情報閲覧用途では、スマホはなかなか厳しい。物理的に画面が小さいこともあるが、そもそもWebサイトなどでは、自動的にスマホ用のフォーマットになってしまい、情報量が極端に減ってしまうことが多いからだ。このスマホ用の「スカスカ」ページがどうにも我慢ならない。情報収集効率が圧倒的に悪くなる。BCNのコンシューマ向けサイト、BCN+Rも同様で、スマホで見ると、情報量がガクンと落ちる。一方、8インチクラスのタブレットで見ると、PCと同様の広々としたレイアウトになるため、ページ閲覧がとても楽だ。しかも縦長なので、もしかするとPCで見るより見やすいかもしれない。情報収集に限らず、オンラインショップでの買い物や旅行サイトの予約なども、圧倒的にタブレットの方が楽で早い。
YouTubeなどの動画サイトの閲覧に関しても、タブレットがいい。
さて、タブレットのサイズは現在10~11インチ台が主流だ。BCNランキングを集計すると、ほぼ7割程度がこのクラス。スマホより、明らかに大きなこのクラスが人気なのはよく分かる。タブレット市場で覇権を握るiPadの主力サイズでもある。
8インチクラスのタブレットは、LCCで海外旅行をするようなシーンでも活躍する。エコノミークラスのシートにはモニタ―も何もなく暇つぶしが大変だ。そんな時には、8インチクラスのタブレットで映画を観ればいい。あらかじめ見たい映画を何本かダウンロードしておいて、機内で見るわけだ。航空会社によっては、機内Wi-Fiでフライトマップなどの独自エンターテインメントを提供している場合もある。そんな、ちょっとしたコンテンツを見るにも、8インチクラスのタブレットはちょうどいい。
では、スマホとタブレット、どのように使い分ければいいのか。ざっくりと分けると、立っているときはスマホ、座っているときはタブレット、という感じだ。スマホ最大の魅力は機動力。片手で持ち歩き操作もでき、ポケットにも入り電話にもなる。もちろん、インターネット環境の維持もお手のものだ。カメラとしても優れた性能を持つものが増えた。バーコードを使った決済やチケット表示の端末としても、とても優れている。立って使うならスマホは最適だ。一方、座っていて少々余裕がある場合にはタブレットがいい。広い画面で情報収集や予約なども楽。動画の閲覧も楽しい。LTEモデルなら、サブ回線用のSIMを入れて使うという手もある。
8インチ台のタブレットは、日本ではアップルのiPad miniシリーズが一番人気だ。しかし高い。最新のiPad miniのアップルストア価格は、Wi-Fiモデル、ストレージ64GBで税込み8万円超。Wi-FiにLTE回線対応だと256GBモデルで軽く13万円を越えてくる。性能的には申し分ないのだが、ちょっとした情報閲覧用途のサブ機としては躊躇する価格帯だ。対して、このところにぎやかになってきたのが、8インチ台のAndroidタブレット。例えば、中国、ALLDOCUBEの「iPlay60mini Pro」は3万円弱。しかもアマゾンジャパンの公式ストアで時々提供される割引クーポンを適用すれば、6000円引きで買えたりもする。実質2万円半ばで手に入る。画面解像度は1920×1200とそこそこ。プロセッサはMediaTekの「Helio G99」を搭載して、こちらもそこそこの速さ。
他にも同様の価格帯とスペックで、HeadwolfやTECLASTなど、多くの中国メーカーが8インチ台のタブレットを販売している。有名どころでは、同じく中国のシャオミも、8月に8インチ台のタブレットを発売した。いずれも、高級品のiPad miniには性能面でかなわない。しかし、情報消費型の用途なら、価格を考えて、2万円前後で買える中華製のAndroidタブレットが最適ではないだろうか。スマホとタブレットの2台持ちだと、確かにちょっとかさばる感じはする。手ぶら派には厳しい。とはいえ、多くの人がなにがしかの鞄や小物入れは持ち歩いているだろう。それなら、持ち物に8インチクラスのタブレットを加えてみてはどうだろう。スマホ1台体制に比べ、出先でのネット利用の幅が広がり、はるかに楽しくなるだろう。(BCN・道越一郎)
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