平時の満員電車の車内は、人が「密接」に「密集」する空間だ。駅でドアが開閉したり、空調で外の空気を取り込んで循環させたりしているため、「密閉」空間ではないという。ただ、ラッシュ時間帯は混雑によるダイヤ乱れで、運転間隔の調整など、駅と駅の間で電車の速度が遅くなったり一時停止するなどで、「密閉」気味になる時間が長くなる。感染リスクが高い「3密」の状況が長く続く可能性があった。
一方、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策がとられてからは、状況が変わった。電内の窓を積極的に開けて走行することで車内換気を図っているほか、乗客がテレワークや時差出勤を実施することでラッシュ時間帯の混雑が緩和され、ダイヤが安定している。咳エチケットの徹底をアナウンスで放送するなどの対策もとっている。
記者が使っている都内の路線も、平時はほぼ毎朝、人と人との間に距離がないほど混んでいた。ところが現在は、人と人との間にスペースがあり、毎朝悩まされていたダイヤの乱れもない。記者が所属する編集部でも時差出勤、テレワークが推奨されており、乗車する機会はほとんどないが、どうしても朝に出社する必要があるときに乗車すると、電車内のスペースに余裕を感じる。
しかし、帰宅ラッシュの時間帯は、以前と同じく満員状態だ。
新型コロナウイルス感染症は、自覚症状が無くても感染している可能性があり、自身が感染源になってしまうリスクを孕む。本当に会社のためを思うなら、機密情報を取り扱う、接客するなど「会社でしかできない仕事」以外では、できるだけ不要不急の出社も避けた方がいいのかもしれない。(BCN・南雲 亮平)
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