DMG MORIは2009年に森精機とドイツのDMGが統合して誕生した工作機械のグローバル企業で、18年度の連結売上高が約4800億円、約1万3000人の従業員を擁する。
プレゼンテーションに登壇したDMG MORIの川島昭彦専務執行役員は、「ドラマ『下町ロケット』を思い浮かべていただければ分かりやすい」としている。飛行機や自動車などの大手企業から地域の零細企業まで金属加工する工作機械を製造しているという。
15万社の顧客を持ち、クライアントに納入して稼働している機械は1万数千台に上る。「従来は、工作機械を売って終わりだったビジネスが、納入後も10年以上にわたって、パッチを当て続けてメンテナンスする必要性が生まれている」と川島専務が語るように、工作機械自体がインテリジェント化されていく中で、その機械の稼働状況の把握やセキュリティー、保守・メンテナンスが重要になってきている。
こうした納入先の機械の状況を把握するために、自前でデータセンターを揃えたりAIで管理したりするには膨大な投資コストが発生するため、マイクロソフトのAzureやAIのソリューションを活用することにした。
具体的には、各制御システムのデータをDMG MORIのCELOSで解析、可視化して、Azure上のAIでデータ分析することで、例えば工作機械のフィルター交換などを適切なタイミングで促したり、異常があったときに機械が停止するダウンタイムを削減したりと、不良率の削減や工程の効率化につなげる。
日本マイクロソフトは、こうしたIoTソリューションを提供することで製造業のデジタルトランスフォーメーションを促進していく。
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