皆さんこんにちは! 茨城県でヨガのインストラクターの傍ら、新米猟師をしているNozomiです! さて前回は各地に伝わるイノシシ料理や下処理方法についてお話させて頂きましたね。今回は現役の猟師である私が、実際に調理したイノシシレシピについてお伝えさせて頂きます。
【私が実際に作ったイノシシ料理】
さて皆さん、前回、ブタはイノシシを品種化していった動物だとお伝えしましたが、イノシシ肉は味や風味、食感などはブタ肉にとても似ています。私がイノシシを捕った時はだいたい“ロース”は700g~800gくらいの塊肉で切り分けて、“バラ”も同じように塊肉で切り分けますが、その後は3ミリスライスと4.5ミリスライスにしてから冷凍保存してい行きます。ローストや角煮、ベーコンなどを作る時は塊肉で作りますし、スライス肉は普段使いに重宝できますね。特にスライスしたお肉は、普段スーパーで買うブタ肉と殆ど同じ使い方をしますね! 薄めの3ミリスライスは冷しゃぶにしたり、ニンジンやアスパラガスなどの野菜に巻いてこんがり焼いて塩コショウで味付けたり、4.5ミリスライスは、サッと焼いて焼肉のたれをかけて頂いたり、生姜焼きにしたり、カレーに入れたりピカタなどに調理しています(*エ▽`*)
もっと分厚くスライスすれば、シシカツも美味しそう。ご紹介したいレシピは数えきれないほどあるけれど、今回は私が実際に作ったイノシシの中で特にオススメで美味しかった3つのレシピをご紹介させて頂きますね!
【冷凍お肉を美味しく食べる方法】
……と、その前に、冷凍お肉を調理に使う場合は、調理をする1日前に冷凍庫→冷蔵庫へ移し、調理1時間ほど前に冷蔵庫から出して、お肉を常温に戻しておくと良いです。電子レンジはビシャビシャになったり風味が損なわれてしまうので、オススメしません……!(経験済)

■一品目「ローストイノシシ」
さて、まず一品目は「ローストイノシシ」です。ハーブやスパイスを刷り込んだイノシシの上質なロース肉の表面をこんがり焼いた後オーブンで丁寧にこんがり焼いてうま味を閉じ込めた逸品。私の自慢の「おもてなし料理」です。

<ローストイノシシの材料>
・イノシシ塊肉 1.2キロ(ロース推奨)
・ピンクソルト 適当
・黒コショウ 適当
・ローズマリー 適当
・ニンニク 2かけ
<ローストイノシシの作り方>
(1)↓上質な猪の背ロースを用意します。これで約1.2キロ。ローストするとお肉はだいぶ縮みますので大きめのお肉を選びましょう! それを肉筋切りカッターで丁寧に筋を切っていきます。

(2)↓黒コショウ、ピンクソルト、ローズマリーを刷り込んでいきます。黒コショウやピンクソルトが無い場合は普通の塩コショウで。この時にすりおろしにんにくを刷り込んでも◎

(3)↓しっかり刷り込んだらラップで丁寧にくるんで冷蔵庫で最低1時間は寝かせます。時間があるのであれば3時間は寝かせたいですね。

(4)↓調味料をしっかり刷り込んで寝かせたお肉を、たっぷりのニンニクとオリーブオイルをいれたフライパンでこんがり焼いていきます。四隅しっかり焼いていきましょう。もうニンニクの香りとお肉の焼ける音で貴方はウズウズしてくるはず。

(5)↓表面をこんがり焼いたら170度に温めておいたオーブンで20分~30分程焼いていきます。焼き終わるころにはお肉はだいぶ小さく(半分くらい)になり、肉汁がすごいことに! それをアルミホイルで丁寧にくるんでもう一度オーブンの中にしまいましょう。※もう加熱はしません。余熱を使います。

(6)↓そして30分程たったら完成です!! 切り分けてみて肉に透明感が無ければOK!(生ハムのように透明感がある場合は、もう一度オーブンで焼きましょう)。そのまま食べても美味しいし、ハニーマスタードやおろしポン酢をかけてもGOOD!(写真が若干ブレてしまってすみません)

■二品目「イノシシの角煮」
二品目は「イノシシの角煮」です。圧力なべを使って簡単! うまみをギュッと閉じ込めてトロトロふわふわご馳走おかず♪ お子さんに大人気間違いなし!

