試乗取材の度に「静かな方がイイ」「大きなフロントグリルが好み」「大きなSUVに乗ってみたい」との要望が出てくる、ASCII.jp自動車部のゆみちぃ部長。ということで、ゆみちぃ部長の夢を一気に叶えるクルマを試乗してもらうべく用意したのが、アウディ「e-tron 50 quattro advanced」(1069万円)です。
巨大なボディーを軽々動かすEV

ゆみちぃ部長は世を忍ぶ仮の姿、本職はアイドルユニット「純情のアフィリア」の10期生である寺坂ユミさん。週末のイベント(コンサート)に向けて、平日はダンスレッスンにボーカルレッスンと日々鍛錬を積まれています。そんなボーカルレッスンの先生が当連載を読まれているらしく、ゆみちぃ部長に「ユミさんは色々なクルマに乗られてうらやましいわねぇ」と言われたのだとか。そんな先生が気になる1台は、なんとアウディのSUV、しかもEVに興味津々らしいのです! 期せずして、ゆみちぃ部長だけでなくボーカルレッスンの先生までもが、大きなフロントグリルのSUV、しかも静かなクルマがお好きという事実に驚く部員たち。



ということで「EVだから静か」「アウディだから大きなグリル」「全長×全幅×全高=4900×1935×1630mmというビッグボディー」の「e-tron 50 クワトロアドバンスト」をご用意しました。ですが、希望の三拍子が揃ったクルマであるにも関わらず「これ、本当に運転するんですか? めっちゃデカいんですけれど」と完全に怖気づいてしまったゆみちぃ部長。

さらに怖気づいてしまったのが1069万円というお値段。「高っ! 過去の試乗取材の最高額で大台じゃないですか!」と完全にビビるゆみちぃ部長。それに追い打ちをかけるたのが部員Kの「事故ったら買取ですから」のひと言。「払えません」ときっぱり断るものの、「では事務所に立て替えもらいましょう」と伝えると、今度は同行マネージャーのK氏が「その時は、月々10万円の107回天引きということで」と鬼のひと言。「ぶつけたら、あと10年事務所で働かないとダメじゃないですか!?」というわけで、ゆみちぃ部長の今後を大きく左右する試乗取材となりました。


アウディは2026年以降に発売する新型車はEVのみとし、33年を最終期限に内燃エンジンの生産を段階的に終了することを表明するなど、クルマの電動化にまい進する企業。現在同社のEV車は、27個のバッテリーモジュールを搭載し総電力量71kWhのe-tron 50と、36個のバッテリーモジュールで95kWhの容量を確保したe-tron 55、そしてスポーツモデルのe-tron GTという3車種をラインアップしています。


その荷室ですが、660から1725リットルと文句ナシの大容量。ただし床は互角、底面長は1mをゆうに越しています。ちなみに開口部も1mを超えているので、大きな荷物の収納もラクかも? もちろんパワーゲートを搭載しています。にしても、バックドアを開けた状態だとゆみちぃ部長が手を伸ばしても届かないほど!




感動的なのは後席の広さ。「ちょっと凄すぎて、言葉が出ませんね。さすが、いっせんまんえん!」とゆみちぃ部長は感動しっぱなし。後席に乗ってもらい、ロケ地まで向かったのですが「静かだし、席は広いし、なにより乗り心地が抜群にイイ! めっちゃ快適!」と感心しきり。マネージャーのK氏も「電気自動車は初めて乗るのですが、ホントにいいですね。アウディは買えないですけれど、ほかのモデルもこんな感じなんですか?」とコメント。後席にはエアコン操作のタッチパネルディスプレイのほか、USBポート(TYPE-C)が用意されており、ゆみちぃ部長とマネージャー氏は、スマホをつなげてガンガン充電。







目的地に着いたところで、運転席をチェック。「これまたすごい! ディスプレイだらけ」というわけで、タブレットやスマホが大好きなゆみちぃ部長のハートをガッチリキャッチ。「運転席のメーターパネルが液晶画面で、しかもナビが表示される! これは見やすい!」と、アウディ自慢のバーチャル・コクピットに興味津々。「大まかなルートはセンターコンソール側で表示して、細かな部分はメーターパネル側で表示するといいかも!」と色々ペタペタ。若いゆえか、それとも普段からタブレットに慣れているのか、すぐに使いこなしていました。


