基本的に家電製品の販売に接客は欠かせない。顧客の住居の環境や利用シーン、操作方法、メンテナンス、長期保証、ポイントなど、顧客からわからないことについての質問を受けたり、それに応えたりするケースが多いからだ。しかし仮に、レジなし店舗が家電量販店に導入された場合を考えてみる。
小物・消耗品の販売には有効といえるだろう。商戦期に長蛇の列ができるレジ待ちで、「電池1パック」のような低額の小物・消耗品を購入するだけのために並ばされるのはうんざりする。こうした時にレジなし店舗のシステムが併用されていれば、顧客も並ばないで済むし、店にとっても小物・消耗品がもっと売れるだろう。
●顔認証と銀行口座を紐づければ便利に
しかし、レジなし店舗に課題が全くないわけではない。駅の売店ならまだしもコンビニの場合はどうだろうか。宅配便の受付や荷物の引き取り、税金・公共料金の各種納付など、販売以外のサービスが多く、レジなしや完全無人化は現状では難しい。これを実現するには、さらなるシステムの開発や投資が必要になるだろう。
また、図のように、事前にアプリのダウンロード(Amazonの外部提供システムではクレジットカードの提示)や決済方法の登録などを行う必要がある。
さらに、返品や商品交換をする場合、自分で操作する手間を考えれば通常店舗の方が圧倒的にストレスが掛からない。
こうしたことから、レジなし店舗が増えても、それは「小物・消耗品」など扱う商品を限定した店舗で、40代くらいまでの特定の顧客が使用する状態がしばらくは続くのではないかと筆者は考える。現実的にはセルフレジが普及してから次の取り組みという位置付けになるだろう。
今後の展望として、現在でもレジなし店舗で使われている顔認証技術の機能を進化させて、銀行口座などに紐づけできれば、さらに利便性は高まる。筆者の個人的見解としては、さまざまな制約はあるが、顔認証や口座に加えてマイナンバーを紐づけすることができれば、不正防止や一層の手軽さに役立つのではないかと考えている。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。
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