トヨタ/クラウンエステート

 トヨタは、16代目クラウンの4番目となるモデル「クラウンエステート」を13日に発売した。さっそく、車両をチェックしたので紹介しよう。


16代目クラウンの登場と
クラウン70年の歴史

発表から2年半、クラウンの最終兵器「エステート」がついに発売! 実車をフォトレポ
クラウン
2022年の16代目クラウン発表会の様子

 今年で70周年を迎えるトヨタの伝統車「クラウン」。16代目がお披露目されたのは今から2年半前の2022年7月だ。クロスオーバー、セダン、スポーツ、エステートと4種類のラインナップを用意したこと、そして様変わりしたデザインに誰もが驚かされた。


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クラウンクロスオーバー
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クラウンスポーツ
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クラウンセダン

 その後、クロスオーバーを皮切りに、スポーツ、セダンが順次発売。だが、エステートは当初予定よりも大幅に遅れての販売になった。


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クラウン
クラウンの開発責任者であるトヨタ・清水竜太郎氏

 その理由をクラウンの開発責任者である清水氏に尋ねた。「色々ありますけれども、認証型式の話(昨年起こった自動車の認証不正問題)があって、そこに時間がかかったというのがあります。あとは最初に3台を出してお客様からのお声をいただくことがありましたから、それらを含めて色々改良しました」と、時間がかかった分だけ良いものが仕上がったと自信をみせる。


パワートレインはHEVとPHEVの2種類が用意される

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クラウンエステート(PHEV)仕様

 それではクラウンエステートについて話を進めよう。コンセプトは「大人のアクティブキャビン」として、機能的でありながらも、上質や洗練、余裕のあるクルマを目標としている。


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HEV(左)とPHEV(右)
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HEVの燃料はレギュラーガソリン
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PHEVもレギュラーガソリン
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PHEVの充電ポート

 パワーユニットはHEV(ハイブリッド)とPHEV(プラグインハイブリッド、充電できるハイブリッド)の2種類。PHEVはACのほかDC急速充電にも対応する。駆動方式は4WDのみ。ちなみに燃料はどちらもレギュラーガソリンだ。


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 ボディーサイズは全長4930×全高1620×全幅1880mm、ホイールベース2850mm。


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 人気を集めるクラウンスポーツと全長を比べると、エクステリアはかなり落ち着いた雰囲気。ヘッドライトの形状も微妙に異なる。


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 全長で210mm(ホイールベースで80mm)、全高は50mmほどクラウンスポーツの方が短くて低い。それはリアドアの大きさで違いがわかるだろう。


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 タイヤは21インチサイズだが、ほかのクラウンシリーズ同様、幅は狭い。履くタイヤはクラウンスポーツと同じくミシュランだ。


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 エステートの魅力のひとつが荷室の広さ。クラウンスポーツも広かったが、さらに広大な空間が得られる。さらに100VのACアウトレットがあるのも美質。カーペット部分の手触りも良い。


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 後席を倒し、背もたれ部分に取り付けられたボードを跳ね上げると、最長2mの荷室空間が出現! 荷物や車中泊など、さまざまな用途に使えそうだ。


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 荷室にはホイールハウスの開いたスペースに小さなテーブルが、荷室床を開けると、ちょっと座るのに便利なシートが収められている。


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 後席のセンタートンネルは四駆システムゆえ、やや高めですが、クラウンスポーツと比べて足元は広め。エアコン送風口の下にはUSB-CとAC100Vアウトレットが用意されている。


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 室内カラーは、タンレザー系のほか、オールブラックと、黒と少し青みがかったレザーのバイトーンの3種類が用意される。


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クラウン
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 ちなみにボディーカラーは単色とバイカラーが各5色で展開する。


室内は上質でゆったりした空間に仕上がっている

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 室内は先行するクラウンシリーズを踏襲するものの、より上質な空間に仕上げられている。特にシートはかなり肉厚で、幅もゆったりめだ。


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 センターコンソールも、ほかのクラウンシリーズと同様。USB-Cは2ポート用意し、スマホトレイは差し込むタイプを採る。もちろんワイヤレス充電に対応。PHEVモデルにはエンジンを発電機として用いるチャージモードが用意されている。


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 ステアリングホイールは大きめで太め。イマドキのクルマらしくスイッチ類も多い。


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 メーターパネルはフル液晶で、輝度は高く明るい場所でも見やすい。インフォテインメントはホカのトヨタ車と同様で使いやすかった。


パワートレインでキャラクターが異なる面白さ

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クラウンエステートHEV
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クラウンエステートPHEV

 少し走らせてみたところ、ちょっと転がしたレベルでもHEVとPHEVではかなりキャラクターが異なる。HEVは足が柔らかめであり、パワーはそこそこで、穏やかな性格となっている。一方、PHEVはステアリングは重く、サスも少し硬めのスポーティーな印象。パワーも十分で、最近のトヨタ車らしいクルマが走りたがっている印象を受けた。


 このキャラクターの違いを開発責任者の清水氏に尋ねると「まず車体重量(PHEVの方が200kgほど重たい)や出力が異なりますよね。また、PHEVモデルはリアコンフォートなどいくつかセッティングモードを持たせていますが、HEVは1種類のみです。ですので異なる味付けをしています」とのことだった。


4種類のクラウンを見つけるイベントが開催

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 クラウンエステート発売直前の3月8~9日の2日間、富士スピードウェイのショートコースにて、クラウンを中心に集うコミュニティー「THE CROWN CLUB」の特別試乗会「4 STYLES DRIVE THE CROWN CLUB」が開催された。


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 イベントは、クラウンのクロスオーバー、スポーツ、セダン、そして発売前のエステートの4台を乗り比べ、その個性を感じてもらおうというもの。幸運にも抽選で選ばれた人が開始前から訪れ、期待の大きさを感じさせた。


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 集合時間になるとトレーラーハウス内で、開発陣のほかテストドライバーが挨拶。


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 そして清水氏がクラウン論を語り始め、エステートについてコンセプト紹介や技術解説をプレゼンテーション。参加者は真剣な面持ちで話を聞きます。


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 そしてテストドライバーの中でも匠と呼ばれる上級者の横で試乗。その後、自らステアリングを握って走行した。


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 試乗が終わると、開発陣とディスカッション。ほとんど膝を突き合わせての状態で、会話にも熱が入っていた。


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 会場には珍しいクラウンの姿が。まずは2024年に限定販売したワイルドな特別仕様車「RS“LANDSCAPE(ランドスケープ)”」。現在購入できない。


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 そして、全国に6店舗あるクラウン専門店でしか購入できないマットブラック仕様車。クロスオーバーとスポーツの2車種も展示されていた。


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 パレードなどに使われるオープンカーも。

担当者によると「幌がないので、雨が降ると室内が……」とのことだった。


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 16代目クラウンは2年半という時間をかけて4車種が揃った。清水氏は「これがゴールではなくスタートラインに立てたという気分です。ここから新しいクラウンが始まります」という。その話はまた別の機会にお伝えできればと思う。


 70年目を迎えたクラウン、次の70年はどのようになるのだろうか? その1つのカギがエステートと、参加者の笑顔にあると感じた。


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