今回、紹介する「OSMO(オズモ)」はこうしたデジタル教育と従来の教育の架け橋となってくれる存在だ。物理的なカードやブロックを使ってタブレットの中の問題を解くという方式で、デジタル教育の懸念事項を解消してくれる。今後必須になるかもしれない先進の知育玩具を紹介しよう。
●デジタルとフィジカルの融合という素晴らしさ
まず一言で言って、デジタル教育に物理的な教材を組み合わせている点がとても素晴らしい。長時間画面を見るので視力が低下する、当てずっぽうでタッチしても正解してしまうので、考える力が養えないなどがタブレット活用のデメリットだ。しかしOSMOでは、あくまで「導いてくれる役割」としてタブレットを活用し、子供は多くの時間を物理的な教材と過ごすことになる。したがって前述したような懸念がほぼなくなるわけだ。
対象年齢は6歳からなので、2歳の娘には早いかなと思ったが、写真にある「Tangram タングラム」というアプリは意外と楽しめている様子だった。現在はAmazonのKindleキッズエディションで数字や色などの学習をさせているが、小さいうちからOSMOにも触れておけば、基礎的な部分ができた後にスムーズに興味を持ってもらえそうだ。
●細部まで「子供のこと」を考え抜いた設計
アプリも素晴らしいが、さらに好感が持てたのがハードウェアの設計だ。使用するカードやブロックはそれぞれカラフルな箱に入っており、色でどれか判別することができる。
iPadに装着するパーツも下の台座にすっぽり収まるようになっており、子供でも感覚的に片付けられるようになっている。学習する部分だけでなく、スタートから片付けまで全て子供がやれるように配慮されているのが素晴らしい。いくら先進的な学習方法だとしても、子供が自発的にスタートできなければ本末転倒なわけで、このあたりは子供を持つ創業者ならではの配慮だろう。「子どもたちのやる気を引き出す、素晴らしいもの」を原点に開発されただけあって隅々まで子供のことを考えられた製品だ。
●プログラミングや物理法則も感覚的に学習!
さらに「プログラミング」や「物理法則」も手を使って学習できる点はOZMOならではだ。これらは現実で触って覚えるということが通常できないものなので、触覚を使って学習できるのは画期的だと感じた。
仮想現実のものに物理的なインターフェースでアプローチするという形態は極めてユニーク。タブレットを使った学習の懸念事項に「子供が飽きてしまってやらなくなる」ということがあるが、OSMOなら年齢が上がってもどんどん上の難易度、バリエーションに進むことができるのでそういった心配もない。見た目こそおもちゃの延長に見えるが、かなり難しい問題も入れている点に教材としての実用性が垣間見えた。
●ひらがな、漢字には非対応 「触覚」を使って覚える方法も
ここまで優秀だと残念なのが、ひらがな、漢字に対応していない点だ。ただこの点に関しては鉛筆や筆など日本の筆記具の「触覚」を使って覚える方法がある。
最後に使用するiPadだが、今のところ公式には最新のiPad Proなどベゼルが細くなったタイプには対応していない。筆者が実験してみたところでは浅く付ければ問題なく使えていたが、そのあたりは注意してほしい。非常に優秀な学習教材で拡張性も高いので今後の展開に注目していきたい。(ROSETTA・木村ヒデノリ)
木村ヒデノリ
ROSETTA株式会社CEO/Art Director、スマートホームbento(ベントー)ブランドディレクター、IoTエバンジェリスト。
普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で1歳半の娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。
https://www.youtube.com/rekimuras
記事と連動した動画でより詳しい内容、動画でしかお伝えできない部分を紹介しています。
【関連記事】
電子タバコじゃない? 非喫煙者が休息をアップグレードできる新発想ガジェット「Ston」を本音レビュー
薬剤なしで子供にも安心! 59秒であらゆるものを消毒できる光デバイスは毎日使いたいガジェットだった
63歳の父でも使いこなせた! 天井プロジェクター「popIn Aladdin 2」は親世代にもおすすめ
すべての電動自転車を凌駕するポテンシャル! 「Vanmoof X3」が“最高”すぎた
これが家庭用チェーンソーの最新形! デザイン・機能・価格の三拍子が揃った「STIHL GTA26」