2024 SUPER GT 第6戦が9月21~22日にスポーツランドSUGOで開催。ウェットからドライに変わる難しいコンディションとなったレースは、GT500クラスは37号車「Deloitte TOM'S GR Supra」、GT300クラスは65号車「LEON PYRAMID AMG」が、それぞれ優勝を飾った。
GT300クラスに参戦しているグランツーリスモチャンピオンの冨林勇佑が乗る9号車「PACIFIC ぶいすぽっ NAC AMG」は、粘り強く追い上げて14位完走を果たした。
台風のため予選がキャンセルに
練習走行のタイムでグリッドが決まった
8月末に予定されていた第5戦鈴鹿大会が、台風10号の影響により12月に延期され、このSUGOがシリーズ5戦目として開催された。しかし、新たな台風も接近してきていた影響もあり、金曜日から不安定な天候だった。
土曜日になると状況はさらに悪化し、朝の公式練習ではアクシデントと天候不良で何度も赤旗中断になり、最終的にGT300クラスの専有走行途中でセッション終了となった。
午後になっても天候は回復せず、予選も開始時刻を遅らせて様子を見ることに。それでも状況は好転せず、15時15分すぎに予選キャンセルが発表された。決勝グリッドは朝の公式練習をもとにスタートグリッドが決められることとなった。
決勝は1時間遅れでスタート
スリックとウェットのタイヤギャンブル勃発
決勝日も朝から強い雨に見舞われ、サポートレースのFIA-F4もセーフティカー先導の状態でレース終了となるなど、前日よりも難しいコンディションに。お昼になっても天候の回復が見込めないことから、スタート時刻を予定よりも遅らせることが通知された。雨で寒い状況ではあったものの会場には多くのファンが集まり、スタートの瞬間を待った。
そして、13時00分を過ぎると雨脚が弱まり、予定より約1時間遅れでのスタートが決定。各車がグリッドについた頃には雨が止み、路面が少しずつ乾き始めていた。この先、まとまった雨が降るという予報がなかったこともあり、各チームともタイヤ選択で悩み、GT300クラスの中には早々に路面が乾くと踏んでスリックタイヤを履くチームもいた。
冨林がスタートを務める9号車は、直前のウォームアップ走行で手応えを掴んだというハード側のウェットタイヤを選択。路面がある程度乾いても対応ができるタイヤでスタートを迎えた。
「最初は良かったんですけど、途中からキツくなり始めて、これは苦しいな……という感じでしたが、FCYとSCのおかげで(タイヤのグリップが)復活しました。逆に周りがキツくなっていたので、順位を上げていくことができました」と冨林。
24周目に13番手に浮上すると、その後も着実に順位をあげていき、38周目にはポイント圏内に進出した。この辺りから、スリックタイヤを求めてピットインする車両も出始めたが、まだコース全体が完全に乾き切っていないこともあり、バックストレートでアクシデントに見舞われた車両が発生した。
FCY(フルコースイエロー)が出ると予想した各チームは一斉にピットイン。ここで9号車もピットインを試みたがタイミングが合わず、コース上に留まることになった。3番手でレースを再開すると、周りがスリックタイヤという状況のなかでも力強い走りを披露。52周目にピットインし、相棒の阪口良平にバトンをつないだ。
ポイント獲得ならずもトラブルなく完走
終盤も粘り強く戦い、最終的に14位でフィニッシュ。ポイント獲得とはならなかったが、大きなトラブルなく走り切れたという点では、ひとつ前進した結果だった。
「うまくいけばポイントも獲得できそうなくらいの走りをしていました。
次戦のオートポリスではサクセスウェイトが少ないのでかなり有利な状況で戦えるため、さらなる活躍に期待がかかる。
なお、GT300クラスは前述のとおり65号車が優勝、2位に45号車「PONOS FERRARI 296」、3位に777号車「D'station Vantage GT3」という順位になった。とくに45号車のリル・ワドゥー選手の女性ドライバー2位表彰台はSUPER GTという名称になってから初の快挙。参戦初年度ということを考えると、さすがフェラーリのファクトリードライバーだ。
GT500ランキング首位「au TOM'S GR Supra」は
今回も上位フィニッシュ達成!
一方、GT500クラスでauがメインスポンサーを務める36号車「au TOM'S GR Supra」は土曜日のウエット路面を味方につけて4番グリッドにつけると、決勝では路面が乾く前にリードを築くことを狙ったタイヤ選択を敢行。坪井 翔が序盤から積極的に追い上げ、16周目にトップに浮上した。
そこから予定通り後続との差を広げていくが、コース上でストップ車両が発生して25周目にセーフティーカーが入ったことで、せっかく築いたリードがゼロになってしまう。
さらに路面も乾き始めたことで、ライバル陣営がやや優勢となり、坪井も必死に応戦したがポジションを落とす。山下健太に交代した直後は7番手あたりまで順位を下げたが、得意の粘り強さで挽回していき、最終的に4位でフィニッシュ。ランキングトップを死守した。
坪井、山下ともに満足している様子はなかったが、チャンピオン争いを考えると貴重な4位フィニッシュだった。
雨の中、レースアンバサダーが盛り上げた!
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