弥生は9月27日に、全国の個人事業者と30名以下の小規模事業者2000名(経営者および経理担当者)を対象に実施した、「インボイス制度に関する意識調査」の結果を発表した。同調査は、8月26日~27日の期間に行われている。

 

 
 調査結果によれば、インボイス制度について「まったく知らない・聞いたことがない」と回答した人は45.4%に達し、「聞いたことはあるが内容はよくわからない」(38.7%)を合わせた84.1%が、同制度を正しく理解していないことがわかった。
 個人事業主だけでみると、「まったく知らない・聞いたことがない」という回答は53.3%で、全体の結果と比較して7.9ポイント増となり、制度への認知が低下している。
 2021年10月に、同制度における適格請求書発行事業者の登録申請が開始されることを知っている人は20.3%で、インボイス制度が2023年10月に導入されることを「知っている」と答えた人は、インボイス制度を認知している人のうち22.6%に留まった。
 インボイス制度の準備課題を尋ねたところ、「自社にどのような影響があるかわからない」(38.5%)がもっとも多く、「何をどのように進めればよいかわからない」(25.7%)、「いつから準備を進めればよいかわからない」(21.6%)がそれに続いている。
 調査対象者からは、「具体的に何を準備すればいいのかが不明確」「問題点が挙げられるほど知識が整っていない」「まだ理解していないので困りごとすらわからない」といった声が寄せられたほか、「社内や取引先への周知がまったくできていない」「取引先に免税にしている個人事業主が多いのでどうするか悩みどころ」など、取引先への説明に関する不安の声も聞かれた。
 インボイス制度導入などの法令改正について、困った際の相談先としては、「会計事務所/税理士」(43.4%)が最多で、「税務署」(17.0%)がそれに続いている。個人事業主に限ってみると、「会計事務所/税理士」という回答は21.4%に留まり、「相談先がない」が17.4%、「相談しない」が32.4%と、個人事業主は法令改正の際の相談先がないことが明らかになった。
 なお、弥生は事業者のインボイス制度における事業・業務を支援すべく、特設ウェブサイト「インボイス制度あんしんガイド」を公開している。
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