電球が切れた。交換しなきゃ。
ところが現在日本では、一般向けのフィラメント式白熱電球は、ほぼ作られていない。東芝ライテックやパナソニックを始め、主要大手メーカーが生産を終えているからだ。白熱電球は、探せばまだ細々と売られてはいる。しかし、交換するならやはりLED電球だ。消費電力が小さく寿命も長い。では実際、どんなLED電球が売れているのか。全国2400の家電量販店やネットショップの実売を集計するBCNランキングで、現在よく売れているLED電球についてまとめた。
 白熱電球が切れたら、ほとんどの場合、そのままLED電球に付け替えることができる。その際、注意すべき点がいくつかある。まず、電球の根本についている「口金」の規格だ。最も一般的でおなじみなのが「E26」。口金の直径が26mm。
普通の電球やボール電球などで採用されている。7月の販売実績では、LED電球の販売数のうち70.4%を占める。次に多いのが「E17」。口金の直径が17mmのちょっと小ぶりな電球で、22.7%を占める。ほかにも多くの規格が存在するが、一般家庭で使われている電球は、ほぼこの2種類だ。LED電球を購入する際には、まずこの口金が合うものを選ぶ。切れた電球の口金直径を測って買いに行けば間違うことはないだろう。不安なら、切れた電球の現物を持って行く、という手もある。
 次に選ぶのが明るさだ。白熱電球にはおおむね40W、60W、100Wの3種類がある。数字が大きいほど明るく消費電力も大きい。LED電球の箱にも、例えば「100W相当」などと、明るさの目安が明記されている。
白熱電球に書かれているW数に相当するものを選べばいい。実際は、例えば100W相当のLED電球のW数は、13~15W程度と消費電力はとても小さい。これはLED電球の大きなメリットだ。電気代の節約になる。
 また、光の色選びも重要なポイントだ。主な色は「電球色」「昼光色」「昼白色」の3種類。最も多いのが電球色で販売数の57.3%を占める。白熱電球に似た黄色っぽい色なので、これまで通り違和感なく使用できる。リラックスするリビングなどに向いている。次に多いのが「昼光色」で21.8%。蛍光灯に近いやや青みがかった明るい色で、オフィスや勉強部屋など、作業環境の照明にいい。次に多いのが「昼白色」で16.5%。
太陽光の色に近く、電球色と昼白色の中間の色味でさまざまな場所に使用できる。こうした色の傾向が選べるのもLED電球ならではだ。
 そのほか「配光タイプ」も選べる。これは2種類あって、一つは「広配光タイプ」で販売数の70.9%を占める。白熱電球のように全方向に光が広がる。もう一つは「下方向タイプ」で29.1%。口金方向には光が行かないタイプで、スポットライトなど光を集中させたい用途に向いている。そのほか、浴室灯や玄関灯など、カバーの中に密閉された状態で使う場合には、密閉形器具対応のLED電球が用意されている。連続的に光の強さを変える調光器に対応するもの、人が来ると自動的に点灯する人感センサーを備えたものなどもある。
 7月現在、LED電球の販売数メーカーシェアは、東芝ブランドを引き継いだ中国のNVC Lighting Japanがトップで20.0%だった。2位はアイリスオーヤマが僅差で続き19.8%。昨年まではアイリスオーヤマが安定してトップを走っていたが、今年に入ってNVC Lighting Japanがシェアを伸ばしてきた。
現在この2社で激しくトップを争っている。次いでパナソニック16.5%、オーム電機11.9%、朝日電器11.8%の順だ。
 LED電球で気になるのが価格。7月現在の1個当たりの税抜き平均単価は、E26タイプで1130円、E17タイプで1230円だった。白熱電球が数百円で買えることを考えると、躊躇してしまう。しかしLED電球はとても長寿命だ。白熱電球が1000時間程度なのに対し、LED電球は4万時間で、めったに切れることはない。通常の利用パターンなら10年から30年は「もつ」と言われている。さらに電力を光に変える効率も良好。同じ明るさなら電気代も桁違いに安い。
 ある試算によれば、60Wクラスの明るさの白熱電球とLED電球を1年間使った場合の総コストは、白熱電球の3万1000円に対し、LED電球が5000円だった。圧倒的にLED電球が安価だ。
電球が切れたらLED電球一択。白熱電球に置き換えても違和感はほとんどない。無理に白熱電球を探して買うようなことはせず、おとなしくLED電球に乗り換えよう。(BCN・道越一郎)
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