ニトリホールディングス(以下、ニトリ)はEV用充電器の開発・販売や保守も含むサービスを展開するプラゴと提携し、店舗に順次導入する。導入は今年の夏からで、2024年末までに全国のニトリと島忠の約300店に導入する予定だ。


●普通充電と急速充電の2タイプを設置予定
 ニトリは2015年から店舗にEV用充電器を設置してきた。しかし、既存の充電器が耐用年数を迎えたため、プラゴのEV用充電器を導入することになったという。導入予定の充電器は急速充電器と普通充電器の2タイプだ。
 ニトリが行うのはハードとしてのEV用充電器の導入で、運用や使用料の徴収などはプラゴが行う。プラゴが提供する「Myプラゴ」は、プラゴ以外も含めた充電ステーションの検索から空き状況の確認や予約、クレジットカードでの決済までを一気通貫で行えるアプリ。アプリをダウンロードしていない場合でもwebサイトを通してゲスト利用が可能だ。
 通常は1回の充電で使用時間に応じた料金が発生するが、プラゴでは月額サービスも展開している。使用回数は無制限で、1回の充電が5時間までの「普通充電し放題プラン」は月額980円。8月1日から開始予定の「急速充電バリュープラン」では、「普通充電し放題プラン」に加えて急速充電300分/月も含めて月額3980円という非常にリーズナブルな設定だ。いずれのプランもあらかじめ選んだ1施設限定である。決済に関しては、ゲスト利用でも会員利用でもクレジットカードのみの対応だ。
●ヤマダデンキもプラゴのEV用充電器を導入
 既報のとおり、ヤマダデンキも「LABI1 LIFE SELECT なんば」でプラゴのEV用充電器を7月4日から導入した。
カーボンニュートラルの実現にはガソリンからEVへのシフトが不可欠だが、現状では肝心の充電用インフラがまだまだ不足している。
 ニトリもヤマダデンキも全国展開をしており、大型の単独店では駐車場スペースも広く、郊外店ではほとんどのお客が車で来店する。店舗での導入が進むことはEV用充電器のインフラ網整備に大きく貢献するだけでなく、EVユーザーの利便性が向上し、導入店舗にとっても来店動機となる。小売りをはじめとして、さらに多くの企業や施設でEV用充電器の導入が進むことを期待したい。(BCN・風間 理男)
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