6月4日からはじまる「COMPUTEX TAIPEI 2024」に先駆けて、NVIDIAが2日に基調講演を実施しました。場所は国立台湾大学総合体育館。当日に台湾に到着した私が公園開始30分前くらいに会場に到着すると、基調講演を見に来た人たちで長蛇の列ができていました。
会場につくまではメディアが多いのかなと思っていたのですが、実際は真逆で、メディア以外で見に来られている人の方が圧倒的に多いような印象でした。基調講演ではジェンスン フアン氏がおなじみの革ジャン姿で登場。登壇した際は会場全体から歓声が起こりました。また、私は英語が得意ではないのであまり理解はできませんでしたが、講演の合間にジョークも織り交ぜていたようで、会場からはドッと笑い声が。会場では多くの人がステージに背を向けて自撮りをしており、この日を楽しみにしていた! という感じがひしひしと伝わってきました。
気になったワードは新産業革命とデジタルヒューマンテクノロジー
さて、COMPUTEXにおけるNVIDIAの発表内容について、詳しく知りたい方はこちらの記事を参照いただきたい。
私が基調講演を聞いていて気になったのは、2つのワード。それは、「新産業革命」と「デジタルヒューマンテクノロジー」です。今年のNVIDIAの基調講演は、ほぼAIに対するテクノロジーについての紹介でしたので、同社が今後さらにAIに力を入れていくであろうということの強い意思表示のように思える講演でした。
基調講演後半で出てきたのが、GTC 2024で発表されたAI特化の新プラットフォーム「Blackwell」。それを駆使して実現が期待されるのが、AIを搭載したロボットや自動車、さらにはデジタルヒューマンテクノロジーです。
デジタルヒューマンテクノロジーが今後進化していけば、AIがさまざまな分野において人と対話しながら提案をしてくれるようになります。例えばインテリアデザイン、顧客サービス、ヘルスケア分野などです。
インテリアデザインでは、自宅をスマホのカメラで映すと、デジタルヒューマンが空間を把握し、ベストなインテリアやデザインを提案してくれるとうもの。講演で流れた映像では、デジタルヒューマンと会話をしながらインテリアを選ぶ人の映像が流れました。
また、タブレットの中にデジタルヒューマンがいて、ソファーに座りながら会話をしたり、デジタルサイネージの中にデジタルヒューマンがいて、質問をしているといった内容の映像も見ることができました。
現在は倉庫や工場といった場所で活躍しているAIロボットたちですが、このAIの技術を人型のロボットにも踏襲することができれば、対話をしながら現実で助けてくれるヒューマノイドの誕生も、近いうちに実現されるのかもしれません。
基調講演で流れた映像は、個人的にはアニメの「PSYCHO-PASS」やゲームの「Detroit Become Human」を彷彿とさせるものでした。もしかしたら、そう遠くない未来で、こういった未来を描いたアニメやゲームのような現実を、NVIDIAが実現させるのではないでしょうか。こういったAIによる発展を、ジェンスン フアン氏は新産業革命と呼んでいたのだろうと思います。
今回、新たなGeForce RTXシリーズなどは発表されませんでしたが、別記事でも紹介しているように、ゲームプレイの分野においても、AIが活躍するようになってくれそうで、ゲーマーの私としてもワクワクしました。ゲームだけでなく、AI分野においてNVIDIAがどのような進化を遂げるのか、どのように産業発展に貢献していくのか、とても気になる基調講演でした。
AIを搭載するデジタルヒューマノイドと人間が力を合わせてよりよい社会にしていく。そんな未来は、案外近いのかもしれません。英語となりますが、気になる人はぜひ基調講演をチェックしてみてください。
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