クルマ好き女子の矢田部明子です。今回はなんと、はとバスの2階建てオープントップバス「エクリプス・ジェミニ3」についてレポートします! 東京都内や神奈川県横浜市内で主に運行している黄色がトレードマークのはとバスは、都内にお住みの皆さんなら、1日に1回は見かけるのではないでしょうか?


 そんなはとバスですが、皆さんが知らないであろう秘密が隠されていたので、アレコレご紹介していこうと思います。


 この記事では、車両の基本情報&乗客に満足してもらえるように工夫されたポイントをご紹介。動画では、オープントップバスならではの絶景や、幌が開く様子も見られますので、よろしければ、ご覧になってください(動画は記事の最後にあります)


エクリプス・ジェミニ3(はとバス)はこんなクルマ

まさかの「はとバス」をレビュー! 実は日本でしか見られないバスなんですヨ
はとバス

 エクリプス・ジェミニ3は、定期観光バス&貸切バスとして運行されています。ちなみに、はとバスの設立は1948年で、その約10年後に豪華貸切バス「走るパーラー」を導入、さらに5年後に「月光仮面」の愛称で呼ばれる「スーパーデラックスA」、1965年に「走るパーラー」の屋根を取ったオープントップバスの運行を開始し、1982年に初の2階建てバス(ドルクメーラー社製)が運行しています。


 そして、2009年に2階建てオープントップバス「O Sola mio(オー・ソラ・ミオ)」の運行しました。


 今回紹介する「エクリプス・ジェミニ3」は、2021年に導入された スカニア製エンジンとシャーシに、英国のバンフォード・バス・カンパニー(Bamford Bus Company)製ボディーを架装した2階建てオープントップバスとなっています。


はとバスの魅力 その1
黄色くてカワイイ外観

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 はとバスの象徴とも言える「黄色」いボディーカラーが◎。フォグライトがほっぺたに見えて、某モンスターアニメのキャラクターのようで可愛らしい!


 ちなみに、コチラの車両は日本では製造されていません。理由は日本の保安基準が変わり、三菱自動車などの日本製2階建てバスが基準に合わなくなったからとのこと。その一方で海外のバスは基準をクリアしており、2階バスに定評のあったヨーロッパ製のバスを約4年という歳月をかけ日本仕様にしたそうです。


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 社内で話し合った結果、派手で目立つようにしたいという思いから、大きなレインボーデザインが採用されたのだとか!


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 サイド前方にあしらわれている12ヵ国の国旗は、これらの国の言語の通訳システムを搭載しているという表示なのだとか。


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 国旗の下に書いてある「乗合181」は、1台1台を識別するために付けられた車体番号です。


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 サイドのちょうど真ん中あたりに、いかにもドアのようなものがあります。「PULL」という文字がオシャレに感じましたが、周りにあるゴムを外して引くと開く非常口です。非常口が付いているのは日本仕様のバスのみなので、バスマニアの間では萌えるポイントだとか! 海外の車両はハンマーが車内に用意されており、ガラスを割って脱出します。


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 日本国内のバスはドラムブレーキが主流ですが、なんとディスクブレーキ! ここも、海外らしさですね♡


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 お客様乗り込み口側のガラスは、半分より下がスモークになっています。これは、バスガイドさんのプライバシー保護の役割を担っているのです。


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 赤色で書かれた「HATO BUS」という文字が、八百屋さんにあるポップのよう……。とにかく目立つ! ちなみに、エクリプス・ジェミニ3は、一般的なバスより約20cm小型です。香港でも導入されていますが、日本の個体は独特な形をしているため「日本でしか見られないエクリプス・ジェミニ3」として、海外からも注目されているとか。


はとバスの魅力 その2
大きくてド迫力のエンジン

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 DC13型という、大きめのエンジンを搭載しています。総排気量12742cc、最高出力410ps、最大トルク2150Nm、インタークーラーターボ付き直列6気筒のターボエンジンで、ガラガラと回転する音がクセになる、独特な音を奏でます。


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 テールランプ上には、バスガイドさんの声が聞こえるようにマイクが仕込まれています。


はとバスの魅力 その3
スイッチが少なめの運転席

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 ステアリングホイール中央のグリフィンのマークがカッコいい! 鷲の上半身、ライオンの下半身をしているギリシャの架空の動物で、魔法使いの宝物を守る際に登場する動物なんだとか。


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 運転席の周りには、スイッチが集約されています。


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 日本のバスは運転席右側に沢山スイッチ類がありますが、海外の車両はすごくスッキリしています。運転手さんによると、ごちゃごちゃしていないのでスッキリしていて運転しやすいポイントだそうです。


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 運転席左側には3つのモニターがあり、車内から車外までひと目で確認できるようになっています。


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 運転に慣れるまで時間はかかるそうですが、慣れてしまえば操作しやすいということでした。


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 ハンドル右側に付いているギアにより、前進&後退が可能となっています。フルオートマチック仕様ですが、ボタンでマニュアル操作に切り替えられ、レバーの上下だけでギアの変更ができるようになります。


はとバスの魅力 その4
やっぱりワクワクの2階建て

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 1階は基本的に関係者が使用し、お客様が使用することはあまりないそうです。ですが、車椅子のお客様が座れるようにスペースが広く設けられていたり、入り口には車椅子の人でも乗りやすいように、滑り止めが施されたスロープが床に収納されています。


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 2階へは、階段で上がります。


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 全席、UVカット機能付きのうちわが備わっています。信号待ちをしているときに風が吹いていないと、車内がかなり暑くなってしまうため装備しているそうです。


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 ルーフは蛇腹になっていて、スライド形式で開きます。空が一気に近くなったような……開放感&風がとっても気持ち良かったです。桜の季節は、花びらがブワッと車内に入ってくるのだとか。


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 1番前のオレンジ色の席は、基本的には販売していないそうです。というのも“オープンにして絶景を楽しんでいただきたい”というはとバスの思いが関係しているんだとか。なので、満席の場合のみ幌下であることをお客様に伝え、希望があれば当日の窓口で販売しているとのことでした。


 確かに真上の方向は見づらいかもしれませんが、正面の景色は本当に絶景でした。この席に座れた人はとってもラッキーだと思います。まさに、幻の席!


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 シートは防水仕様になっていて、雨が降っても染み込まないように撥水性のある素材が採用されています。


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 バスガイドさんが座るガイド席は、お客様の視界を遮らないよう、1番後ろにあります! こういう点もはとバスならでは。お客様に寄り添ったこだわりが感じられますね。


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 ということで、今回ははとバス「エクリプス・ジェミニ3」をご紹介しました。はとバスは、短時間でも楽しめるよう、お昼から1時間ほどで東京タワーから銀座までを周る「パノラマドライブコース」、夜は赤坂、六本木、東京タワー、そしてお台場、銀座を回る「東京プレミアムナイト」の2種類を毎日運行しています!


 季節限定で運行される、春の「東京さくら回廊」、秋の「東京いちょう回廊」も注目です! ぜひ、この記事を見てくださった皆さんにも、見晴らしの良さを体験していただければと思います。



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筆者紹介:矢田部明子

 中学生の頃、クルマのメカニズムに興味を持ち工業高等専門学校に入学。専門的な知識を学んできました。もちろん、クルマに乗るのも大好きで「ランドクルーザー60→ランドクルーザー76」と乗りついでいます。最近の唯一の癒しは、週末にオフロードに出かけることです!


 クルマのメンテナンスなど工業高等専門学校で学んだ知識と経験を活かして、様々な角度からお役立ち情報をお届けしていきたいと思います。


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