「MINIの見た目が好きだけれどSUVが欲しい。それでいて速ければもっとイイ」。
MINIなのにデカいというアンビバレンツ
パワーもあって車内も広い



クロスオーバーと呼ばれていたモデルの後継となるカントリーマン。寸法は先代よりもかなり大型化し、全長4445×全幅1845×全高1640mm。なかでも全長にいたっては130mmも伸長しました。現車を目の前にして、その大きさと見た目から「これはMINIなのか?」と思ったり。

カントリーマンの登場は2024年の第一四半期。ちょうどBMWから「X1」というSUVが出て少し経った頃。ようするにX1とカントリーマンは兄弟車なのです。

エンジンは2L 直4 DOHC 16バルブ ターボで、最高出力317PS、最大トルク40.8kgf・mを発生。これはX1の最上位グレード「M35i」と同じ。ちなみにX1のM35iが786万円、MINI ジョンクーパーワークスカントリーマンALL4が667万円ですので120万円近くも割安といえそうです。

MINIのスポーツグレードとして有名な「ジョンクーパーワークス」という名から、ゴリゴリの走り屋仕様かというと、まったくもってそのようなことはなく。記憶の中にあるX1と同じ印象で、BMWの上位モデルのような重厚さではなく、軽快でカジュアル。とはいえ、ほかのMINIがカジュアルでキビキビかというとそうではないので、見た目も走りもMINIの異端児といえそうです。
荷室の広さはMINI史上最大級かも




異端児なのは見た目と走りだけではありません。ラゲッジスペースの広さもMINI史上最大級といえそう。後席を倒せば、その広さに驚嘆。なのですが、他社のようにラゲッジスペース側から倒すことはできないようで、いちいち後席側に回らなければならないのは面倒でした。しかも、背もたれごとに倒さなければならないため、中央を倒すのはちょっとしんどかったりも。


ラゲッジルームに12Vアクサセリーソケットを用意するので、移動中にポータブル電源などの充電が可能。また、パワーゲートに対応しているのは便利ですね。


後席はさすがの広さ。四輪駆動ゆえ、センタートンネルがかなり盛り上がっています。USB Type-Cの充電ソケットも用意されています。



運転席はMINIの世界そのもの。特に中央部に置かれた直径24cmの有機ELディスプレイが、ほかのクルマにはないアイテムといえます。



スポーツモードを試そうとGO KARTモードを選択。すると「ヒャッハー!」という声が車内に響き、派手なエンジン音がこだまするとともに、イルミネーションも変化。車両には複数の走行モードがあり、車内イルミネーションなどと連動しているようです。これもまたイマドキのBMWらしい演出が取り入れられています。ちなみに、シートマッサージ機能のモードもあったりします。


ステアリングホイールはかなり太め。これもまたBMWらしかったりします。一方、イグニッションやシフトセレクターなどはディスプレイの下に配置されています。中央のイグニッションはスイッチボタンではなく捻るタイプで、まるでポルシェのよう。遊び心いっぱいです。
【まとめ】MINIの固定観念を壊してくれる意欲的なモデル

BMW X1のデキの良さにMINIの遊び心が加わり、それでいてX1より120万円も安いというジョンクーパーワークス カントリーマンALL 4。「こんなのMINIじゃなくてBIGだ」と思ったりもしましたが、そういう固定概念を持ってしまったことを反省しきりです。
気づけばMINIがBMW傘下となって20年以上が経ち、MINIはこういうモノ、というのが頭にこびりついていました。でも、そうしたものを壊してくれそうなジョンクーパーワークス カントリーマンALL 4。MINIはまだまだ面白くなりそう、そんなことを思わせるクルマでした。
■関連サイト