ただの値上げじゃない!? パナソニックの「価格改定」と家電量販業界の「商慣習」
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8月からパナソニックも順次値上げする
【家電コンサルのお得な話・89】 主に白物家電を中心に家電製品の値上げが行われている。4月以降、日立GLSやバルミューダなどをはじめ、アイリスオーヤマも6月出荷分から多くの自社製品の値上げをしている。そして8月からはパナソニックが順次値上げする予定である。だが、パナソニックの価格改定は単なる値上げではなく、家電量販業界の「本部商談」の在り方を大きく変えるだろう。

●家電の買い物がつまらなくなる
 パナソニックのホームページによると、価格改定率は約3~23%増(8月度 価格改定分で記載)である。対象カテゴリーは8月の冷蔵庫、食器洗い乾燥機などをはじめ、9月以降は電子レンジや炊飯器、ドライヤーといった白物家電のほか、ブルーレイ・ディスクレコーダーやポータブルテレビなどが予定されている(図参照)。
 このパナソニックの価格改定は、家電量販業界で話題になっている「メーカー指定価格」と相まって、家電量販業界の「本部商談」の在り方を大きく変えるだろう。
 今までは「買い取り」が基本であり、各家電量販企業は自由な値付けを行えたため、時間の経過とともにプライスダウンさせ、自社の販売台数を増加させることもできた。
 このプライスダウンの原資は「販売奨励金」と称するメーカーからのリベートであることが多い。メーカーからすれば「商談を重ねるたびに金が要る」といった状況になっていたわけだ。
 それが今後は委託販売になり、返品が可能になる代わりに、メーカーの「指定価格」で販売しなければならない。消費者から見れば、今までは「新発売時の初回売価と処分間際の売価では2~3割安くなっていた」のが、「製品のライフサイクル期間中、ほとんど値動きがなくなる」ため、「お買い得感」といった買い物の醍醐味が得られなくなる。いつ行っても同じ価格だから、家電製品の買い物がつまらなくなってしまいかねない。