e-POWERにも試乗してみてくださいね」と広報担当者からうれしいお誘いを頂いたゆみちぃ部長。「是非乗りたいです!」と笑顔で応えたものの、AURAが出ることを知っていた不肖は「AURAで行きましょう」と一言。で、ちょっと時間がかかってしまいましたが、今回その約束をはたす運びとなりました。


AURAはNOTEの上級グレード的なモデル

日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
日産/NOTE e-POWER(202万9500円~)

 初めて(に近い)日産車に触れるゆみちぃ部長。まずはAURAについてご説明申し上げましょう。日産は昨年、人気のBセグメントハッチバック「NOTE」をフルモデルチェンジしました。このセグメントには、T社からはヤリス、H社からはFITと、各社から特徴のあるクルマが登場しています。AURAは、そのNOTEの兄弟車であり、いわば上級グレードにあたる1台になります。


日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
日産/AURA e-POWER(261万300円~)

 AURAがターゲットとするユーザー層は、いわゆるダウンサイザー。

つまり今まで大きな車に乗っていたけれど、コンパクトカーに乗り換えたいという方です。具体的には、ファミリーカーとしてセダンやミニバン、SUVなどに乗っていた方が、子離れにともなって、夫婦2人が乗るに取り回しのよいクルマに乗り換える、というわけです。ですがNOTEだと、内装などの面で我慢を強いられてしまいます。もちろんNOTEにもメダリストという上級グレードがあったのですが、それでもユーザーニーズを満たしていなかったというわけ。そこで、一段上としてAURAが誕生したというわけです。


日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
「SF映画に出てくる未来のクルマみたいですね」とゆみちぃ部長
日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
ホイールのデザインがカッコイイ! と部長

 「それって、私のお父さんやお母さんが乗るクルマってことですよね? 全然そういうクルマには見えません」とゆみちぃ部長。「近未来的なデザインですし、私が乗りたいくらいですよ」というではありませんか。取材に同行する我々に対してのお目付け役マネージャー氏(男性)も「NOTEのことはよくわかりませんが、僕も買うならコレがイイなと思います。大きさも丁度いいですし、見た目もカッコイイ」と称賛。ということで興味津々にクルマのまわりをグルグル見回すゆみちぃ部長。中でも「このホイールのデザイン、結構好きかも」とお気に入りのようです。


日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
AURA e-POWERのフロントビュー
日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
AURA e-POWERのサイドビュー
日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
AURA e-POWERのリアビュー

 このボディーを、もう少し詳しく見てみましょう。

ボディーサイズは全長4045×全幅1735×全高1525mm。高さ制限のある立体駐車場でも難なく納めることができます。NOTEに比べてボディーサイズは40mmワイド化。それにともなって、超薄型LEDヘッドライト/LEDシーケンシャルターンランプ(兼デイタイムランニングランプ)を採用するとともに、フォグランプや横一文字に点灯するリアコンビネーションランプといった灯火類もすべてLED化。これらは近未来のクルマの印象を与えると共に、高級感を与えることに一役かっています。


日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
エンジンフードを開けた様子
日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
これがe-POWERだ!

 エンジンフードをあけてe-POWERを拝見。「e-POWERという名前はCMなどで聞いたことがあるのですが、そんなに“いいパワー”なんですか?」というダジャレが飛び出したところで、再び部員Kがご説明申し上げましょう。


日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
モーター駆動、e-POWER、パラレルハイブリッドの動作の違い

 e-POWERは、搭載するガソリンエンジンで発電した電気で動力モーターを駆動するというシステム。このメリットは、エンジンが最も効率のよいポイントで動作することから燃費の向上が図れるほか、モータードライブならではのトルクフルな走りが楽しめるというところ。何より電動モーターではバッテリー充電という問題があります。充電時間もかかりますし、充電ステーションの数だって未だ十分ではありません。「誰でも電動車のメリットである、静かでパワフルな走りが受けられる」という点で、e-POWERは実に理にかなったシステムと言えましょう。


日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
これがe-POWERなんですね! とゆみちぃ部長

 今回お借りしたAURAには、最高出力が100kW(136PS)、最大トルクが300Nmまで引き上げられた第二世代e-POWERを搭載。今回試乗した4WDモデルの場合、4WDモデルのリアモーターは現行ノートと共通の50kWというスペックになりますが、100kW化したフロントモーター、17インチ化したタイヤのパフォーマンスなどに合わせて専用チューニングが施されているとのことです。


