フィアットから新しい電気自動車(BEV)が登場しました。それが「600e(セイチェント イー)」です。

さっそく試乗したので、その走りなどをレポートします。


Bセグメントのクロスオーバーで
493㎞の航続距離を実現

 フィアットからBEV(バッテリーで動くEV)の「600e(セイチェント イー)」が9月に日本発売となりました。価格は585万円です。現在のフィアットのラインナップの中では、「500e(チンクエチェント イー)」に次ぐ、2番目のBEVとなります。


FIATのキュートでカワイイ新型EV「600e(セイチェント イー)」は実用性も高く、イタリアンデザインが魅力!

 500eと同様に、600eも過去のフィアットの名車を復活させたモデルとなります。それが1950~60年代に発売されていた小型車「600(セイチェント)」です。丸いキュートなフォルムは、かつての600がルーツなのです。


 新しい600eは、フィアットが属する多国籍自動車製造メーカーのステランティスが電気自動車用に開発した、BEV専用プラットフォームから誕生しました。寸法は全長4200×全幅1780×全高1595mm。日本車でいえばトヨタ「ヤリスクロス」と同じクラス、いわゆるBセグメント相当の小さなクロスオーバーです。車両重量は1580kg。Bセグメントのエンジン車として重めですが、BEVとしては軽量と言えます。


FIATのキュートでカワイイ新型EV「600e(セイチェント イー)」は実用性も高く、イタリアンデザインが魅力!

 搭載するモーターは前輪用のみで、最高出力が115kW(156PS)。

FF駆動だけが販売されています。バッテリーは54.06kWh。満充電での航続距離は493km(WLTCモード)。電費は126Wh/km(WLTCモード)です。


 ボディーカラーは、試乗車のサンセットオレンジ、それ以外にスカイブルー、ホワイトという3色が用意されています。


FIATのキュートでカワイイ新型EV「600e(セイチェント イー)」は実用性も高く、イタリアンデザインが魅力!
ンセットオレンジ
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スカイブルー
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ホワイト

最大の魅力はキュート&洗練のイタリアン・デザイン

 600eの大きな魅力は、そのサイズ感でしょう。日本の狭い道や駐車場でも困ることはありません。室内の広さも十分にあり、後席も大人がゆったりと座ることができます。


FIATのキュートでカワイイ新型EV「600e(セイチェント イー)」は実用性も高く、イタリアンデザインが魅力!
FIATのキュートでカワイイ新型EV「600e(セイチェント イー)」は実用性も高く、イタリアンデザインが魅力!

 そして最大のポイントがデザインです。クロスオーバーとしての全体のスタイルは端正そのもの。それでいてフロント周りのデザインは、キュートさ、親しみやすさ、シャープさ、洗練さがミックスして、とても魅力的なものとなっています。


FIATのキュートでカワイイ新型EV「600e(セイチェント イー)」は実用性も高く、イタリアンデザインが魅力!

 インテリアのデザインも秀逸です。シンプルでありながらも実用的。

レザーシートにフィアット(FIAT)のロゴを使っていたり、小物入れの中に、街並みがデザインされるなど、細かいディティールのこだわりが楽しさを演出します。イタリアのデザイン力の底力を感じることができるでしょう。


 また、装備類も充実しています。シートは電動で、ヒーターに加えてマッサージ機能も備わっています。ナビゲーション付きのディスプレイも標準装備で、スマートフォンのワイヤレス充電機能も標準、キーレスエントリーも標準です。リフトゲートは電動で、リヤバンパー下に足を入れると、自動で開く機能も備わっています。


FIATのキュートでカワイイ新型EV「600e(セイチェント イー)」は実用性も高く、イタリアンデザインが魅力!
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スムーズで力強いパワートレインと
素直なハンドリング

 600eのドライブは、とてもリラックスしたものでした。モーター駆動ですから、発進はとてもスムーズで、そして静か。視界も良好で、ステアリングは軽く、サイズ感も手ごろ。最小回転半径は日本のコンパクトカーと遜色ない5.3m。日本車から乗り換えても、それほど違和感なく扱えるはずです。


FIATのキュートでカワイイ新型EV「600e(セイチェント イー)」は実用性も高く、イタリアンデザインが魅力!

 ただし、違うのはギヤ操作がシフトではなく、ダッシュパネル下にあるスイッチになっているところ。

それと、ACC(アダプティブクルーズコントロール:全車速追従機能)の操作スイッチがステアリングの左側にあること、そして最後にウインカーレバーが左にあるくらい。これらの特徴も、オーナーとなって乗っていれば、すぐに慣れることでしょう。


 最高出力115kW(156PS)は2Lクラスのエンジン車並みですし、最大トルクは270Nmで2.5~3Lクラス。これはサイズ感で比較すると1クラス上に相当するもの。しかも、最大トルクはわずか500回転で発生しますから、その気になれば相応にキビキビと走らせることができます。


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 また、ACCは渋滞中に停止までカバーする「ストップ&ゴー機能付き」ですし、走行車線をキープするレーンキーピングアシストも備わっています。さらに、高速道路を走ってみると直進性も悪くないことが確認できました。街中だけでなく、遠方へのドライブにも応えるくれるクルマと言えるでしょう。


 街中から高速道路まで走ってみましたが、どこもリラックスして走ることができました。魅力的なデザインと、使いやすいサイズ感、充実の装備類。フィアットの電気自動車(BEV)の主力となることでしょう。キュートで使いやすい高い電気自動車(BEV)を求める人は、要チェックです。


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