ノジマがシニア雇用の取り組みを積極的に進めている。2月時点で、65歳以上のシニア従業員は102人。
80歳を超えて働く従業員が4人にのぼり、「定年」という概念そのものを見直す経営姿勢が鮮明になっている。少子高齢化が進む日本において、多くの企業が人材不足に直面する中、ノジマは年齢にとらわれない雇用制度で働き続けたい人の意欲を受け止めている。

●健康で意欲があれば働ける、雇用上限を撤廃した理由
 ノジマが雇用の年齢上限を撤廃したのは2021年10月。20年7月には再雇用の上限を80歳に設定していたが、それを超えても働き続けたいという従業員からの要望が寄せられた。
 個別の面談を重ね、健康状態や勤務状況を確認した上で「年齢そのものを制限する必要はない」と判断。結果として、80歳以上でも働ける制度へと踏み切った。制度ありきではなく、人を起点とした判断が背景にある。
 65歳以上のシニア従業員102人のうち、44人は入社時の年齢が65歳以上であり、定年後の再雇用にとどまらない。接客、販売、後進の指導など、現場ではシニアならではの経験と落ち着きが強みとなっている。豊富な知識や熟練したスキルを持つ人材が、年齢を理由に活躍の場を失うことのない環境づくりを進めている。
 日本では、13年に65歳までの雇用確保が義務化され、25年にその経過措置が終了するなど、高齢者就業を後押しする制度改正が続いてきた。さらに21年には、70歳までの就業機会確保が努力義務となっている。

 こうした流れを受けつつも、ノジマは制度対応にとどまらず、一歩先を見据えてきた。13年に定年を65歳へ引き上げ、20年に80歳までの再雇用を導入し、21年に雇用上限そのものを撤廃。社会制度の変化を待つのではなく、自ら選択してきた点に同社の姿勢があらわれている。
 社内報「I am nojima」では、80歳を超えてなお第一線で接客に立ち続ける84歳の従業員を特集している。この存在こそが、雇用上限撤廃の象徴であり、ノジマが掲げる「年齢に関係なく活躍できる会社」を体現している。年齢を重ねても社会とつながり、役割を持ち続けられることは、働く本人にとっても、企業にとっても大きな価値を生む。
 ノジマの取り組みは、「いつまで働かせるか」という話ではない。「働きたい人が、安心して働き続けられる選択肢を用意する」という姿勢が、結果として100人を超えるシニアの活躍につながっている。人生100年時代において、企業が果たすべき役割とは何か。ノジマの挑戦は、日本の雇用のあり方に一つの答えを示しているといえる。
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