リニア新幹線神奈川駅として、京王線・JR横浜線/相模線の3線が乗り入れる神奈川県相模原市のJR橋本駅南口に、リニア新幹線の新駅が建設される。計画は決定済みで、周辺の地価が計画の決定から高騰しているという。
この橋本駅から電車で15分ほどで着く、小田急百貨店 町田店の7・8階に、今年2月、ビックカメラの新店舗「ビックカメラ 町田店」がオープンした。オープンを記念し、3月1日から4月7日までの期間限定で、通常はどちらか一方しか貯められない「小田急ポイント」と「ビックポイント」がダブルで貯まる「Wポイントキャンペーン」を実施。さらに、隣駅の小田急線相模大野駅ビル内の「ビックカメラ 相模大野店」でもWポイントキャンペーンを実施していた。
ビックカメラ 町田店では、小田急線の車両を再現したエレベーター(期間限定)や、駅看板を模した店内案内板などを設け、インターネット上で話題になった。小田急百貨店 町田店の駅直結という立地を生かし、小田急ファンに訴える試みに見える。
駅直結または駅徒歩数分の立地の良さがウリの都市型家電量販店は、車利用客だけではなく、いかに沿線の各駅から集客できるかもカギ。「小田急」を強く意識したビックカメラ 町田店の試みから、人気の沿線・駅を抑えれば、成功は固いと感じた。Webサイトや雑誌の特集で「住みやすい沿線ランキング」や「人気の街ランキング」はよく見かけるが、駅徒歩圏内の家電量販店の数も一つの目安になるだろう。
記者は、小田急線の新宿~相模大野間の各駅は、数えるほどしか訪れたことがないが、東京なのか、神奈川なのか、何ともいいようのない独特な感じの町田駅周辺の賑わいは強く印象に残っている。同様に、橋本駅周辺も、新宿につながる京王線が乗り入れていることもあり、「東京都内」だといっても通じるような雰囲気が漂っていた。
今後ますます、日本の人口は減少し、首都圏、それも都心近くのエリアへの人口集中が加速すると予想する。郊外エリアは「コジマ×ビックカメラ」で押さえつつ、人気の沿線を抑えていくビックカメラの出店戦略が成功するか、注目していきたい。(BCN・嵯峨野 芙美)
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