<イノシシの角煮の材料>
・イノシシ塊肉(ロース・バラ)
・★お醤油60cc
・★日本酒60㏄
・★みりん60cc
・★お砂糖大さじ2
・★お水150㎖
<イノシシの角煮の作り方>
(1)↓私はロースでもバラでもどちらでも作りますが、今回はロースですね♪ 今回は600gくらい用意しました。これを適当な大きさに切ってフライパンに油をひいて(分量外)こんがり焼いていきましょう。

(2)↓表面をしっかり焼いたらフライパンにひたひたになるくらいの水(分量外)を入れて下茹でしていきましょう。余分な油や灰汁がたくさん出てきます。

(3)↓下茹でが終わったら、圧力鍋にお肉、ネギの青い部分、玉ねぎ、にんじん、★の調味料をすべて入れていきましょう! 生姜はスライスを入れてもいいし、チューブ(5~10センチ程)でもいいです。私は結構たっぷり目に入れます。

(4)↓強火でひと煮立ち→弱火で25分程圧力をかけたら火を止めて、圧力が抜けるのを待って完成! あま~い匂いが立ち込めます♪

■三品目「自家製イノシシベーコン」
最後はフライパンと紅茶パックを使って簡易的に作る「イノシシベーコン」♪ 塩漬けにして、いぶすだけ。程よい塩分とイノシシの旨味が絶品! そのままおつまみにしたり、ペペロンチーノやチャーハンにアレンジしてもいいですね。たくさん作らないとあっという間になくなっちゃいます。

<自家製イノシシベーコンの材料>
・イノシシ塊肉(バラ) 600g~700g
・ブラウンシュガー(三温糖)大さじ2
・ピンクソルト大さじ2
・★(燻製用)ローレル2~3枚
・★(燻製用)ブラウンシュガー大さじ2
・★(燻製用)紅茶パック2個分
<自家製イノシシベーコンの作り方>
(1)↓ベーコンはバラブロックで作っていきます。

(2)↓しっかりブラウンシュガーとピンクソルトを刷り込んだら、ラップに丁寧にくるみます。冷蔵庫の中で3日~5日ほど寝かせていきましょう。

(3)↓4日間寝かせてみました。身がキュっと締まっていますね。もはや、美味しそうです……。水で簡単にすすいで、キッチンペーパーでしっかり水分を拭き取ったら、燻製していきます。

(4)↓フライパンの上にアルミホイルをひいて、その上に★(燻製用)のローレル、ブラウンシュガー、紅茶パックを置いて混ぜます。紅茶パックは破って中身を出しましょうね。その上に100円ショップで買った丸網を乗せれば準備OK! 燻製用の調味料ですがスモークチップが無かったのでこれらで代用しましたが、スモークチップ等をお持ちの方はそちらでも良いと思いますし、ほうじ茶など自分なりの工夫を凝らしてみるといいですね(*´▽`*)

(5)↓中火で30分~50分程火をかけていきます。すぐに煙がモクモク出てきて、ブラウンシュガーの香ばしくて甘い香りが立ち込めてきます。

(6)↓完成~!!! 出来立てはアツアツで柔らかくジューシィ♪

ペペロンチーノに入れたり、ガーリックライスに入れたりしました★ イノシシベーコンはニンニクとの相性が抜群なので叫ぶほど美味しいですよ。アヒージョにしても美味しかったなぁ……。


【終わりに。一つだけ注意点。よく加熱して食べましょう!】
如何でしたでしょうか? 今回は私のイノシシオススメレシピ3選のご紹介をさせて頂きました。貴方のお腹の鳴る音、聞こえてきましたよ……! 書いている私まで鳴っちゃいました。注意点がひとつだけあります。ジビエ肉の取り扱いをする時はしっかり中まで火を通して、調理器具も生肉が触れた部分は洗浄や消毒に気を遣いましょう。安心して、安全な美味しいジビエを貴方に楽しんで欲しいのです。
次回は何故ジビエの生食が危険なのか、そのリスクについてお伝えしていきます。この連載を通して私の、私たちの想いが、少しでも誰かに繋がり、そして何かのお役に立てれば幸いです。