大会は、1日目の19日に課題・自由部門のプレゼンテーション審査とデモンストレーション公開。競技部門のファースト、セカンドステージがそれぞれ行われた。2日目の20日は、課題・自由部門のデモンストレーション・マニュアル審査と競技部門の敗者復活戦、ファイナルステージがそれぞれ行われた。課題部門は今回「ICT を活用した環境問題の解決」がテーマ。予選を通過した20チームが参加。自由部門でも20チームが参加した。
課題部門で最優秀賞を獲得した鳥羽商船高専の「Triplean-インバウンド対応・清掃支援システム-」は、公共トイレやゴミ箱などの設備を効率的に清掃・管理するシステム。情報提供、清掃員募集、施設の状態検出の3つの側面を持つ。
自由部門で最優秀賞を獲得した香川高専 詫間キャンパスの「uni」は、映像や風の感触、音だけでユーザー同士の共感を呼ぶコンテンツを提供するシステム。言葉による説明を必要としないのが特徴だ。例えば、システムの前に利用者が立つと目の前に蝶が現れ、タッチすると花が咲くといった具合だ。他にも多くのコンテンツによる体験ができ、試行錯誤や驚き、発見を通じて共感や相互理解を促進する、というもの。布にファンで風を送ったり3Dサウンドを採用するなどでリアリティーを醸成する工夫を施した。
「シン・よみがえれ世界遺産」と題した競技部門は、2011年に開催された舞鶴大会の「よみがえれ、世界遺産」をブラッシュアップしたもの。全58チームが参加した。競技は、奈良という土地柄を反映し文化財の修復をモチーフにした。最初に、修復前の文化財として、複数のピースから成るボードと、修復道具として、複数の抜き型が与えられる。任意の抜き型をボードに適用すると、抜き型と一致したピースだけが抜け、抜けたピースを上下左右いずれかの方向から詰めて補う、という作業を繰り返し、「文化財を修復」するという競技だ。
優勝した松江高専は、1回戦こそ八戸高専の849手に次ぐ1050手と2位通過だったものの、準決勝では3394手で余裕の1位通過。決勝戦でも1万2180手と、1万4042手で2位の徳山高専を引き離し圧倒的な強さで優勝した。これまであと一歩のところで何度も苦杯をなめた松江高専。次回高専プロコンの主管校ということもあり、気合の入った戦いを繰り広げた今回、初優勝を飾った。(ITジュニア育成交流協会・道越一郎)
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