充電すべき機器の筆頭は、やはりスマホだ。今や海外渡航で最も重要なデバイスといえるだろう。現地SIMを使ったネット回線の確保にはじまり、地図や時刻表、様々なドキュメントの閲覧、UberやGrabといった配車アプリの利用時に、なくてはならない存在だ。そもそも飛行機の搭乗券もスマホ画面のQRコード、というパターンも増えた。入国カードの記入もスマホでの入力、という場合もある。写真も撮れ、録音もできる。万一他の機器がダメでも、最悪こいつが生きていればなんとかなる。
スマホと同じく充電の重要度が高いのがカメラ。専用バッテリと専用充電器が必要な機種が多い。バッテリが切れたらそれでおしまいだ。私の場合、通常2台のボディーを持参するが、それぞれに2個の予備バッテリを用意している。1日の撮影でほぼバッテリを1個消費するため、予備が2個あれば全部で3日は持つ「計算」だ。しかし物事、計算通りにいかないことも多い。1日2個弱消費する場合もある。
そして、海外での電源確保に欠かせないのが「変換プラグ」。いざ充電と思っても、コンセントにプラグが合わなければ即アウトだ。日本やアメリカで採用されているコンセントの形状は「A」。しかし、渡航先によっては、「B」だの「O」だの「BF」だのと、様々な種類が存在する。一番安上りなのは、あらかじめ渡航先のプラグを調べておき、普段使っているAプラグと変換するアダプターを購入して持っていくこと。価格も1個数百円と安い。
その都度買うのが面倒な場合や1個で済ませたい場合は、複数のコンセントに対応した変換プラグを用意するのも手だ。最近では、USB充電器付きの大ぶりの変換プラグが出回っている。しかしこれは全くお勧めできない。かさばるうえ重く、壁面のコンセントに取り付けると自重で抜けてしまったりする。そもそも高速充電に耐える出力が出ないものが多い。しっかり高速充電できるUSB充電器を別途持っている場合は無用の長物だ。余計な機能がなく、プラグ変換のみのシンプルな製品がいい。お勧めはカシムラの「WP-91M(NTI-91)」。「A・C・BC・O・SE・BF」と6種のコンセントに対応する、小ぶりなブロックタイプだ。それでいてコンセントが2口ついている。
万一変換プラグを荷物に入れ忘れたとしても、ホテルによっては貸してくれることもある。貸してはくれなくとも販売はしているホテルもある。海外からの宿泊客が多いホテルなら、相談すれば何らかの解決策が見つかるだろう。近くのスーパーやコンビニで売っている場合もある。家電量販店なら買える確率はかなり高まるが、必ず入手できるとは限らない。この辺は日本と同じだ。
国によって電源の電圧も異なる。100V、125V、250Vと様々な種類がある。昔は海外渡航の際、電圧変換のためのトランスを持って行ったものだ。これが実に重く邪魔だった。しかし、現代の機器はほとんどが100V~250Vで柔軟に利用できる。トランスは必要ない。念のため、手持ちの機器や充電器、ACアダプターなどの対応電圧を確かめておこう。
(BCN・道越一郎)
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