NTTとNTTデータは、市民が気軽にまちづくりに参加できる新しい仕組みの実証実験を1月23日に八日京(東京)、京橋(大阪)、幕張(千葉)から開始した。

 実証実験では、スマホアプリ「みんなのスマートシティ(みんスマ)」の「地域クエスト機能」により、市民が「まちの活性化」や「まちの課題解決」にアプリから参加できて楽しみながら取り組める新しい体験を提供する。
今回は3エリアで市民に実際にクエストに参加してもらいながら、アプリと機能の有用性や使い勝手の検証を行う。
 近年、リモートワークの普及により「居住地で過ごす時間の増加」や「職場で過ごす時間の減少」が進んでいること、SDGsやサーキュラーエコノミーといった持続的で循環可能な取り組みに対する意欲関心が高まっていることなど、人々の生活環境や意識に大きな変化が起きている。NTTとNTTデータはこうした変化に着目し、市民のまちに関する発信や行動を「みんスマ」を通じて可視化、促進することで、地域主体のまちづくりを加速させる取り組みを2020年から始めている。今回、市民がより気軽にまちの活性化や課題解決に関われる「地域クエスト機能」を「みんスマ」の機能として新たに開発した。
 「みんスマ」は、まちと人との接点となるアプリ。「みんスマ」がまちに関わるハードルを下げることで、多くの人が自分のまちに関心を持ち、楽しみながらまちのために行動できる世界を目指している。今回の実証実験で主に活用・検証する「地域クエスト機能」は、まちの市民・法人双方に関わる「まちの活性化」や「まちの課題解決」を、アプリを通じて誰もがプレイできるクエストとして提供できるようにするもの。
 市民は、アプリからクエストに参加し、「地元民だから知っているおすすめスポットを紹介しよう」「子どものためにまちの不安全を見つけよう」などテーマに沿った写真を撮影してアプリ内の地図に投稿する。みんなが同じテーマで一つの地図に投稿を集め、情報や意見を交換することで、みんなの力でまちの新たな魅力発見やアピールをする、困りごとへの気づきや解決を実現するなどして、自分が関わるまちを居心地良いものにしていく。
 法人は、市民に取ってほしい行動をクエストとして設定できる。市民が集める情報や意見は、自社サービスの改善や保全などに活用することができる。
 実証実験の期間は、八日京エリア(東京都中央区 八重洲・日本橋・京橋周辺地区)が1月23日から3月31日まで。
実証テーマは、エリアマネジメント、デベロッパー、ワーカー、シビックプライドの醸成。京橋エリア(京阪電鉄 京橋駅周辺地区)が1月23日から3月20日まで。実証テーマは、人がとどまる仕組み検証と商業施設、商店街での滞留人口の分析。幕張エリア(京葉線 海浜幕張周辺地区)が1月23日から3月31日まで。実証テーマは、まちのポータル、生活者コミュニティーの醸成。なお、この3エリアに加えて、今後、神奈川県(保土ヶ谷区 星川・天王町周辺エリア)でも実証実験を計画している。
 NTTとNTTデータは、今回得られる成果をもとに、2023年度の商用サービス開始を目指し、全国の地域関係者や企業、自治体を募る。今後も「みんスマ」を通じた発信や行動、市民参加の促進により、地域主体の持続的なまちづくりの実現を推進していく。
【関連記事】
5G人口カバー率99%やスマートシティ100地域を目指す「デジタル田園都市国家構想」とは?
豊島区長「西武池袋本店存続に関する嘆願」の背景を読む
Galaxyの折りたたみスマホをイメージしたベンチが渋谷公園通り・赤坂サカスに登場! 歩きたくなる「ウォーカブル」なまちづくりに貢献
「デジタルツイン渋谷」始動、実証実験を経て2023年の商用化を目指す
千葉・松戸市、北小金駅南口再開発事業 都市計画決定
編集部おすすめ