首都圏のターミナル駅に出店する百貨店は、旗艦店と別に独立したオンラインショップ(EC)を展開し、従来のデパート来店層と異なるECユーザーの取り込みを図っている。

 そごう・西武は、今年のお中元ギフトの売り上げについて、既存店前年105%、うちインターネット前年比110%と、強気の目標を立てる。
同社によると、20年のお中元・お歳暮の売り上げは、お中元が前年の約9割にとどまったが、お歳暮が前年を上回ったという。昨年2月以降の新型コロナ禍を受け、「帰省できない代わりにギフトを贈る」「イエナカ時間充実のための自宅用購入」の二つの新しいニーズを取り込むことができた結果だと分析している。
 近年、共働き世帯が増えており、「小遣い制」ではなく、公共料金や保険料といった固定費の支払いを項目ごとに分担する「夫婦別会計」でやりくりし、自分の収入の残りを自由に使って貯蓄や投資、買い物をするケースが増えているようだ。お中元ギフトの「自己購入」は、共働き世帯の増加がもたらしたプラスの経済効果ともいえるだろう。
 高島屋は、「2021年高島屋のお中元」のEC販売スタートにあたり、「お中元は、日頃からお世話になっている方へ感謝の気持ちを伝える、夏のご挨拶」という従来通りの解釈に加え、「近年はお中元を、この時期ならではの限定品や、今だけ・ここだけの美味しいグルメが一堂に集まるシーズンイベントとして捉え、ご自宅用や、カジュアルギフトに利用される方も増えています」と紹介。オンラインストア独自特集として「おうち時間充実ギフト」「ご当地ギフト」など、自宅用にも楽しめるラインアップを取りそろえる。
 お中元・お歳暮は、高級お取り寄せスイーツ・グルメを中心としたお買い物のシーズンイベントに変わりつつある。
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