車中泊は難しいが
広くて上質感のある車内空間

日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
バックドアを開けた様子
日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
トレイを外した状態
日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
床面にはパンク修理キットのほか、バッテリーの姿が!
日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
フルフラットにした様子

 室内を見る前に、まずはラゲッジをチェック。ゆみちぃ部長にとって「荷物が載る」ことはクルマ選びにおいて重要な要件です。見た感じではこのサイズのクルマとしては広くて問題無さそう。後部座席を収納した時の奥行きはかなり深く、ライバル車よりも荷室スペースの容量は多いように見えます。ゆみちぃ部長も「フルフラットになるんですね。これはイイです」と満点二重丸。


日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
ゆみちぃ部長のラゲッジスペースで寝っ転がりカットでございます!

 ということで、お待たせしました。お待たせしすぎたかもしれません。ASCII.jp名物「ゆみちぃ部長のラゲッジスペースで寝っ転がりカット」のお時間がやってきました。いつものことね、とササっと車内に乗り込むと「さすがに天井は低いですね」とポツリ。そりゃぁSUVとは違いますからね。

ちなみに「これで車中泊ですか? 無理ですね」と笑われてしまいました。


日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
後席シートの様子
日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
後席の様子
日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
後席のヘッドクリアランスも十分!
日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
USBはType-Aの1系統のみ

 続いて後部座席をチェック。「結構シックな色合いですね」と部長。足元もこのサイズのクルマとしては広めです。同行マネージャー氏も「座り心地がイイですね。足元にも不満はありません」とのこと。続いてゆみちぃ部長は、アスキー電脳部の部長でもありますからUSB端子をチェック。「1ポートしかないんですか?」と少し不満げ。「やっぱり席数分は欲しいですね」とのことです。USBポートはあればあるだけうれしいですからね。一方で、スマホ専用と思われるトレイには「ここに置けるのはイイですね」とのこと。


日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
運転席の様子
日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
運転席の様子
日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
運転席の様子
日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
TFTメーター
日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
新形状のシフトレバー。
プレイスティックのように動かす

 続いて運転席へ移動。「コクピット感が凄い!」と驚いた様子。その上で「木質調パネルはイイですね。ほかのクルマでもありましたが、私はコレ好きですよ」と笑顔。同行マネージャー氏も「いいですね。このインテリア」と太鼓判。ツイードのシートやインテリアで温かみを感じつつも、眼前には高精細なTFT液晶パネルが配され、どこかオシャレな書斎にいるかのような感じに。NOTEよりも高精細のようで、見やすさは良好。またナビ画面を表示するセンターディスプレイと高さを揃えているのも美点で、後付け感がないのもイイですね。


日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
AURAに座るゆみちぃ部長

 ゆみちぃ部長も「視界が凄く広いですね。ナビ画面が上に持ち上がってルームミラーの間の視界が狭いクルマってありますが、このクルマは違いますね」とにこやかに語ります。


日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
センターコンソールに設けられたワイアレス充電
日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
センターコンソール下段にはHDMI入力端子を設ける

 その他の部分を見ると、センターコンソールには「ちぃ」充電もといQi充電が用意され、スマホをポンと縦置きにするだけで充電が開始されます。

センターコンソールは二階建てで、財布などは下に置けるようになっています。また、HDMI端子も用意されています。


日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
ステアリング周りの様子

 ステアリングリモコンに目を移すと、右手親指一番地の場所にプロパイロットボタンを用意。今回、ゆみちぃ部長は試していませんが、部員たちが高速道路で試したところ、新機能のナビリンクによりカーブの手前で減速するなどナチュラルな挙動を実感。さらに標識認識機能により、法定速度に合わせて車速設定ができるなど、この分野で日産は他社とは頭ひとつ分抜きんでているように思います。


 また、プロパイロットで走行中のもしもにも対応。ハザードを点灯して徐々に減速し停止するほか、NissanConnect サービスに加入している場合は、その後に緊急通報センターに音声接続し、必要に応じて警察・救急に連絡して緊急車両がかけつけます。ハンズオフができるスカイラインが搭載するプロパイロット2.0ほどではないものの、運転支援中の安定度と安心感はさすがのひと言。使いやすく、それでいて安心できます。


日産の得意技「ePedal」の乗りやすさが光る

日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
運転をするゆみちぃ部長(撮影は停止状態で行なっています)

