ヤマダ電機は9月8日、冷暖システムのZ空調付き注文住宅などの住宅事業を展開するヒノキヤグループを連結子会社化すると発表した。普通株式を1株2000円でTOB(株式公開買付)によって、所有株式の50.1%の取得を目指す。
投資総額は126億円。

 取得する株式の45.7%を占めるヒノキヤグループの創業家など、主要株主とはすでにTOBに応募する契約を結んでいる。ヤマダ電機は、9日から10月22日かけてTOBを進める。ヒノキヤグループは、公開買付の成立後も東証1部上場を維持する。
 2019年12月期のヒノキヤグループの業績は、売上高が1176億円(前期比6.7%増)、当期純利益が23億円(同2.4%増)。純資産は225億円。従業員数は3111人。
 ヒノキヤは、新築住宅の着工戸数の減少や、長期的な人口減少によって住宅需要が減少することが見込まれると判断。政府の住宅政策も、従来の新規建設から賃貸住宅ストックをリフォームするストック重視に転換しており、企業間の競争がさらに激しくなっている。
 そうした中、単独での生き残りは困難でヤマダ電機との関係を構築するために、2020年5月中旬から複数回にわたって協議を重ねてきたという。
 ヒノキヤは、ヤマダ電機が全国で展開する「家電住まいる館」を通じたブランド認知の向上に期待を寄せる。具体的には、桧家住宅、パパまるハウス、レスコハウスの3ブランドのエリア拡大戦略を推進したり、Z空調システムや断熱材の拡販を加速させたりする効果を見込む。
また、ヒノキヤ単独では難しいIoT住宅など新たな商品開発の可能性も探る。
 ヤマダ電機にとっては、自社にはない省エネ効果が高い冷暖システムのZ空調や高気密・高断熱のWバリア工法といった商品ラインアップや介護、保育などのノウハウを吸収し、住宅事業領域の幅を広げる狙い。
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