「この白いレザーにオレンジのステッチがオシャレ!」というゆみちぃ部長。「さすが1000万円ですね」とニコニコしていたのですが、実はこれ、オプションのコンフォートパッケージのシート。お値段なんと110万円! 「このシート、そんなに高いんですか?」と大きな目を見開くゆみちぃ部長。「輸入車の取材って、なんか金銭感覚がおかしくなりますね」と本音がポロリ。


さらにゆみちぃ部長を驚かせたのが、オプション(26万円)のバーチャルエクステリアミラー。
オプションは任意だが
付けておいたほうが便利なものも
ちなみに試乗車には、ほかにもアシスタンスパッケージ(アダプティブドライブアシスト&エマージェンシーアシスト+アダプティブウィンドウワイパー+アウディプレセンスベーシック&リアサイドエアバッグ+フロントクロストラフィックアシスト+マトリクスLEDライト&ダイナミックインディケーター、20万円)と、サイレンスパッケージ(プライバシーガラス+アコースティックガラス+Bang&Olufsen 3Dサウンドシステム 16スピーカー+パワークロージングドア、33万円)がついており、車両とオプションを含めたお値段は1258万円! 「ぶつけたら月々10万円の126回払いね」と、マネージャー氏から支払い期間延長が言い渡され、ゆみちぃ部長は寒さも手伝って、震えが止まらなくなってしまったばかりか、顔色まで悪くなってしまいました。


フロントボンネットを開けると、大きな樹脂製ボックスが。フタを開けると充電ケーブルが出てきました。これとコンセントをつなげてクルマを充電します。ちなみに運転席側が通常充電用、助手席側が急速充電用になります。
安全運転支援系装備が満載で
運転のしやすさと安心感は別次元

おそるおそるクルマを走らせるゆみちぃ部長。「本当に大きいですね。あと発進する時にいつもよりアクセルを踏まないと進まないみたいです」というのがファーストインプレッション。アクセルをある程度踏まないと発進しないのは、このクルマが標準でオートブレーキホールドが効いているから。

「わずかにモーター音が聞こえますが、本当に静かですね。外の音もあまり聞こえないんですよ。それに踏むとすごく加速しますね。でも、以前乗ったほかの電気自動車に比べると、穏やかな感じがします」と分析。ちなみに車重は2.4トン以上で、それを2基のモーター(合計出力310馬力以上)によって、四輪駆動で走行します。コーナーリングも足腰がしっかりしたもので、コーナリング時のロールも最小限に抑えられています。「それに視界が広くて高いこともあって、運転していて気持ちがイイですし、何より疲れづらい気がします」と絶賛です。「それにアウディに乗っている、というドヤ感もありますね。大きさも手伝って、自分が偉くなったみたい(笑)」とドヤドヤしながら街を駆け抜けました。
「ホントにイイですね。で、このクルマ、何キロ走れるんですか?」と部長。

乗り終えたゆみちぃ部長は「同じドイツのクルマでも、MINI(BMW)とアウディでは乗り心地が全然違うんですね」と、自動車評論家のような事を言い出して驚く同行者一同。「MINI(BMW)は、地面に足がしっかりついた、重厚な乗り味。アウディはそれよりかは柔らかですね。でもシッカリ感はどちらも同じなんですよね」と、9ヵ月前までペーパードライバーだった娘さんとは思えない成長ぶりです。将来、アイドル自動車評論家として他媒体からオファーが来てしまうかも!?
こうしてアウディが気に入ったゆみちぃ部長。「私でも買える値段で、そして運転しやすいアウディのSUVに乗ってみたいですね」ということで、次回はアウディ Q2あたりを試乗してもらおうかな、と考えています。
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寺坂ユミ(てらさかゆみ)プロフィール

1月29日愛知県名古屋市生まれ。趣味は映画鑑賞。