ワイモバイル(Y!mobile)は、「ワイモバイルからソフトバンクへの番号移行プログラム」を2020年9月15日で終了し、9月16日から「ワイモバイル→ソフトバンクのりかえ特典」の提供を開始する。
 条件と特典はかなり複雑なので、ざっくりとまとめると、1年以上継続利用または光セット割引「おうち割 光セット(A)」利用中のY!mobileから番号移行でソフトバンク(SoftBank)に乗り換え、大容量プランの「メリハリプラン」を契約すると、翌月から6カ月間は、Y!mobileのスマホベーシックプランMの月額料金と同額で、7カ月目から13カ月目までは1000円の上乗せで、月間最大50GB使えるようになる。

 のりかえ特典として、本来なら請求される、Y!mobileから転出する際に発生する契約解除料、番号移行手数料、SoftBankへ転入する際に発生する契約事務手数料が全て免除。プランMの上限10GBを毎月超過している、超過していないが上限を気にせず思い切り使いたいといったユーザーはこの機に乗り換えを検討してもいいだろう。
 少し後の9月30日には、Yahoo!ショッピング/PayPayモールの買い物で通常より得するキャンペーン「ソフトバンク・ワイモバイルスマホユーザーならYahoo!ショッピングで+2%【指定支払方法での決済額対象】」「ソフトバンク・ワイモバイルスマホユーザーならPayPayモールで+4%【指定支払方法での決済額対象】」が終了する。
 代わりに10月から、ヤフーは、Yahoo!ショッピングやヤフオク!などYahoo!サービスやYahoo! JAPANカード(ヤフーカード)の利用に応じて、翌月のYahoo!ショッピング/PayPayモールでの買い物の際のPayPayボーナスライト付与率がアップするキャンペーンを実施する。
 ソフトバンクユーザーを対象に実施中のキャンペーン「ソフトバンクスマホユーザーなら毎週日曜日はさらに最大10%相当戻ってくる!」は継続。また、ソフトバンクユーザー以外も日曜日限定で5%相当戻ってくるキャンペーンを新たに開始するという。
 「日曜」の縛りは、金曜・土曜にdポイントの付与率がアップするd払いのキャンペーン「d曜日」への対抗、Yahoo!サービスの利用に応じた付与率アップは、「auポイントプログラム ステージ制」や「dポイント スーパー還元プログラム」を踏襲したかたちだ。
●サブブランドUQ mobileが家電量販店でシェアを拡大
 家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」によると、20年8月のスマートフォン全体(SIMフリーiPhone、SIMフリーのAndroid端末などを含む)のキャリア別販売台数シェア1位は、au+UQ mobileを合算したKDDIグループ。僅差で2位にソフトバンクグループ(SoftBank+Y!mobile)がつけ、3位にサブブランドのないドコモと続く。
 19年1月以降の1年半の動きを個々のキャリアごとにみると、UQ mobileは4~5%台から6~7%台ヘ伸びている一方、Y!mobileは19年4月の11.7%を上限に伸び悩んでいる。ドコモとY!mobileは、キャンペーン・セールの多いオンラインショップにだいぶ流れているとみても店頭での勢いの低下は事実だろう。
 さまざまな状況から推測すると、ワイモバイル→ソフトバンクのりかえ特典の狙いは、当初はより安いY!mobileを選んだが、実は今はSoftBankのほうが合っているユーザーに乗り換えをうながすと同時に、Yahoo!ショッピングとその上位互換として19年10月に立ち上げたPayPayモールを頻繁に利用しているY!mobile契約者をSoftBankに寄せ、収益性を高めるためだと考えられる。
グループ内とはいえ、常時10%を超える高還元にはやはり無理があったようで、他社を追随し、戦略見直しを図るようだ。(BCN・嵯峨野 芙美)

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