●上位モデルには贅沢なグラフィックス性能
ROG Zephyrus G14シリーズはディスプレイやCPU、内蔵ストレージの仕様が異なる3製品9モデルがラインアップされている。今回、試した実機は8コア16スレッドのAMD上位プロセッサー「Ryzen 9 4900HS」と「NVIDIA GeForce RTX 2060 Max-Q」を搭載する最上位機種「ROG Zephyrus G14 GA401IV」だ。
14型の液晶ディスプレイは解像度重視のWQHDモデル、または60Hzであるリフレッシュレートを120Hzに高めたフルHDモデルから選べる。ストレージの選択肢は1TBと512GBの2種類があり、1TBの大容量モデルにのみAniMe Matrixディスプレイが搭載されている。
ゲーミング用途とビジネス用途の二刀流で使いたい人のために、Microsoft Office Home and Business 2019を用意するモデルもある。破損理由やコンピュータウイルス感染など、原因を問わずに利用できるASUS独自の製品保証サービス「あんしん保証」(https://asus-event.com/anshin/)も一年間付いているので安心だ。
●ゲーミング用途以外にもオールラウンドに使える
カラーバリエーションには写真で紹介するムーンライトホワイトのほか、エクリプスグレーの2色がある。ゲーミング仕様をうたうPCにはデザインがゴリっとしていて、カラーLEDが派手に明滅するようなエンターテインメント性の高い外観の製品も多いが、本機は落ち着きのあるスタイリッシュなデザインと色彩のトーンにまとめている。
AniMe Matrixディスプレイのイルミネーションはホワイト単色。四辺サイズはA4ほど、約19.9mmのスリムな本体の質量は約1.7kg。パネルを閉じると天面・底面の形状がフラットで、四辺には張り出しもないので、ビジネスバッグのノートPC用ポケットからスムーズに出し入れができる。
キーボード部と画面部のつなぎにはASUS独自設計のエルゴリフトヒンジを採用。
本体に内蔵する「Intelligent Cooling System」は5本のヒートパイプを備え、209枚の極薄放熱フィンでPCの熱をすばやく逃がす。リフトアップされたキーボード側本体の背面に排気口があり、さらに排熱効率を高めるために天板の下部に大胆な切り込みを入れた。
この構造がスムーズな空気の流れをつくりだす。ファンの動作モードはユーティリティアプリケーションの「Armoury Crate」からパフォーマンス重視、静音性重視など用途に合わせた設定が選べる。
本体に付属する定格出力180W対応のACアダプターを接続すると、ファンの動作をTurboモードや手動モードからも選べるようになる。本体左側のUSBポートがUSB Power Deliveryに対応しているため、出張や旅行などの場面には、より身軽に持ち運べるUSB Type-C対応のモバイルバッテリーやACアダプターが使えることも覚えておきたい。
HDMI 2.0端子は4K映像を外部モニターに出力できるパフォーマンスを備える。内蔵スピーカーは2基ずつのトゥイーターとウーファーによるクアッドユニット構成なので、広帯域に伸びやかでクリアな音が鳴らせる。
ゲーム系コンテンツはもちろんだが、NetflixやAmazonプライム・ビデオで映画やドラマも見る用途にも心地よく使える。ドルビーアトモスの立体サウンドを収録するコンテンツも本体のスピーカーシステムだけで迫力たっぷりに再現できる。
なお15.6型のゲーミング仕様に特化した「ROG Zephyrus G15 GA502IV」は、フルHD/240Hzの液晶ディスプレイ、Nキーロールオーバー対応のゲーミングキーボード、重低音再生に優れるオーディオアンプを搭載。
シザー方式を採用するキーボードはゲーミングのために形状や仕様を最適化。スペースキーは縦方向の幅を広げて誤操作を低減。各矢印キーを独立させて正確なコントロールを可能にしている。Xbox Liveで配信されているゲームをプレイしてみたが、キーボードの操作感がとても安定しているのでゲームに集中できる。
タイピングのストロークはやや深めに感じられたが、キー入力に対する反応はとても良好だ。ビジネスアプリケーションによる長時間作業も疲れを感じにくかった。左上側には音量/マイクミュート/Armoury Crateにすばやくアクセスできる四つのゲーミングホットキーがある。ゲーム以外の映画や音楽などエンターテインメントコンテンツを楽しむ際にとても便利だ。
●遊べる・使えるAnime Matrixディスプレイ
天板に配置した特徴的なAniMe Matrixは1215個のミニLEDにより構成される。いわゆるドット絵が表示できるディスプレイであり、デザインのカスタマイズを楽しんだり、実用的な使い方もできる。例えば、時計やバッテリー残量を表示しておけば、少しパソコン作業を中断して席を立ち、またパソコンを置いたデスクのところに帰ってくる時にAniMe Matrixディスプレイに表示される情報を確認できる。
エンターテインメント的な用途として、AniMe Matrixの設定ツールから好きな写真をドット絵に変換して表示したり、音楽を再生しながら文字と動くオーディオビジュアライザーを、複数プリセットされているパターンから選択して映しながら動きを眺めて遊べる。
白色LEDを発光させる仕様なので、光がうるさく感じられずスタイリッシュな雰囲気を醸し出してくれる。光のインスタレーションとして、デスクトップに華やぎを添えてくれそうだ。外観にひと味違う個性的な魅力を備えるノートPCを探している人には打って付けの選択肢だと思う。AniMe Matrixは不要という人には、非搭載モデルの選択肢もある。
●充実の総合力を備えるハイスペックノートPC
今回テストしたシリーズ最上位機種の「ROG Zephyrus G14 GA401IV」はバッテリー駆動時間が約9.4時間と必要十分なスタミナを備えている。公共交通よる長時間移動の際にもポータビリティの高いワークステーションとして、あるいはエンターテインメントのパートナーとして活躍してくれる。先述したようにUSBポートからモバイルバッテリーによるチャージができるところも頼もしい。
上位モデルのWQHD解像度のディスプレイは発色も素直だ。色再現性能にこだわってsRGB 100%のカバー率としたほか、PANTONE認証も取得している。Webデザインなどクリエイティブ用途のハイスペックノートPCとしても信頼できるディスプレイ性能だ。
ほかにも無線LAN通信の最新規格であるWi-Fi 6(IEEE802.11ax)に対応しており、同じ規格をサポートするWi-Fiルーターとの組み合わせれば安定した高速ネットワーク通信ができる。
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