カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチは5月13日、「Market Monitor Service」による世界のスマートフォンスマホ)市場の最新調査結果を発表した。

 調査によれば、世界のスマホ市場はこれまでにないスピードで縮小し、2020年第1四半期が前年同期と比較して13%減少している。
四半期当たりの台数が3億台を下回ったのは、14年第4四半期以来、初めて。19年第4四半期からの市場復調の兆しは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって再び不透明となった。
 落ち込みの主な要因は、新型コロナウイルス感染症感染拡大の初期の中心地であった中国における、前年同期比で27%の出荷減であり、販売チャネルを物理店舗からインターネットに切り替えたことで落ち込んだ売り上げの一部をカバーできたものの、スマホのグローバル市場における中国のシェアが22%と、1年前(26%)から減少している。
 中国の減速はサプライヤー側にも影響しており、世界出荷台数減少の原因となった一方で、長期的に端末メーカーがサプライチェーンを各地域に分散させる動きにつながる可能性も考えられる。
 なお、第1四半期末には新型コロナウイルス感染症が他の地域にも拡散し始め、ロックダウンの実施によってサプライヤー側の機能麻痺が需要側に移りつつある。
 スマホトップ10社のシェア合計は83%で、19年第1四半期(80%)からさらに増加した。規模の小さいメーカーは、路面店への依存が高く、新型コロナウイルス感染症の影響を受けやすいので、集中と淘汰の流れは続くとみられる。
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大のため、主要メーカーはほぼ減収となったが、Xiaomiが前年同期比7%増、realmeが前年同期比157%増だった。これは、両社の主要市場であるインドにおいて、3月末に厳格なロックダウンが行われたことが理由の一つとして挙げられる。
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