貧乏性ゆえ、ノートPCのバッテリーはできるだけ使いたくない。バッテリーは使えば使うほど稼働時間が短くなり、いずれ使えなくなる。AC電源が使える環境では優先的にAC電源で運用したい。しかし、実はこれがバッテリーの寿命を縮めることにもつながってしまう。普通は、常時AC電源につなぎっぱなしにしたり、満充電のまま放置してもバッテリーがダメージを受ける。
一つの答えは、バッテリーが交換できるノートPCを選ぶことだ。パナソニックのレッツノートシリーズが代表格。バッテリーがダメになったら交換すればいい。複数のバッテリーパックを用意して交換しながら運用すれば、さらなる長時間駆動も可能だ。ただ、残念ながらレッツノートシリーズは高級品。安くても10万円は下らない。丈夫ではあるものの、厚めの筐体も薄型全盛の今となってはやや古臭い感じもする。バッテリー内蔵型の一般的なノートPCも交換は可能だ。
そこでもう一つの答え。それは大容量モバイルバッテリーの活用だ。最近ではノートPCの充電や駆動にも耐える大容量・大出力タイプの製品が販売されている。これをメインバッテリーとして活用する方法だ。この運用にはいくつかの条件がある。1つは、PCがUSB-PD対応で、USB-Type C端子への電源供給で稼働すること。また、PCに内蔵バッテリーを保護するモードが備わっていることだ。冒頭に登場した9分で電源が落ちるノートPCはこれらには非対応。激遅だったこともあり買い替えた。コスパの高いレノボ製ノートPC「IdeaPad Slim 550」だ。
レノボのノートPCに備わっているバッテリー保護モードは「保全モード」という名称。他社のPCにも似たようなモードがある。まず、この保全モードでバッテリーの消耗を極力抑える。充電時にはバッテリー容量の55%~60%までしか充電せず、それ以降は内部的にバッテリーが切り離されてAC電源での運用になる。AC電源をつなぎっぱなしにしていても安心だ。満充電しないのでバッテリーには優しいが、バッテリー駆動時間は当然、半分程度に短くなる。このPC、仕様上はバッテリーで12時間駆動することになっているが、フルパワーで普通に使うと8時間程度が限界だ。これがさらに半分程度に短くなると、日常使いにもかなり心もとない。そこで、AC電源が利用できない環境では、大容量のモバイルバッテリーをメイン電源として使うことにする。
IdeaPad Slim 550はUSB PD対応で、USB Type-C端子への給電で使用できる。
ただし、大容量のモバイルバッテリーはデカくて重い。PowerCore III Elite 25600 87Wは実測で561gあった。
バッテリー保護モードが備わりUSB PD給電対応のノートPCと大容量モバイルバッテリーを組み合わせると、いつでもどこでもPCが利用できる環境の出来上がりだ。これでようやくPC利用時の「場所の自由」を得た。(BCN・道越一郎)
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