●無線高速通信とLAN/USB Type-Cによる有線での安定した通信も実現
ネットギアによると、日本市場において5GのSub6、ミリ波、SAに対応したWi-Fi 6Eモバイルルーターは初という。ミリ波+Sub6によって合計で最大8Gbpsの5Gインターネットの活用を可能にする。また、Wi-Fi 6E(IEEE 802.11ax)は、2022年9月に認可された新しい通信規格であり、従来の5GHz帯および2.4GHz帯と比べて混雑の少ない6GHz帯での通信ができるため、広い帯域幅を活用した高速で快適なWi-Fi環境を実現する。5GHz帯および6GHz帯で最大2900Mbps、2.4GHz帯で最大700Mbpsの高速通信が可能(5GHz帯、6GHz帯はどちらか一方のみ有効)。最大で32台のデバイスを同時接続できる。
本体は、2.8インチフルカラータッチスクリーンを搭載。日本語表示によるUIで直感的に使用することができる。高機能でありながら、サイズが幅105×高さ105×奥行き21.5mm、重量が256g(バッテリ含む)とコンパクトな設計のため、外出や出張の際、鞄に入れて持ち運んでも苦にならない大きさになっている。
5040mAhの大容量バッテリで最大13時間駆動が可能で、長時間の外出や旅行先でも安心して利用できる。バッテリは取り外しが可能となっており、バッテリを外した状態で付属のケーブルおよびアダプタを使用すると、最大パフォーマンスを発揮するホームルーターモードに設定できる。
MR6550のもう一つの特徴が、2.5GマルチギガLANポートおよびUSB Type-Cポートの搭載だ。別売のLANケーブルを使用した有線接続に加えて、USB Type-Cケーブルを使用した最大5Gbpsの高速通信も可能としている。Web会議などでも、PCを有線接続することで高速かつ安定した通信ができる。
では、MR6550による通信はどれほどの実力を発揮できるのだろうか。都内に3カ所あるNTTドコモの5G SAサービスエリアの一つ「東京駅丸の内駅前広場」で、Wi-Fi 6E対応のスマホとPCを使ってテストした。なお、5G SAは理論値で下り最大4.9Gbps、上り最大1.1Gbpsとなっている。
スマホでは下り1Gbps越えを記録。PCでは残念ながらギガ越えはならなかったが、有線接続で641Mbps、無線接続で310Mbpsとまずまずの結果になった。なお、有線接続では2.5GマルチギガLAN USBアダプタを使った。
●安定した高速通信をセキュアに実現
最近は、外出先でインターネットを利用する方法として、スマホのテザリング機能を利用するユーザーもいるが、個人的な利用や一時的なつなぎとしての利用ならともかく、頻繁に外で仕事をすることが多い人にはおすすめはできない。
「モバイルルーターはインターネット接続に最適化された設計だが、テザリングはスマホ機能の一つに過ぎない。
一方、公共Wi-Fiの利用は多くの場合、低速というだけでなく、安全性が担保されていない点が一番の問題だ。ビジネスにおいて個人情報や機密情報をやり取りするには、適しているとはとても言えないだろう。その点、モバイルルーターを使用したプライベートな接続であれば、安定した高速通信をセキュアに行うことができる。
MR6550の発売から1カ月程度で、個人と法人ともに問い合わせは多いという。「一般的なモバイルルーターと比べて高額な製品のため、個人での購入は海外出張が多いエグゼクティブ層が中心になるが、映像系の仕事をして常に車で移動をしているようなノマドワーカーなどが関心を示している。車からACアダプタで電源を取れば、ホームルーターモードとしてフルにパフォーマンスを発揮できる。実際、車両を映像配信の基地にするため、MR6550を活用したいといった例も出ている」と添田マーケティングスペシャリストはアピールする。
MR6550は2.5GマルチギガLANポートおよびUSB Type-Cポートの搭載しており、高解像度の映像など大容量データでも安定して送信ができる。4K/8K PTZカメラなどのデバイスに接続して5Gの通信機能をもたせることが可能なので、スタジアムや野外のイベント会場での利用も想定できる。
また、パブリックビューイングなどが開催される野外会場の全てで必ずしも通信環境が整っているとは限らないため十分にニーズはありそうだ。実際、イベント向けのレンタル事業者からの問い合わせもきているという。
「自治体の災害対策、観光バス内での高速Wi-Fiサービス、オフィスや工場でのAP(アクセスポイント)の代わりなど、法人向けの活用の幅は広いと考えている。さまざまな用途を拾い上げて市場開拓していきたい」と添田マーケティングスペシャリストは力を込める。
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