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MEDEL GALLERY SHUでは、9月12日より24日まで、上村江里、Lea Embeli、倉敷安耶、龍羽均の4人のアーティストによるグループ展「観の輪郭--The Self and the Other」を開催いたします。
今回の展示テーマは、ジェンダーへの固定概念を再認識するように見えて、視覚芸術への我々の反応自体にチャレンジしているような側面があります。
「観る」ということを起点とし、
「親密さの多様」
「AI技術」
「東洋と西洋絵画内における女性像」
「女性の髪」
などといったそれぞれの経験から、アーティストが感じ取った上で生じる視点により創られる作品たちは女性への固定概念に対して、私たち鑑賞者を立ち止まらせ考える時間を与えます。
女性の眼差しから創られる女性像は男性視点からが多かったこれまでの歴史に鋭い切り込みを入れ、さらに深く、ジェンダーに捉われずその人自身を「観る」事を促していきます。
ご自身のジェンダーを属性ではなく羅針盤として捉え、ゆらめく時間をお楽しみください。
「観る」という行為は、ただ目に映すことではない。それは、世界と私のあいだに橋を架け、境界を撫で、時にその輪郭を溶かしてしまう深い営みである。
私たちは、自分を観る。他者を観る。制度や歴史を観る。そして、それらは必ず私たちがもつ記憶や信念、身体の感覚というフィルターを通して形づくられる。
本展は、その源泉である「観」に立ち返る試みである。ここでの「観」とは、言葉に先行する経験であり、既存の権力構造や価値判断を超えて生じる感覚の動きだ。そこから視座が芽吹き、やがて思想や関係性の輪郭が結晶していく。
四人の作家は、それぞれ異なる「観」から出発する。
龍羽均は、モデルとの間に交わされる眼差しや呼吸の往復を通して、「観る/観られる」の関係を揺らし、親密さの多様な形を描き出す。
Lea Embeliは、AI技術と美術史上の女性像を交差させ、規範や偏見を浮かび上がらせながら、表象そのものを更新する。
倉敷安耶は、孤立した身体と他者の距離を主題に、儀式性やケアの行為を通して断絶を超える関係の形を探る。
上村江里は、言葉や感情、本能的衝動の根源に立ち返り、自己との対話を外部との関係構築の礎として提示する。
ここで描かれるのは、女性アーティストによる、女性の姿である。長い美術史の中で、女性像の多くは男性の視線によって描かれてきた。その結果、女性は見る者ではなく見られる者として位置づけられ、語る声を奪われてきた。ここでのジェンダーは、固定的な属性ではなく、視点を変容させる呼吸であり、境界を往復し、曖昧さや重なりの中から真実を探るための羅針盤である。
「観の輪郭」とは、他者の中に自分を見出し、自分の中に他者の影を見出す、その揺らぎの軌跡である。見ることは共感や連帯を育むと同時に、偏見や距離をも再生産する危うさを孕む。私たちはその危うさを引き受け、視線の権力構造を組み替え、女性が自らの眼差しで描く女性像を、今、ここに提示する。
上村江里 | Eri Uemura
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1986年 広島県生まれ
2010年 尾道市立大学 芸術文化学部 油画 卒業
2010-11年 渡英 ロンドン滞在
2014年 東京藝術大学 美術研究科 絵画専攻 油画第一研究室 修了
主な展示:
2012年グループ展『大学絵画』アキバタマビ21、3331gallery、東京
グループ展『上村江里・宇都宮恵・升谷真木子のアトリエ』東京藝術大学 大学館、東京
2013年個展 『Life Drawing』Ouchi gallery、NY
2014年『第62回東京藝術大学卒業・修了作品展』東京藝術大学、東京
『art award tokyo marunouchi 2014』参加、行幸地下ギャラリー、東京
個展『Kiss』JIKKA、東京
グループ展『三越×東京藝術大学 夏の芸術祭2014 次世代を担う若手作品展』日本橋三越本店、東京
『シブカル祭。2014』参加、パルコミュージアム、渋谷PARCO、東京
『TOKYO DESIGNERS WEEK・SHOP ART WALK』参加、Pretty Ballerinas AOYAMA、東京
2015年 個展『ERI UEMURA』eatable 、東京
グループ展『In Focus6 - 卒業生の現在』MOU尾道市立大学美術館、広島
2016年 『シブカル祭。2016』参加、渋谷、東京
2018年 zine fair 参加、湿地venue、台北
2023年 グループ展『ART KAMIYAMA』麻生邸、東京
2025年 個展『Picking up My Bones』GARDE gallery、東京
レア・エンベリ | Lea Embeli
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1994年 セルビアのパンチェヴォ生まれ。
2016年 「Zavod」や「Kreativni centar」、フランスの出版社「Fleurus」などで本の挿絵を手がける。また、セルビアのToBlink StudiosやポーランドのAnimoon Studiosなどのスタジオでキャラクターデザイナーやコンセプトアーティストとしてアニメーションの仕事にも携わる
