ポイント制度の発祥は飛行機のマイレージサービス。アメリカン航空が販売促進のために1981年に始めた。その成功を受けて89年に始まったのが、ヨドバシカメラの「ヨドバシゴールドポイントサービス」。現在のポイント制度の元祖ともいえるものだ。コンピューターを活用し、POSシステムの応用でカードに印刷されたバーコードを読み取り、ポイントが自動的に貯まっていく仕組みは画期的だった。「ヨドバシゴールドポイントサービス」が始まった当初は、ヨドバシカメラの各店舗で、さかんに「ゴールドポイントカード」を配布していた。
なぜこうもポイント制度は人気を集めているのか。結果的に割引で購入できるのが一番。その上、ポイントが貯まっていくという面白さもある。ある種のゲーム感覚でポイントを集め、貯まったポイントを眺めては悦に入るわけだ。中には、貯めることがうれしくてポイントは一度も使ったことがない、という人もいるほど。ポイントサービスによっては、これまでに獲得した全ポイントを確認できるものもある。楽天スーパーポイントの「通算獲得ポイント」もその一つ。
販売店から見たポイント制度のメリットは枚挙に暇がない。しかし「お得感」の演出は、ポイントサービスの最も巧妙な点。消費者が「お得だ」と感じるタイミングが倍増するからだ。例えば、1万円の商品を10%のポイントバックで購入すると、購入時に1割引で買えたような「気分」になり「得をした」と感じる。さらに、そこで獲得した1000円分のポイントで、何か別の商品を購入すると「タダで買えた」気分になり、また「得をした」と感じる。つまり「2度得をした」ような気になるわけだ。商品が割引されたことには変わりはないが、落ち着いて考えてみれば、得をしたのは1回だけだ。
最初の購入時には満額を支払っているので、別に得をしているわけではない。
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