ちなみにGB単価は、製品ごとに販売数量と容量(GB)を掛け合わせた総容量と、販売金額の合計で算出したもの。また、平均容量は、総容量と販売数量を使って算出している。なお、SSDには様々なレベルセルが存在するが、ここでは、レベルセルについては問わずに算出している。
2022年7月以降の内蔵SSDのメーカーシェアをみる。22年7月から23年10月ごろまで、Micron TechnologyとSanDiskが首位争いを展開していた。その後、24年5月まで、SanDiskが2割前半のシェアを獲得し、首位を維持していた。Micron Technologyは1割台前半から驚異的に回復し、24年6月から年末まで首位で推移し、42.5%と高いシェアを一時的に獲得した月もあった。しかし25年7月は、前月から15ポイント超もシェアを伸ばしたSAMSUNGが首位となった。
まず、GB単価を比較する。Micron Technologyは、市場全体とGB単価はほぼ同額、SanDiskは若干高めで推移している。
次に平均容量を比較してみる。SAMSUNGの平均容量は、市場全体よりも大容量で推移している。一方、Micron TechnologyとSanDiskは、全体の平均容量と寄り添うような動きをしている。しかし、SanDiskは24年夏頃から徐々に大容量化が進んでいることがわかる。25年7月に関しては、SAMSUNGとSanDiskが、メーカーシェアで1位と2位を獲っており、大容量の需要が増加したことが明らかとなった。
このように、GB単価と総容量の関係を鑑みると、市場としては安価である製品を購入する傾向が強い。しかし、大容量の内蔵SSDを購入する傾向もあらわれている。最終的には、価格と容量のバランスということに尽きると思うが、25年7月にSAMSUNGがトップシェアを獲得したということは、バランスの良さが受け入れられたと言って良さそうだ。また、GB単価は定期的な変動を繰り返していることから、いつが底値になるかを注視することで、購入時期を見極めることが可能だ。(BCN総研・森英二)
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