NTTドコモは2021年10月1日、選択肢として残っていた、定期契約なしプランより月額187円(税別170円)安い「2年定期契約プラン」の新規申込の受付を終了。これに伴い、旧料金プラン(「カケホーダイプラン」など)の「ずっとドコモ割コース」契約者に対し、2年定期契約を更新する際に進呈していた「更新ありがとうポイント」の提供を廃止したため、旧料金プラン契約者は、更新ありがとうポイントの分だけ実質的に値上げとなった。

 

 プラン変更まで従前の料金プランを継続利用できるため、ドコモの料金プランは、旧料金プラン、新料金プラン(旧ギガプラン)、新料金プラン(現ギガプラン)の三つに分かれる。新料金プランの新旧の区分は、19年9月30日以前/以降。
 21年10月1日以降、ギガプラン(5Gギガホ プレミア/5Gギガホ/5Gギガライト/ギガホ プレミア/ギガホ/ギガライト)を新規に契約する場合、支払方法にdカードを指定する「dカードお支払割」を適用しない場合は毎月187円、1年に換算すると年間2244円負担が増える。この負担増を回避するにはdカードを作成して「dカードお支払割」を適用するしかなく、2年定期契約プランの廃止は、「dカードお支払割」をきっかけとしたdカードの新規入会促進策ともいえる。
 KDDIもまた、22年3月31日をもってauとUQ mobileの契約解除料を廃止。あわせて、主にauの旧プラン向けの長期継続特典「au STAR」の「2年契約更新ギフト券プレゼント(3000ポイント)」と「2年契約N」の新規受付を終了した。ドコモ同様、長期継続特典はなくなり、旧プラン契約者は、これまで2年おきに受け取っていた2年契約更新ギフト券(3000円相当)の分だけ実質的に値上げとなった。
 またドコモ同様、自社クレジットカード利用者を優遇し、「au PAY カードお支払い割」対象外プランから、同割引の対象プラン「使い放題MAX 5G/4G 」に変更すると、110円(税別100円)割引の「au PAY カードお支払い割」を適用しない場合は、適用しない場合に比べ、毎月110円、年間1320円負担が増える。
 ソフトバンクも、「ソフトバンク」と「ワイモバイル」で過去に提供していた契約期間がある料金プラン(ホワイトプラン、4G データし放題フラットなど)の契約解除料の免除と、一部の定額サービスと料金プランにおける長期継続特典の提供を22年2月をもって終了した。ただし、「データプラン3GB(スマホ)」「データプラン3GB(ケータイ)」「データプラン100MB」の長期継続特典は、22年6月以降、契約期間13カ月以上で毎年1000円相当のPayPayポイントをプレゼントする「誕生日特典」に内容を変更して継続する。
 ドコモの2年定期契約の廃止、それに伴う独自の「解約金留保」制度の廃止、au・UQ mobileの契約解除料の廃止、auの2年定期契約の廃止が示す通り、通信事業者の乗り換えのハードルは大幅に下がっている。ただ、ドコモ・auについては、「dカードお支払割」「au PAY カードお支払い割」の適用がないと、最安の月額料金にはならないので、MNPによる新規契約や、旧プランから新料金プランへの変更は慎重に検討することをおすすめしたい。
(BCN・嵯峨野 芙美)
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