 それではゆみちぃ部長にステアリングを託しましょう。走行モードはNOMALとECO、そしてSPORTの3種類が用意されているので、まずはNOMALからスタートしましょう。「日産車って、ほかのクルマとどう違うんだろう?」と興味津々のゆみちぃ部長。動かしだした瞬間「ハンドル操作が軽くてラクですね!」と第一声。実は直前まで、「MINIミニ大作戦」と題した連載の独逸産英国ブランドのクルマに乗っていたのですが、まさに対極の印象。あちらを剛とするなら、こちらは「とても柔らかで軽やかですね」と、柔の印象を持たれたようです。


日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
運転をするゆみちぃ部長

 しばらくすると「このクルマ、今までのクルマとは違う音がします」と、ゆみちぃ部長は鋭い耳で違いを探知した模様。「なんか、ゴーって音がするんですけれど」というではありませんか。何かクルマに不具合が起きたのか? と思いきや、それはタイヤが発するロードノイズ。エンジン音や排気音が小さいがゆえに、ロードノイズが耳につきやすくなってきた、というわけです。静かなクルマがお好みのゆみちぃ部長的に、「静かなクルマって、こういう事が起こるのですね」と感心したようです。「柔らかな乗り心地と静けさ、そして軽やかな走りはイイですね。内装も落ち着いた雰囲気ですし、荷物も結構乗りそうだから、素敵な1台だと思います」というのが、ゆみちぃ部長の総論です。


日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
AURAを運転をするゆみちぃ部長

 続いてECOモードに変更。このモードにすると、日産のいうところの「ePedal」、一般的にはワンペダル動作となります。ワンペダルのメリットは、アクセル操作だけで加減速できること。街乗りや渋滞時にブレーキとアクセルを踏み変えなくてもよい恩恵は計りしれません。最初は機能の意味と、その内容に戸惑いをみせたゆみちぃ部長ですが、「これは便利ですね。確かにブレーキは完全停止する時だけしか使っていません」と歓び顔。一方で「なんか走りがモッサリしたように思うんですけれど」とも。


日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
ドライブモードをSPORTに変更!

 ここで部員KはSPORTモードに設定を変更。「また私にスパルタするんですか!?」と疑心の目で部員Kを睨みつけます。ですが「これ、動きがすごく軽くなった! コレ! これですよ!」と今日イチの笑顔満開。「ずーッとコレでいいです」と、今までSPORTモードに対し恐怖を覚えていたとは思えない発言まで飛び出します。「この走り、凄く気持ちがイイですね。とても楽しい」と、時間ギリギリまで走りを楽しんでいらっしゃいました。


日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
日産AURA

 ここで以前、NOTE e-POWERを試乗したことのある部員KのAURAの感想を。NOTEの2WDとAURAの4WDという駆動方式の違いはあるのですが、最初に気づくのは段差などの衝撃時において角が丸く感じられたこと。サスペンションは変わっていないとのことなので、おそらくは車重が約100kg増加したことによるものでしょう。ワイド化の恩恵はコーナーリング時の安定感や接地感に寄与しているようです。ですから走りの面でも若々しさを感じさせるNOTEに対し、AURAはオトナの1台に仕上げられているといえそう。


日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
日産AURA

 「年配の方向け、という話を聞きましたけれど、全然そんなことなくて。カッコよくて、使い勝手もよくて、静かで、運転がとてもラク。欠点が見当たらないんですよ」とゆみちぃ部長はAURA e-POWERを大変気に入った様子。「e-POWERはイイパワーなんですね!」とダジャレを言いながら、AURAとの別れを惜しんでいました。


日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる
日産AURA

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寺坂ユミ(てらさかゆみ)プロフィール

日産「AURA」の上質感と柔らかな走りは幅広い年齢層に受け入れられる

 1月29日愛知県名古屋市生まれ。趣味は映画鑑賞。志倉千代丸と桃井はるこがプロデュースする学院型ガールズ・ボーカルユニット「純情のアフィリア」に10期生として加入。また「カードファイト!! ヴァンガード」の大規模大会におけるアシスタント「VANGIRLS」としても活躍する。運転免許取得してから上京後は一切運転していないが、最近ペーパードライバーを脱出。こだわりが強く興味を抱くとのめりこむタイプであることから、お気に入りの1台を探す予定。


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