昨年9月、iPhone16シリーズが登場したことをきっかけに、前モデルのiPhone15の売り上げが急拡大。10月以降現在まで主力としてトップの売り上げを継続している。また2月には廉価版のiPhone16eが登場。アップルは大きなシェアを獲得することに成功した。3月現在、iPhoneのモデル別販売台数構成比は、iPhone15が40.5%、iPhone16が26.7%、iPhone16eが22.1%。これら上位3モデルで89.4%を占めている。一方昨年は、新製品のiPhone15の出足が鈍かったところに、それまでの主力だったiPhone13が急激に収束。旧モデルのiPhone14だけで売り上げを支えていた時期があった。
Android勢はiPhoneに押されて後退している。OS別の販売台数構成比ではこの3月、iOSが67.6%と7割弱を占め圧倒的。Androidは32.4%と、ここ3年で最低だった、22年3月の25.8%に迫る縮小ぶりだ。Androidスマホは23年8月、Google Pixelが好調で51.4%の販売台数シェアを記録。iPhoneを上回った。しかしこれは「一月天下」に終わりすぐにiOSがシェアを奪還。以降安定的にトップシェアを維持している。昨年9月以降は特に好調で、7カ月連続でシェア6割超だ。どんぐりの背比べのようなAndroid勢では、Googleとシャープでトップ争いをする中、シャオミが絡むという構図が続いていた。
米・トランプ大統領が打ち出す新たな関税政策に、世界経済は翻弄されている。この影響で、中国で製造しているiPhoneの価格も跳ね上がるのではないか、とささやかれている。一部では4割以上値上がりするのではと危惧する声もあるようだ。実際はどれくらいの影響があるのか、日本での売価がどれほど上昇するのかは不透明。しかし今後、駆け込み購入が生じるようなことがあれば、iPhoneのシェアは一時的に7割を超える場面があるかもしれない。(BCN・道越一郎)
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