「アジアNo.1薄毛大国」(※下グラフ参照)である日本では、メディアにAGA治療関連の広告が溢れ、新たな育毛剤の開発を発表しただけで某企業の株価が急騰するなど、薄毛に対する興味関心は非常に高い。これはもちろん、薄毛が当事者にとって極めて深刻な問題であると同時に、薄毛に悩む人が増えていることの証左に他ならない。
多くの人は薄毛を加齢によるもの、特にオジサンの症状としてイメージしてしまいがちだが、実は20代の若者から60代以上の女性にも髪の悩みを抱える方は多い。
昨今注目を浴びている薄毛治療「自毛植毛」の権威である音田氏によれば、患者の年齢層は【10代=約1%、20代=約27%、30代=約34%、40代=約26%、50代=約10%、60代以上=約3%】という割合になるそうだ。そして、その中の1割強を女性患者が占めているというのだから、現代における「薄毛問題」はまさに老若男女にとって無視できない悩みであると言えるだろう。
本稿では、年代や性別ごとの薄毛特性、治療法、そして効果について触れていく。
※アデランス調べ
■20~30代の約3割が発症する“若ハゲ”は早く正しく治すべき恋愛や結婚、仕事における出世など、公私にわたって今後の人生を大きく左右することになる20~30代の過ごし方は重要だ。そして、その中において外見の印象はやはり無視できない。綺麗事ではなく「人は見た目が9割」、特に初対面の印象は極めて重要だからである。
だからこそ早期に薄毛治療を行うメリットは大きいと音田氏は語る。ただし、若い人は様々な治療法を試しがちで、結果的に時間とコストを浪費する傾向があるのだとか。そして、思うような効果が出ないことから、よりネガティブなマインドになってしまうという「負のスパイラル」に陥ってしまうのだ。
では、この悪循環を経つにはどうしたらいいのだろうか?
「今はしっかりと自然に増える。しかも、継続的なコストがかからない自毛植毛という方法があります。しかも、数年前とは違って現代の技術ではメスを使用しない手術が可能になりました。今回、薄毛に悩む若い方にお伝えしたいことが2つあります。まず、薄毛の多くは進行性であるということ。悩んだり回り道をしている間にも髪は減っていってしまうのです。もう一つは、治療費はランニングコストで考えるべきだということ。入口が安価に見えても、トータルでどれくらいの費用になるのかをしっかり考えていただきたいです」
今、薄毛でいることの機会損失はどれくらいなのか。近い将来、今より減った髪を増やすコストはどれくらいになるのか。若い世代にはぜひ戦略的な薄毛治療を検討してもらいたい。
人生100年時代と言われる今では50歳を過ぎても若々しい人がたくさんいる。しかし、適度なボリューム感があるロマンスグレーの毛髪に憧れつつも「もう歳だから…」という理由で治療を断念してしまう人も少なくないだろう。
「中高年の方には特に自毛植毛の自然な仕上がりが喜ばれますね。例えば、全体的に白髪が多いのに一部分だけ真っ黒というのも不自然ですよね。そもそも、自分の毛を使えば不自然にはなりえないのです。採取元の後頭部の髪が白髪であれば、どこに移植しても白髪になります。それに、自分の毛ですから、もちろんメンテナンスも不要です。術後は都度通院したり、費用がかかることがないのです」
ちなみに音田氏が担当した最高齢の患者さんは83歳の男性だとか。
高齢者の方でも再婚を考えている方や、お孫さんの誕生を機に見た目を良くしたいと考える人が増えているのだという。高齢化社会だからこそ、長いリタイア後の生活も見据えた薄毛治療は十分に検討に値するだろう。
AGAは「男性型脱毛症」と呼ばれるが、薄毛の問題は女性にも当てはまる。むしろ、男性よりも髪を大切にする女性の方が、当事者にとってはクリティカルな問題だと言えよう。
「女性にも男性ホルモンが存在するため薄毛になることは決して不思議なことではありません。
前述したように最近は患者の1割強は女性だという。年代別にみても【20代以下=35%、30代=25%、40代=20%、50代以上=20%】と幅広い。
脱毛の傾向が違う女性の場合は治療法も違うのだろうか。他にも性差はあるのだろうか。
「女性はツルツルに禿げている人はそれほどいません。そうなると毛の間に植えることになるのですが…相応の技術が必要になります。また、女性は仕上がりへのこだわりも男性より強いためか、女性の植毛は行わないというクリニックも存在しています。男性に比べると圧倒的に『自毛植毛』をご存知ない方が多いので、我々もしっかり腕を磨き、患者ファーストを徹底し続けることで、少しでも多くの女性に知ってもらえるよう精進します」
昨今、晩婚化や熟年離婚が増えていることの影響か、40代や50代の女性の美意識が高まっているが、女性の薄毛問題はあまり語られることもなく、解決策も限られていた。
しかし、前述した通り、今や音田氏を訪れる患者の1割ほどは女性である。女性にとってセンシティブな髪の悩みや不安を解消する、有力な選択肢が増えているのである。
このように、一言で「薄毛」と言ってもその状態や治療法、効果は年代や性別、人によって異なる。
ただ増えればいいという時代は終わり、ストレスなく自然に馴染み、外見に自信を与え、ポジティブなマインドへと変えることこそが、本当の薄毛治療なのかもしれない。そしてそれを実現可能にしてくれる一つの最適解が自毛植毛と言えそうだ。自毛植毛の権威とも呼ばれる「親和クリニック」総院長・音田正光先生
「薄毛は病気ではありません。しかし、その悩みが大きいと心身に良くない影響を及ぼすこともあります。コンプレックスを克服すれば自信がついて明るくなり、前へ進む力が生まれます。それだけで人生が大きく変わることもあります。特に若い方や女性は薄毛の悩みを解消することで、多くの可能性が拓かれる印象があります」
薄毛を解消した後、自分はどんな人生を送りたいのか。本稿をお読みの皆さんには、これまでとは違う「治療の先」も考えていただければ本望である。