ナビも高級オーディオもないけど
スマートフォンは使える「990S」
マツダの「ロードスター 990S」は、“軽い”ことを追求した特別仕様車です。ですから、走りに必須ではないものは、どしどしと省かれています。その省かれたもののひとつに「マツダ・コネクト」があります。
ロードスター 990S
ちなみに、ロードスターで人気の高性能オーディオ「BOSEサウンドシステム」もありません。装備されていないだけではなく、オプションとしても付けることはできないのです。ロードスターそのものは音が良いわけではありませんので、それに関しては、最低限度だと覚悟しておきましょう。
ただしオーディオはあります。ドアの中にスピーカーがあって、AMやFMラジオを聞くことはできます。また、USBケーブルでつなげば、スマートフォン内の音源も聞くことができます。つまり、音だけは使えるけど、カーナビなどのモニターが欲しいときはスマートフォンを使わなければなりません。これが「990S」の特徴のひとつとなります。
スマートフォンの置き場候補は4ヵ所
ロードスターでスマートフォンを使うときに必須となるのがホルダーです。では、どこに装着するのか。その候補となるのは4ヵ所あります。

センターコンソールにある、横長のエアコン吹き出し口であれば、汎用のスマートフォン・ホルダーが数多く販売されています。また、ダッシュボードの上の場合は、吸盤付きであれば、やはり汎用が数多く販売されています。
で、残りの2つとなる運転席両側の丸形のエアコン吹き出し口。これがクセ者です。丸い吹き出し口に装着できるスマートフォンホルダーは少数派なのです。ただし、ロードスターでは初代のNAから、丸形のエアコン吹き出し口が採用されています。つまり、長くロードスターに乗ってきた筆者にとって、実は丸形のエアコン吹き出し口用のスマートフォンホルダーは長く慣れ親しんだ存在。当然、丸形用のホルダーを所有しています。
さっそく以前から持っていた丸形用のスマートフォン・ホルダーを装着してみます。ところが、なんてこったい! 装着してみれば、ウインカーなどのレバーとギリギリに。運転の邪魔になってしまいます。


見やすくて使えるのが
センターコンソールとダッシュボード
続いて試してみたのがダッシュボードの上のタイプです。製品は吸盤式で、スマートフォンを保持するところがグルリと回って、スマートフォンを垂直にも水平にも表示することができます。ダッシュボードは、表面にシボ加工があって、けっこうデコボコとしています。ところが、最近の吸盤はよくできているんですね。ピタリと張り付いて、びくともしません。長めのUSBケーブルを助手席側から回せば、運転操作の邪魔にもなりません。エアコンの風をスマートフォンが受けないというのも良いところです。


ただ、気になるのが吸盤の跡がつくかどうか。半日くらいであれば問題はありませんでしたが、半年や1年といった長期間になると、紫外線焼けの可能性もあります。そこが不安点です。
最後に試したのが、センターコンソールの横長のエアコン吹き出し口への装着です。



ただし、30cmのUSBケーブルだと、短すぎてシフト操作の邪魔になってしまいました。そこで50cmのUSBケーブルを手に入れて交換。問題をクリアしました。こちらの問題点は、センターコンソールのエアコン吹き出し口がふさがってしまうこと。また、ダッシュボード上と比べると、視線移動が大きくなります。

ダッシュボード上とセンターコンソールのエアコン吹き出し口の2つは、どちらも良い点と悪い点があります。甲乙つけがたいのですが、今回は以前のロードスターでも使っていたエアコン吹き出し口用を使うことにしました。良い悪いではなく、慣れ親しんでいたのが選択の理由です。
助手席用のUSB電源とドリンクホルダー
これで運転手用のスマートフォンの置き場が決まりました。しかし、ロードスターには助手席にも人が乗ります。そこで必要となるのは、助手席の人用USBケーブルです。でも、そこはご安心を。助手席の足元の奥に、なんと12Vの電源ソケットが用意されているのです。私も納車されるまで知りませんでした。
なので、助手席用に電源ソケット用のUSB端子(カーチャージャー)を装着して、1mのUSBケーブルを使えばOKというわけです。ちなみに、ロードスター990SとSグレードは、ドリンクホルダーは標準で1個しかありません。助手席用はオプション(5500円)となりますので、ご注意を。ただし、上位グレードにはドリンクホルダーが、初めから2つ用意されています。
また今回、ほかにオプションというか付属品として購入したのは「ブルーアクセントのフロアマット(2万5080円)」「スマートインETC(セットアップ費用込み3万7410円)」「ブラックのホイールナット(6160円)」「LEDバックランプ(9460円)」でした。ETCは、カー用品店などでもっと安く買えるかもしれません。しかしオプションであれば、シートバック後ろにキレイに設置できます。価格よりも、すっきりとした仕上がり優先としました。
スマートフォンの置き場も決まったことで、ようやく普段使いで不便がなくなりました。ここからが本番の「990S」とのロードスター・ライフがスタートとなります。
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筆者紹介:鈴木ケンイチ
1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。
最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)。
