●「おこめ券配布」事業は自治体ごとに配布対象や仕組みが大きく異なる
大阪府子ども食費支援事業については本連載でも2023年に紹介済みだが、25年9月現在、すでに第4弾となっている(申請の受付はすでに終了)。当初は物価高騰への対策だったが、近年の精米価格上昇の影響で、おこめ券を受け取る家庭も増えているという。こうした取り組みは全国一律ではなく、自治体ごとに行われるが、米不足が深刻化し、価格が高騰してからは、多くの自治体に同様の配布事業が広がっている。
配布される「おこめ券」は、自治体によって名称が異なり、有効期限や使用方法もそれぞれ違うが、基本的には全国のお米販売店やスーパーなどの取扱店で利用できる。
こうした自治体独自の施策は、広報紙や公式ホームページを通じて、自分の住む市区町村で実施されているかどうか確認し、実施されている場合は申し込み方法などを理解することが重要である。
例えば、東京都豊島区の場合、18歳以下の児童がいる非課税世帯を対象に、世帯ごとに4400円分の「おこめギフト券」を配布する施策(子育て世帯への食料支援事業)を実施している。区が対象世帯を確認できる場合は申請不要だが、世帯員の一部が他自治体に住民登録している場合などは申請が必要。申請の締め切りは9月30日で、非課税証明書の提出が求められる。また、おこめギフト券は簡易書留で発送し、受け取り時に不在の場合は郵便局から不在連絡票が投函されるため、保管期限を過ぎると区役所窓口での受け取りが必要となる。
このように、配布や受け取りの仕組みは自治体ごとに細かく異なるため、知らない不利益を被らないよう住民として注意を払う必要がある。
豊島区の子育て世帯への食料支援事業は、各自治体工夫して取り組んでいる支援策の一例だが、忘れてはならないのは、こうした一時的な対症療法が繰り返される背景に、「実質的な減反政策」が今も存在していることが挙げられるだろう。
■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所 堀田泰希を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実践的内容から評価が高い。
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