冨林の9号車はタイヤ無交換で上位進出を目指すも
トラブルに悩まされる

 2024年のSUPER GTシリーズは、台風の影響で8月に予定されていた第5戦の鈴鹿大会が延期となり、12月7~8日に延期された。最終戦が鈴鹿サーキットになるのは2005年以来と、約20年ぶり。12月の寒さは多くのマシンとタイヤの影響を与え、波乱の最終戦となった。


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グランツーリスモ王者の冨林勇佑、SUPER GT最終戦鈴鹿は17位完走! 2024年は苦しいシーズンだった

 シーズン後半は雨で予選が思うようにできないという状況が続いていたSUPER GTだったが、最終戦は両日とも快晴でドライコンディションとなった。グランツーリスモ世界チャンピオン経験者の冨林勇佑が乗る9号車(PACIFIC ぶいすぽっ NAC AMG)は、今季最後のレースで最高の結果を残すべく鈴鹿でのレースに臨んだ。


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 しかし、参戦マシンのMercedes-AMG GT3は鈴鹿サーキットを得意としておらず、予選でもライバル勢が躍進。Q1(予選1回目)では冨林がアタックを担当するも、上位14台に残ることができず、19位でQ2(予選2回目)の下位グループに振り分けられた。


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 下位グループになると、どんなに頑張っても予選15位が最上位となるが、そこを目指してQ2では阪口良平がアタックを担当。1分58秒720でグループ10番手となり、総合23番手から追い上げていく展開となった。


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 スタートは阪口が担当し、序盤はバトルを繰り広げながら順位を上げていった。レース全体の3分の1を過ぎた18周目にピットインし、冨林に交代。ここでタイヤ無交換を選択してピットストップのロスを最小限にし、さらに上位進出を目指した。


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 ペースコントロールには定評のある冨林だが、後半に入ってトラブルが発生。すぐにゴールまでマシンを運ぶ走りに切り替えた。最後は順位を上げる場面がありながらも、入賞圏内には届かず17位でフィニッシュした。


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 初めてのGT3車両ということもあり、不完全燃焼な部分もあった2024シーズンだが、随所で見せ場を作った1年でもあった。「良い部分もたくさんあったので、あとはそれが来年噛み合うように」と冨林。別カテゴリーではあるが、スーパー耐久でもゴール目前でトラブルにより脱落、今季のチャンピオンを逃す結果となった。


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 悔しさを味わった1年だったが、そのぶん2025年シーズンの飛躍に期待したい。


GT500クラスは36号車au TOM'Sが予選で2連覇を決める

 GT500クラスでは36号車「au TOM'S GR Supra」がポール・トゥ・ウィンで今季3勝目を飾り、2024年のシリーズチャンピオンに輝いた。


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 前回の第8戦もてぎでシーズン2勝目を挙げた36号車auは、ライバルに対して18ポイントのリードを築いており、結果次第では予選でチャンピオンが決まる。


 決勝レースを着実に戦い抜けば、優勝しなくてもチャンピオンが決まるというポイント差ではあるが、最後まで何が起こるか分からないのがSUPER GT。願わくば予選でチャンピオンを決めたいと、ドライバーの坪井 翔・山下健太ともにいつになく緊張した雰囲気がピット内にあった。


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 「土曜日の公式練習では、2人ともコメントがどこか焦っているような感じでした」と36号車の吉武 聡エンジニア。早く決めたいという気持ちをうまくコントロールしつつ予選に臨んだ。


 SUPER GTでは今季から合算タイム方式の予選を導入。Q1とQ2のタイムを足して、その合計タイムでグリッドが決まる。今回36号車がポールポジションを獲得し、ランキング2番手の100号車「STANLEY CIVIC TYPE R-GT」が3位以下になれば、予選の時点でチャンピオンが確定する。


 36号車はQ1で山下が乗り込みタイムアタックを開始。いつもより気温が低いこともあり、夏場と比べてタイムが一気に向上。このセッションでは上位5台がコースレコードを塗り替えるタイムを記録した。


 そんな中、山下は1分43秒737で3番手タイムを記録。続く坪井にバトンを渡した。


 シーズン後半戦から予選ルールが一部改定され、Q2でも新品タイヤを装着できるようになり、坪井もタイヤを履き替えてコースイン。トップタイムこそ奪えなかったが、0.128秒差で3番手につけた。これにより合算タイムで3分27秒008で、ライバルを逆転。100号車は5番手に終わったため、予選終了時点で36号車の2年連続チャンピオンが決まった。さらに、坪井はスーパーフォーミュラでもチャンピオンを決めており、国内二冠の快挙を達成した。


チャンピオンだけど最後は優勝で決めた

 これで肩の荷が降りた2人は決勝でチャンピオンらしい力強さをみせる。序盤からFCYが導入されるなど波乱の展開となるなか、第1スティント担当の坪井はしっかりとトップを死守。ライバルの動きをみて、レースの3分の1を終えたところでピットストップを行ない、山下に交代した。


 いつもなら、ここから引き離していく展開となるが、路面コンディションと各車が選んでいるタイヤの差が少しずつ現れ、後方から3号車「Niterra MOTUL Z」が迫り、一時はトップを奪われかけるも、ここか山下が冷静に判断して抜き返し、トップを死守した。


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 その後、トラブル車両がありFCYが導入され、3番手の17号車「Astemo CIVIC TYPE R-GT」も迫ってきて、36号車としてはピンチの状態となるも、FCY解除直後に3号車がスピンを喫して後退。17号車から猛攻をうけるも、最後はしっかりと守り切り、見事今季3勝目を果たして2024シーズンを終えた。


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12月の寒さにも負けず笑顔を振りまいたレースアンバサダーたち

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