冒頭、A-PABの福田俊男理事長があいさつに登壇し、「12月1日に新4K8K衛星放送が始まって1年になる。10月末までの視聴可能台数は200万台をようやく超えた。放送開始直後は足踏みしていたが、機器がそろってきたことと、来年の東京五輪への期待が追い風になり、順調に増えている。ピュア4Kや受信機が増えて、2年目に向けた準備が整ってきた」と近況を報告。関係者との協力を深めて、4K8Kの普及に一層力を注ぐという。
セレモニーには寺田稔総務副大臣が登壇し、「1年前に新4K8K衛星放送が始まったことで、別世界に突入した。これからは世界標準になっていく。フィルム作品がデジタルリマスターやリメイクで鮮明に、臨場感をもってよみがえるのは感動。今後も、さらなる普及に向け、受診環境の整備と、バラエティや自然、スポーツなどの魅力的なコンテンツの登場に期待したい」とコメントした。
電子情報技術産業協会(JEITA)AVC部会代表を務める東芝映像ソリューションの安木成次郎取締役上席副社長は、「コンテンツのさらなる充実に期待したい。新4K8K衛星放送の高品質な体験を通して、豊かな暮らしを実感できる環境をつくっていきたい」と述べた。
魅力的なコンテンツを求める声がある一方で、番組を制作する側の状況は芳しくない。日本民間放送連盟の大久保好男会長は、「4Kのコンテンツが増えてきた。来年の東京五輪は普及の好機となるだろう。ただ、民法の状況は厳しい。一層の応援に期待したい」と厳しい現状を語る。
日本放送協会の上田良一会長は、「視聴可能機器は200万台を突破したが、足元では4K対応テレビがさらに普及している。それだけではもったいないので、ぜひチューナーを付加して、新4K8K衛星放送を体験していただきたい」と述べ、視聴可能機器はまだまだ普及できるとの見方を示した。
A-PABの木村政孝理事によると、チューナーを搭載していない4K対応テレビの出荷台数は約630万台。一方で、外付けチューナーは累計で21万7000台しか出荷されていない。接続率はわずか3%程度だ。木村理事は、「接続率をさらに増やしていきたい」と意気込みを語る。
魅力的なコンテンツとして注目を集めるのは、2020年に開催する東京五輪。
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