2017年 藝術大学応用芸術学部応用絵画学科を卒業
2018年 同じ大学修士課程を修了。
教育・科学・技術開発省とセルビアの若い才能のための財団より奨学金を授与される。学業成績優秀者に贈られる アレクサンダル・トマシェヴィッチ賞、応用絵画分野の ULUPUDS賞、若手アーティストに贈られるヴチュコヴィッチ賞を受賞。
2019年~2020年 ベオグラードの応用芸術学部で絵画技法のティーチングアシスタントを務めた
2021年 文部科学省の奨学金(MEXT)を受けて東京藝術大学油画研究科に留学した
2023年4月 東京藝術大学 美術研究科 絵画専攻 油画第六研究室 修士課程に進学
2025年3月 東京藝術大学 美術研究科 絵画専攻 油画第六研究室 修士課程 修了
2025年3月~ 現在もセルビアと日本を拠点にアーティストとして活動を続けている。
主な展覧会:
“This changes everything”、ニシュ・アート・ファウンデーション、ニシュ、セルビア、2017年
“Festum”、学生文化センター、ベオグラード、セルビア、2018年
“Out of touch”個展、Ostavinska ギャラリー、ベオグラード、セルビア、 2019年
“私的価値” スイスレジデンス、べオグラード、セルビア 、2020年
“芸術の秋ビエンナーレソンボル(セルビア) 、2020 年
“どう思う?” 個展、X Vitaminギャラリー、ベオグラード、セルビア、 2020年
“第 51 回芸 術サロン”国立美術館(パンチェヴォ、セルビア) 、2021年
“どこにいても、そこが家”, JR 上野ギャラリー・ (東京) 、2023年
“未来展”, 日動画廊(東京) 、2023年
“Beauty of Big Format” Salon of the Belgrade Museum, Belgrade、2023年
“Watowa Art Award”, Watowa ギャラリー、東京・2023 年
“Shibuya Awards” Hillside Terrace、東京・2024年
“Grid Next” biscuit gallery、東京・2024年
“Sorry, this is (not) for you” Atami Art Grant、熱海・2024年
“bridge” biscuit gallery×NISO (ロンドン) コラボレーション展、東京・2025年
“ピテカントロプス” 三越コンテンポラリーギャラリー、東京・2025年
倉敷安耶 |Aya Kurashiki
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1993年 兵庫県生まれ。茨城県在住。現在は東京と関西を拠点に活動。
学歴
2016 京都造形芸術大学 美術工芸学科 油画コース 卒業
2018 京都造形芸術大学 大学院修士課程 芸術研究科 ペインティング領域 油画専政(大庭大介ゼミ) 修了
2020 東京藝術大学 大学院修士課程 美術研究科 絵画専攻 油画第一研究室(小林正人研究室) 修了
賞、助成等
2016年度–2017年度 公益財団法人佐藤国際文化育英財団 第26期奨学生
2017 浅田彰賞「SPART 2017」
2019年度 公益財団法人クマ財団 第3期奨学生
2020 入選「シェル美術賞2020」
2021 公益財団法人クマ財団 継続的な活動支援事業
2021 アソシエイツアーティスト「VIVA AWARD」
2021 グランプリ受賞「WATOWA ART AWARD」
2022 公益財団法人クマ財団 継続的な活動支援事業
2024 秋元雄史賞「KAIKA TOKYO AWARD」
2025 入選「群馬青年ビエンナーレ」
個展
2025 「ショーケース SHOWCASE UENO #15. 倉敷安耶」東京藝術大学(東京)
「おまえの骨が軋むとき」ARTDYNE(東京)
2024 「ショーケース SHOWCASE directed by Ozawa Tsuyosh #43. 倉敷安耶」藝大食堂(茨城)
「Breast」KUMA GALLERY(東京)
2023 「百夜」SOM GALLERY(東京)
「あなたの髪のひとつ(だった)」haku(京都)
「腐敗した肉、その下の頭蓋骨をなぞる。」銀座蔦屋書店アートウォールギャラリー(東京)
2022 「浅はかなリ、リアルの中でしぜんにかえる。」和田画廊(東京)
「-OUR ART PROJECT- EXHIBITION」BPM(東京)
2021 「そこに詩はない。
「BnA_WALL 3rd Mural A~ya Kurashiki Solo exhibition」BnA_WALL Art Hotel in Tokyo (東京)
「GRAVE」TSUKURU WORK 新宿センタービル店(東京)
2016 「Shadow of 0.2 Lux.」(Cafe&Gallery etw / 京都)
グループ展
2025 「群馬青年ビエンナーレ2025」群馬県立近代美術館(群馬)
「Intersection」HWA’S GALLERY(上海)
「WHAT A PAINTING WANTS」BONDEDGALLERY(東京)
