夏休みが近づくと思いだすラジオ体操。最近では外出自粛の影響で、ラジオ体操の魅力が再注目されています。

ラジオ体操って子どもやシニア向けでは?と思うかもしれません。ですが運動不足の方にとってはきつすぎず、ゆるすぎないちょうどいい運動量です。聞きなれたあの音楽で、今日からすぐにでも取り組めるのも魅力です。

今回はラジオ体操の効果や、効果的なやり方についてご紹介します。運動不足が気になっている方はぜひ参考にしてみてくださいね。


ラジオ体操の健康効果


ラジオ体操は3分でできる全身運動!

ラジオ体操はさまざまな動きで、全身の筋肉や関節を動かせる運動です。カラダをひねったり伸ばしたり、飛んだり跳ねたり。

日常生活ではあまり動かさないような部分もしっかりと動かせます。

ひとつひとつの動きを大きく丁寧に行うことで、たった3分の体操でも軽く汗ばんだり、寒い時期はカラダがあたたまったりすることでしょう。


続けて行うことでうれしい健康効果も

ラジオ体操を続けて行うことで、さまざまな健康効果が期待されています。

ラジオ体操を3年以上、週5回以上続けている55歳以上の男女合計543名に対して行われた調査があります。その結果、ラジオ体操を継続的に行っている方は、「体内年齢・血管年齢が若い」「呼吸機能が保たれている」「骨密度が高い」などの健康状態を表す数値が、実年齢の方に比べて良好であったことがわかりました。(※1)

ラジオ体操を行うことで、全身運動による基礎代謝の向上や体力の維持、血行促進による首・肩のこりや腰痛予防、屈伸運動や跳躍運動による骨粗鬆症予防の効果などがあると考えられています。


ラジオ体操の消費カロリーは?

ラジオ体操で消費できるカロリーは、以下の通りです。

ラジオ体操第一11~14kcalラジオ体操第二13~16kcal

※厚生労働省の「健康づくりのための身体活動基準2013」(※2)をもとに計算

消費できる量はそこまで多くないと思われるかもしれません。

ですがラジオ体操の効果はカロリーを消費することではなく、ラジオ体操によって全身を動かすことによって得られます。

短期的なダイエット効果は得られにくいかもしれませんが、運動するための土台作りや、外出できないときの運動法のひとつとして取り組むといいでしょう。


ラジオ体操の効果的なやり方


運動不足解消にはラジオ体操第一と第二を

運動不足解消のためにラジオ体操を行うなら、第一と第二の両方を行うようにしましょう。

ラジオ体操第一は、いつでもだれでも取り組める、運動強度が高すぎない体操です。ラジオ体操第二は、若い世代向けに作られており、強度がやや高くなっています。ラジオ体操第一だけではやや物足りないため、運動不足解消には第二までしっかりと行ってカラダを動かしましょう。

第一と第二を合わせると、消費カロリーは24~30kcalほど。

もし1年間毎日続けたとすると、消費できる量は8760~10950kcalとなります。体脂肪1㎏を消費するために約7000kcal必要といわれているため、計算上は1年間で1~1.5㎏の体脂肪を消費できる運動量です。これならダイエットにも役立ちそうですね。


ラジオ体操は動画を見ながらがおすすめ

ラジオ体操の音楽が流れると自然とカラダが動いてしまう!なんて方も多く、ラジオ体操のやり方はお伝えするまでもないかもしれません。

ですが動画を見ながら行うことで、正しいカラダの動かし方を確認しながら取り組むことができます。ラジオ体操の効果をしっかりと得たい方、またはやり方をあいまいにしか覚えていない方は、一度動画と一緒に体操してみましょう。

さらに在宅中の運動不足解消法として、「超ラジオ体操」というものが紹介されています。背骨や肩甲骨、股関節まわりを中心にしっかりと全身を動かせるため、動きが悪くなりがちな関節をほぐすことができます。

ラジオ体操は強度が高すぎないので無理なく始められて、1日数分なので続けやすいのも魅力です。運動不足解消に、ぜひラジオ体操を役立ててみてくださいね。

【参考・参照】
(※1)かんぽ生命 たった3分の全身運動!「ラジオ体操」の健康効果とは!?<https://www.jp-life.japanpost.jp/health/exercise/health-app/kam_201902.html>(最終閲覧日:2020/07/27)
(※2)厚生労働省 健康づくりのための身体活動基準2013<https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002xple-att/2r9852000002xpqt.pdf>(最終閲覧日:2020/07/27)
NPO法人全国ラジオ体操連盟<https://www.radio-exercises.org/>(最終閲覧日:2020/07/27)

【執筆者】広田 千尋/管理栄養士
これまでに500件以上の指導経験があり、ダイエットや生活習慣病対策はもちろん、妊婦から高齢者まで幅広い指導を経験。栄養指導、レシピ制作、栄養教室や料理教室開催などのスキルと知識を生かし、あすけんではコラム執筆やオンラインカウンセリングを担当。