今回試したのは、Android端末用の「JJY 電波時計 時刻合わせ 標準電波 疑似送信アプリ」(以下、標準電波疑似送信アプリ)というものだ。GooglePlayでダウンロードできる。インストールして立ち上げると「現在の日時(日本時間)」と「タイムコード(設定する日時)」がリアルタイムで表示される。イヤホン端子に有線イヤホンをつなぎ、音量を最大にして、腕時計の周りにイヤホンケーブルをぐるぐると配置。腕時計を強制受信モードにしてしばらく放置すると、あら不思議、時刻がぴったりと合うではないか。2本のシチズン製腕時計で試したがいずれもうまくいった。
なぜこんなことができるのか……。もともと電波時計は、JJYが送信する標準電波を受信して、時刻を合わせる仕組みになっている。日本では、福島県のおおたかどや山と佐賀県のはがね山の2か所から電波が送信されている。周波数は福島県が40kHz、佐賀県が60kHz。
前置きが長くなったが、そこで登場するのが前述した標準電波疑似送信アプリ。JJYの電波を疑似的に発生させることで、時刻を合わせる仕組みだ。詳しい説明は省くが、まず有線イヤホンを接続。ボリュームを最大にして、13.333kHzの「音」をスマホから発生させる。音を発生させるために流した電流に伴って39.999kHzの「高調波」と呼ばれる微弱な「電波」も発生する。福島県から送信されている時刻合わせ用電波の周波数とほぼ同じだ。これに時計同期用の信号を乗せることで、時刻合わせができるようになる。
この裏技はかなり前から行われてきたもののようだ。広まったきっかけは2011年の東日本大震災。福島県からの標準電波が一時停波してしまったことから、代替策として使われた。同様のアプリはいくつもある。いずれも動作原理は同じだ。Android版では「JJYEmulator」「radio watch sync」、iOS版では「JJY Simulator」「電波時計較正 - 世界6局の電波シミュレーション」、Web版では「JJYシミュレータWeb版」などがあるようだ。選択肢は多い。最近のiPhoneのようにイヤホンジャックがないスマホでも、変換アダプターを介してイヤホンをつなげばいい。イヤホンケーブルなしでスピーカーから音を出すだけでも時刻合わせができる場合もある。WebサービスやPC版アプリを使えば、PCから伸ばしたイヤホンでもOKだ。時計も腕時計だけではなく、置時計などでも同様に合わせることができる。
さてこれで、いつでも電波時計の時刻合わせができるようになった。ただし、時刻合わせの元はスマホの時刻。そもそもこれは正しいのか? 最も正しい時刻を知るには、JJYを運用している情報通信研究機構(NICT)の「日本標準時」ページを訪れるのが一番。ここで表示されている「日本標準時(JST) 」が最も正確な時刻だ。ちなみに、電話で117にかけると聞ける「時報」も、完全に同期している。実は、スマホの時刻はいろいろなサーバーから取得されているが、往々にして数秒程度ずれていることが多い。日本標準時ページでは、そのずれも確認することができる。せっかく電波時計を合わせるなら、正確な時刻にしたいものだ。今回時刻合わせに使ったアプリでは、時刻のずれを修正する機能がついている。+とーで時刻を微調整すれば、腕時計を正確な時刻に合わせることができる。電波時計の時刻合わせで苦労している人は意外に多いと思う。そんな人はぜひ、スマホを使った時刻合わせを試してみてほしい。
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