2024 「Beautiful Foolishness~遊びをせんとや生まれけむ」藝大アートプラザ(東京)
「PHASE TRANSFER」Alpha Contemporary(東京)
「REUNION」myheirloom(東京)
「NEWoMan YOKOHAMA × The Chain Museum Vol.10 2F Wall Street Museum「Dancing in the Boundary」 -境界の中で踊る-」NEWoMan横浜(神奈川)
「東 京都 展 The Echoes of East Kyoto」WHAT CAFE(東京)
「nine colors XVIII」西武渋谷美術画廊(東京)
「KAIKA TOKYO AWARD」KAIKA Tokyo by THE SHARE HOTELS(東京)
「GROUP SHOW」三越コンテンポラリーギャラリー(東京)
「Expression vol.3」長亭GALLERY(東京)
「DISTANCE -絵画との距離-」MU GALLERY(東京)
2023 「Espace Virtuel」YOD TOKYO(東京)
「ニューミューテーション#5 倉敷安耶・西村涼「もののうつり」」京都芸術センター(京都)
「etoototo」+ ART GALLERY(東京)
「鋳物のマブ」CLUB王族(神奈川)
2022 「The ghost in the room」TENSHADAI(京都)
「Idemitsu Art Award(旧シェル賞)アーティスト・セレクション」国立新美術館(東京)
他多数
龍羽均| Long YuJun
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1998年 中国重慶市 出身
2016~2020年 武漢設計工程学院 藝術設計学院 プロダクトデザイン専攻 卒業 学士(中国・武漢)
2021~2023年 武蔵野美術大学 造形学部 油絵専攻 卒業 学士(日本)
2023~2025年 東京藝術大学 美術研究科 絵画専攻 油画第一研究室 修了 修士(日本)
受賞歴:
2020年 武漢設計工程学院 藝術設計学院 プロダクトデザイン専攻 優秀卒業生として表彰(中国・武漢)
2023 年 Gallery Binosha アートコンペ 奨励賞(東京・日本)
2023 年 CHANGTING GALLERY EXHIBITION 2023 優秀賞 / 薄久保香賞(東京・日本)
他多数
個展:
2022年 「他者」長亭GALLERY(東京・日本橋)
2024年 「姉」長亭GALLERY(東京・日本橋)
2024年 「Ethereal Bonds」Gallery美の舎(東京・台東区)
公募展:
2023年 「NATURE」Gallery美の舎(東京・台東区)
2023年 「CHANGTING GALLERY EXHIBITION 2023」長亭GALLERY(東京・日本橋)
グループ展:
2023年 第47回 東京五美術大学連合卒業・修了制作展(国立新美術館・東京)
2023年 「Me Too」 Irregular Rhythm Asylum(東京・新宿)
2023年 取手藝祭2023「野生の都会人」(東京藝術大学・取手キャンパス)
2024年 「CHANGTING GALLERY PRIZE 2024」長亭GALLERY(東京・日本橋)
2024年 修士1・2年 油画第一研究室展示会『比喩馬』藝大食堂ギャラリー(茨城県・東京藝術大学・取手キャンパス)
2024年 「油画第一研究室展」絵画棟1F Yuga Gallery(東京藝術大学・上野キャンパス)
2024年 TOKYO GEIDAI油画第一研究室講評展示会 GASBO ETABOLISM(東京藝術大学・取手キャンパス )
2025年 「OIL ART MARKET 2025」0IL by 美術手帖 銀座 蔦屋書店/六本木 蔦屋書店(東京・銀座/東京・六本木)
2025年 第73回 東京藝術大学 卒業・修了作品展(東京藝術大学・東京)
MEDEL GALLERY SHU
MEDEL GALLERY SHU|愛でるギャラリー祝
https://medelgalleryshu.com/
東京都渋谷区神宮前4-28-18
カトル・バン原宿B1
info@medelgalleryshu.com
13:00~19:00(最終日は17時まで)
木曜休廊
MEDELとは、日本語で「物の美しさをほめ味わうこと」を意味する「愛でる」からきています。唯一無二のアートを賞美し、慈しむという行為を介して、アーティストと鑑賞者、ギャラリーの間に喜びの行き交いが成立してほしいという想いを込め名づけました。“時代を共にする人々にとっての財産であり、未来の社会を照らす火である”とアーティストの活動・作品を定義し、人々の心に残る独創性に富んだスタイルの作品を鑑賞者と共に愛でつつ、次世代に残るようなマーケットや美術史的評価を確立してゆくことが当ギャラリーのミッションです。そのような私たちの活動を通して、独創的な表現を受け容れる多様な社会的風土の醸成に資することができれば、これに勝る喜びはありません。
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