アームは2016年にソフトバンクグループが320億ドル(約3兆3000億円)で買収。IoT戦略のキードライバーと位置付けてきたが、「アーム単独よりエヌビディアとの組み合わせのほうがアームの潜在的な可能性を実現できる」との理由から売却を決定した。
売却先となるエヌビディアは米国で1993年に創業した半導体メーカーで、PC向けのGPU開発を主軸に事業を拡大してきた。当初はゲームに特化していたが、現在はCG製作やデータセンター、自動車など幅広い分野で稼ぐ収益構造を確立している。
特に近年はAI開発におけるGPUで高い評価を獲得して急成長。半導体業界における時価総額は今年3月から2倍以上も伸びており、台湾積体電路製造(TSMC)、サムスンに次ぐ3位につけている。
20年3月にはデータセンター向けにインターコネクトを販売するイスラエルのMellanox Technologiesを69億ドル(約7700億円)で買収。事業拡大路線を突き進んでいる。今回、アームを傘下に収めたことでCPUやスマートフォン、IoT市場にも影響力を高めていくことが予想される。
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