●Ankerの「二枚看板」
Ankerはコストパフォーマンスの高さで知られるオーディオブランドです。「Soundcoreシリーズ」は、リーズナブルながら確かな品質で人気を伸ばしてきました。今回、試したP41iは、モバイルバッテリー機能を備えた多機能モデル。Liberty 5は、高音質コーデック「LDAC」や「Dolby Audio」に対応し、映像視聴にも強いモデルです。
どちらも2025年に登場した新製品で、ユーザーの使い分け需要に応えるラインアップになっています。しかも1万円台半ばで手が届く価格ながら、上位機に匹敵する性能を誇ります。
●AirPods Proの「現実的な代役」
完全ワイヤレスイヤホン市場では、AirPods Proシリーズが依然として人気です。しかし価格が約4万円と高額なため、「高機能イヤホンが欲しいけれど、もう少し現実的に選びたい」という声も多く聞かれます。
そのような状況から、特に20~40代を中心に価格と性能のバランスでAnkerが選ばれています。P41iが2025年7月、Liberty 5が5月と今年発売されたモデル。
●地下鉄でもしっかり集中できるP41iのノイズキャンセリング
P41iとLiberty 5を実際に試してみました。まず驚かされたのは、ノイズキャンセリングの効きの良さ。P41iが「ウルトラノイズキャンセリング2.0」、Liberty 5がさらに進化した「3.5」を搭載しています。地下鉄や駅構内など、雑音の多い環境でも音がしっかりと際立ちます。
普段、AirPods Proも使っている筆者の感覚でも音の静けさはほぼ同等レベル。価格差を考えると、かなり健闘している印象です。イヤーチップも複数サイズが付属しており、自分の耳にフィットさせやすいのも好印象でした。
P41iのケースは3000mAhのバッテリーを内蔵し、スマートフォン(スマホ)の充電器としても使えます。外出先で「スマホの電池がない」と焦る場面でも、Type-Cケーブルでそのまま給電が可能。営業職や出張の多い人にとって、これはかなりの安心材料です。
ただし、その分、ケースは大きめで重さ約121g。
●Liberty 5は映像に強い高音質モデル
また、Liberty 5はLDAC対応で高解像度の音を再生できます。映画やドラマを観たときのセリフの明瞭さ、立体感のある音場は価格を超えた仕上がり。「Dolby Audio」にも対応し、アクション映画では音の動きが自然に感じられました。ケースも小さく、重さ約59gと軽量。持ち運びやすく、見た目もシンプルで上品です。家でも外でも気軽に高音質を楽しめる万能機という印象でした。
今回、2製品を実際に使ってみましたが、どちらも音のバランスが良く、疲れにくい印象でした。P41iは低音がやや控えめですが、ノイズを抑えた静けさの中でボーカルがよく響きます。Liberty 5は低音から高音までしっかり厚みがあり、音楽や動画の迫力を求める人に最適。装着感はどちらも軽く、長時間のリモート会議でも耳が痛くなりません。
●P41iとLiberty 5、どちらを選ぶ?
それぞれの特徴を比較すると、違いが見えてきます。
P41iは、「とにかく長時間使いたい」「出張・外出が多い」人にぴったり。Liberty 5は、「音質重視」「映像や音楽をじっくり楽しみたい」人に向いています。どちらも最大12時間再生でき、普段使いで十分なスタミナを備えています。
購入前に確認しておきたいのが、予算と使用シーンの整理です。まずは予算で、P41iが約1万2990円、Liberty 5が1万4990円と、AirPods Pro 3の約3分の1の価格ですが、リーズナブルな分、「音質はAirPods Proに劣る」という口コミもあります。音質に絶対的なこだわりがある人は、家電量販店での試聴をおすすめします。
使用シーンも重要です。出張や外出が多いならP41i、自宅や職場での音楽・映像視聴がメインならLiberty 5が向いています。ケースのサイズ感も、実際に持ってみると印象が変わります。P41iのケースは約121gで、モバイルバッテリー並みの大きさです。
保証面では、Ankerは18カ月保証を提供しており、会員登録で24カ月に延長できます。購入後は必ず登録しておきましょう。Anker公式サイトでは定期的にセールが開催されるため、購入前にチェックしてみてください。
AirPods Proのような価格の高い製品と比べても、AnkerのP41iとLiberty 5は日常使いで十分満足できる仕上がりです。「ながら聴き」や在宅ワークなど、生活の延長線上で自然に使える機能がしっかり詰まっています。
スマホの充電までまかなえるP41i。LDACで映画を高音質に楽しめるLiberty 5。それぞれが違う魅力を持ちながら、価格以上の完成度を実現しています。「高機能イヤホンが欲しいけれど、4万円は少し迷う」――そんな人にとって、Ankerの2モデルは間違いなく「ちょうどいい選択」になるでしょう。(マイカ・秋葉けんた)
■Profile
秋葉けんた
編集プロダクションのマイカに所属するITライター。雑誌、書籍、新聞、Web記事など、多岐にわたるメディアで執筆活動を行っている。
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