【家電コンサルのお得な話・291】 物価高騰の影響が長期化する中、2月から3月にかけて、複数の自治体が全国の米穀店やスーパーなどで使えるお米券の配布を行った。こうした物価高騰施策は全国一律ではなく、自治体ごとに実施の有無や対象、内容が異なり、お米券は少数派のようだが、共通しているのは、食料品価格の上昇に対する生活支援策としての位置づけである。


●自治体ごとに実施 お米券は原則プッシュ方式で対象者なら自動的に届く
 お米券の配布については昨年も本連載で取り上げたが、当時の事例では、子育て世帯など特定層の食費負担軽減に主眼が置かれていた。対して、今年に入って実施された事例は、特定層ではなく住民全体への生活支援に変わり、その位置づけもより広範なものへと変化している。
 自治体が今春、配布したお米券の多くは、国の「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」を活用した事業である。例えば、兵庫県尼崎市では全市民を対象に、1人あたり3080円分(440円券×7枚)の「おこめギフト券」を配布している。また、西宮市では全世帯に対して4400円分(440円券×10枚)、大阪府豊中市でも同様に全世帯へ4400円分の「おこめ券」を配布している。いずれも申請不要で世帯主宛に郵送される仕組みであり、配布時期は2月から順次開始されている。
 このように、全市民または全世帯を対象とする自治体が増えているが、これは、物価高騰の影響が特定の世帯に留まらず、広く住民全体に及んでいることを踏まえた対応であると考えられる。
 また、現金給付ではなく、用途が限定されたお米券という形式を採用することで、支援が貯蓄に回らないよう配慮している。さらに自治体によっては、市内店舗での利用を促し、地域経済の活性化を意図している例も確認されている。
 一方、間接コストの削減などを目的に、デジタルを活用した支援も拡大している。例えば「PayPay商品券」を用いたプレミアム付デジタル商品券の発行や、アプリ上でのポイント還元キャンペーンを実施し、スマートフォンで即時に使える形で家計支援と地域消費の喚起を両立させる自治体も多い。
 読者の皆さんは、自身が居住する自治体のウェブサイトや広報紙などで、物価高騰対策支援策の実施の有無と、対象者や支援方法がどうなっているかを確認するといいだろう。
デジタル商品券の場合は、事前に対象アプリのインストールや本人確認などを実施することをおすすめしたい。紙の商品券の配布などの場合は、受け取りそびれにはくれぐれも注意したい。
(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)
■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所 堀田泰希を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実践的内容から評価が高い。
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