PC(ノートパソコン+デスクトップパソコン)市場が伸びている。特に、AI処理に特化したNPU(Neural Processing Unit)を搭載するモデルが堅調だ。
昨年10月14日、一部を除きWindows10のサポートが終了。直前の9月と10月で大きな特需が発生した。9月の販売台数は前年比で207.1%、金額は223.8%にも上った。10月も、台数195.7%、金額212.9%と大きな伸びを示した。11月以降は反動減が懸念されたが好調を維持。勢いこそ弱まったものの2桁増が続いている。特に伸びをけん引しているのがNPU搭載モデルだ。1月は158.4%を記録した。全国の2400の家電量販店やオンラインショップの実売を集計するBCNランキングで明らかになった。
PCの活況は一昨年の年末商戦から続いている。2024年12月以降で、PC全体、ノート、デスクトップの販売前年比を見ると、前年を下回ったのは昨年11月、デスクトップが台数、金額とも1桁マイナスを記録した1回だけだ。一方懸念されているのが価格の上昇。
平均単価(税抜き、以下同)の動きをみると、まだ緩やかな下落傾向が続いている。直近のピークは昨年9月の13万6200円。この1月は13万300円と下がった。製品ごとの価格変化を、昨年10月とこの1月で比較したところ、8割以上の製品で価格が下落。値上がりしたのは2割弱と少数派だった。同時期にNPUのありなしで価格の変化をみると、搭載モデルは3.0%の下落。非搭載モデルは6.3%下落した。非搭載モデルが価格を引き下げている。1月は初売りを始めとした特売の時期であることも、下落傾向を後押しした。
1月現在でのPCのスペックを見ると、ノートとデスクトップでは、ノートが9割を超える構成比を占めている。依然PCと言えばノート、という状況だ。メモリー容量では、ほとんどが16GBモデル。
構成比は8割を超えている。それまで主流だった8GBから24年9月あたりで逆転した。搭載CPUでは、インテルのCore i5系が2割弱で最多。次いでアップルの M4チップ、AMDのRyzen 5、Core i3系、Core i7系がそれぞれ1割強という構成だ。クアルコムのSnapdragon搭載モデルはごく少数にとどまっている。またNPU搭載モデルについては、1月現在で31.0%まで広がってきた。独自のチップでAI PCをけん引してきたアップルは既に搭載率100%。遅れて追いかけるWindowsモデルだが、ここにきて構成比が上昇。18.2%まで上昇してきた。特に富士通の搭載比率が高く、26.7%と3割に迫る勢いだ。
メーカー別の販売台数シェアは月ごとに大きく変動している。この1月では、富士通とNECが20.0%で並んでトップ。
平均単価も似通っており、富士通が13万9900円、NECが13万8800円だった。3位は14.7%の
ASUSで2強を追いかけている。4位がレノボで12.4%、5位はアップルで9.2%だった。面白いのが昨年11月。Windows10のサポート終了特需の反動減でWindows勢が落ち込んだ。しかしアップルが販売を伸ばし、その穴を埋めるような動きを示した。MacBook Airの価格が大きく下がったことで人気を集めた。こうした動きもあり、市場全体としては活況を維持してきた。
昨年秋以降、メモリーやストレージ価格の高騰が続いているが、PC市場への影響は今のところ軽微だ。しかし、既に値上げを表明しているメーカーが複数あり、3月の年度末商戦あたりから価格は上昇に転じそうだ。(BCN・道越一郎)
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